御厨貴のレビュー一覧

  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    2014年に刊行された昭和天皇実録についての対談集。少年時代の遊びや叱られたこと、乃木希典への敬慕。欧州遊学。摂政として国の舵取り。熱河作戦の阻止失敗。2.26事件への対応と石原莞爾への不信。三国同盟と松岡洋右。開戦への気持ちの変化と軍部への不信。嘘の上奏ばかりで短波放送を聞いて情報を得る。終戦工作...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争
     NHKの番組に沿って書かれているだけあって、本書はとてもわかりやすくまとまっている。
     こうして昭和をさかのぼってみると、日本が歩んできた道がよくわかる。
     しかし、やはり戦争は避けられなかったのだろうか。本書を読むと、戦前にはなかった「言論の自由」がいかに大切なものかがよくわかる。
     国家と人々...続きを読む
  • 近現代日本を史料で読む 「大久保利通日記」から「富田メモ」まで
    史料という大海をどう泳ぐか。20人の学者が「近現代の重要人物達の日記」という海の、それぞれの泳ぎ方を披露している。
    それにしても近現代の史料というのは、本当にここ最近になって活字化された物が多い。未だ御遺族の気持ちに整理がつかないので発表できない、政治的に時期尚早なので発表できない、偶然に発見された...続きを読む
  • 知の格闘 ──掟破りの政治学講義
    政治史の御厨教授の最終講義6回分のまとめ。
    政治史を、オーラルヒストリー、文献、建築など色々な角度から見ていること、メディアにもテレビや書評を通じて露出していることから、政治史そのものではなくそれぞれの切り口がどういうものかについて6回の講義を行っている。
    オーラルヒストリーについては、西欧からの導...続きを読む
  • 知の格闘 ──掟破りの政治学講義
    ○東京大学元教授で放送大学教授の御厨貴氏の著作。
    ○著者の東大での最終講義(シリーズ)を本にまとめたもの。
    ○オーラルヒストリーの第一人者である著者の研究の秘訣や思いが満載で面白かった。
  • 知の格闘 ──掟破りの政治学講義
    最終講義の模様が、まるで躍動感のあるエンターテイメントのように伝わってくる。内容も深く、オーラル・ヒストリー,公共政策,政治史,建築と政治,書評と時評,メディアと政治の6章構成。
  • 知の格闘 ──掟破りの政治学講義
     政治史という聞きなれない分野の研究者の最終講義録。といっても6回もあるもの。これがまず面白かった。戦後政治史に興味が出てきた段階と思ってたので、本書はタイムリーであり、躍動感を感じることができた。内容詳細については、バックボーン、理解力が不足してるため、把握はままならずというところだが、それでも楽...続きを読む
  • 知の格闘 ──掟破りの政治学講義
    日本政治史を専攻されている氏の最終講義をまとめた本。各回最初に御厨氏が、テーマについて語り、それへのリアクションをゲストスピーカーが語り、御厨氏がこれに対してコメントするという形式。

    語り手の力量が、かなり問われる形式であると思われるが、語り手もゲストスピーカーもかなりの実力者であるので、かなり内...続きを読む
  • 近現代日本を史料で読む 「大久保利通日記」から「富田メモ」まで
     本書は歴史上活躍した過去の多くの著名人の「日記」を取り上げた紹介書である。
     普通は公開を前提としない個人的な「日記」が「発掘」されるということは、「歴史の再発見」につながる場合もあるし、日本の過去の歴史的出来事の「周辺事情」を深く探求することにもつながる。
     本書は明治維新から、昭和後期までの多...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争
    さかのぼりの技法がとても生きている巻であると感じた。
    サイパン陥落が太平洋戦争敗戦に関する重大な事実であったこと、そこにおける決断を逃した理由に、決断すべき人々の幼少期の経験が少なからず影響しているであろうことなど、なるほどと感じることが多く、いろいろと考えながら読み進めることができた。
  • NHKさかのぼり日本史(6)江戸 “天下泰平”の礎
    鎖国はロシア船打ち払い時に作られた「祖法」で、鎖国を選んだ幕府は民命を重んじ、結果的に江戸後期の文化繁栄をもたらした。

    民を重んじる意識は天明の飢饉時の治安の荒廃に一端があり、これをきっかけとして幕府の施策が収奪式から、税金を得た分民にも施しを与える民富論に転換していった。

    江戸時代の安定した農...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争
    大英帝国が衰退していく中で巨大な市場の中国に覇権を争うべくアメリカと日本が対峙していく。アメリカは軍縮、資源、資金で徐々に日本を追い込んでいく。中国は蒋介石率いる国民党政権がアメリカ等の支援を受け、日本との支那事変(あくまで戦争ではない)を持久戦へと持ち込んでいく。日本はハルノートで最終的にアメリカ...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争
    TV(録画)で観た時はいつも通りながら(酔っ払ってみているので)、結局、分かったような分からないよう感想をもった。しかし、本書を改めて読んでみると、今まで読んできたどの本よりも、アジア・太平洋戦争の原因について分かりやすく(シンプル)に書かれていることに気付いた。その分理解を深めるためにはもっと間口...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争
    NHK教育の「さかのぼり日本史」シリーズの第2弾です。著者は『それでも日本人は「戦争」を選んだ』や岩波新書のシリーズ日本近現代史5『満州事変から日中戦争へ』、講談社のシリーズ天皇の歴史8『昭和天皇と戦争の世紀』など多数の著作のある東大の加藤陽子先生です。さて、本巻が取り扱う時代は昭和のはじめから敗戦...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(1)戦後 経済大国の“漂流”
    NHKで放送されている『さかのぼり日本史』の書籍化第1巻になります。『さかのぼり日本史』とは、歴史を「現代から過去へ」みていくスタイルで語られる、つまり「私たちが生きる“いま”を出発点に、「なぜこうなったのか」と問いかけながら時代を一つずつ遡っていく。時代と時代の因果関係を浮き彫りにし、歴史の大きな...続きを読む
  • 近現代日本を史料で読む 「大久保利通日記」から「富田メモ」まで
     近現代の史料の特徴とか注意点について書かれた本…だと思います。

     内容は明治・大正・昭和に分かれていて、昭和だけ三つくらいにわかれていたと思います。
     史料がどのようにして書かれたとか、注意すべき点とか書いてあってそれなりに便利でした。特に原史料の状態が載っているのは有り難かったです、ほんと…非...続きを読む
  • NHKさかのぼり日本史(1)戦後 経済大国の“漂流”
    こうして読むと、首相らしかったのは中曽根までかなーと。

    ここ10年の首相ってどうしようもないからなー。
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争
    歴史に「たら」「れば」はタブーだが、いくらでも戦争をやめるタイミングはあったはず。

    今だからそういえるのかもしれない。難しいところだ。

    日中戦争の長期化がすべてだと個人的に感じた。
  • NHKさかのぼり日本史(1)戦後 経済大国の“漂流”
    戦後史を4ポイントに絞ってさかのぼりながら解説する本。簡易な内容ながら戦後を知らない人達にとっては読みやすい良書と感じました。
  • 近現代日本を史料で読む 「大久保利通日記」から「富田メモ」まで
    近現代を生き抜いた政治家、軍人らの日記=史料の解説書といったところか。

    引用はほとんどなし。内容を引用して解説といったありきたりじゃないところがいいと思う。

    私は社会人になってから日記をつけているが、まあ、それだけの話(笑