レイ・ブラッドベリのレビュー一覧
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ネタバレALTER EGOのエスが勧めてくれたので読んでみた。
本が禁止され焚書される世界の話で、紙の発火温度がタイトルになっていることにセンスを感じて読み始めた。
正直物語は面白くない。描写が詩的で仰々しいため進むのが遅い。350ページ近くあるが短編小説でも消化できるほどの物語しかない。しかも最後は戦争がすべてリセットしてぶん投げエンド。
ただ問題提起は凄まじく正しい。現在の人々の殆どが直面している課題に直撃している。
受動的にダラダラとインプットされる情報、思考する暇のない絶え間ない情報とそれに対する中毒、人生において死ぬまでにすべきこととはなにか。
まさしく今私がどうにかすべきと思っていた -
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タイトルから想像するような火星をテラフォーミングしていって、そこで色んな事件が起きていく・・・というような話ではない。
どちらかというと、幻想小説であり科学的な描写は現代の視点から観ると殆どないと言ってよい。
短編集だが、全ての話は火星が舞台で繋がりがある。全編を通して死の匂いが通底している。刊行当時(1950年)のアメリカという国の皮肉な批評として書かれたのだろうが、70年経った現代でも十分に批評として機能してしまうのはそれこそ皮肉な話かもしれない。
個人的には「沈黙の町」が一番好きだ。奇しくも日本で人気なセカイ系や終末もののカウンターになっているからである。 -
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レイ・ブラッドベリはSF作家なんだと勝手に思っていたけど、実際この短編集の半分以上はSFじゃなかった。ファンタジーであったりヒューマンドラマであったり、ホラーやディストピアや故事のような話もあったり…本当によりどりみどり。SFに特化してた訳ではなかったんだな。
いくつかは面白かったけど、律儀に全部を読まなくても良かったかな、と正直感じた。
訳語が古いせいかかなりとっつきにくかったのもある。文章が読みづらい…でも原文によるところも大きいと思う。すごく詩的な文章。情景描写の分かりやすさよりも文章のリズムや美しさを重視している気がする。
内容自体も、うーんそこで話終わっちゃうのか、、、と感じられる作 -
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本が禁じられた近未来の世界の話。
その世界では、本は焚書官によって焼かれるのです。
「焚書」なんて言葉は、
中国・秦の時代に行われた焚書坑儒を習ったとき以来に
目にしました。
解説によれば、
華氏451度は摂氏233度にあたり、
紙が自然発火する温度だそう。
ある意味、主人公ガイ・モンターグの中で
何かが自然発火することの暗喩のようにも読めたりしそうです。
主人公モンターグは焚書官であり、
本を焼く仕事をしているのですが、
ひょんなきっかけでそれまで見えていた世界がぐらつくんですね。
そして痛みを伴いながら、
個人のあたまのパラダイムがシフトしていく。
そして、あるとき、本を手にしたことで -
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1953年作品。本の中に50年前のV2ロケットの映画・・・という文章があるところを見ると、舞台はほぼ今の時代ということになる。
著者が想像した現在の姿は、海の貝と呼ばれるイヤホン型ラジオを常時耳にさし(ウォークマン?)、低俗なテレビに一日中見入り、若者は面白くないことがあるとスピードに酔いしれ(暴走族?)、無意味な殺人を行う。見事なほどの現在のカリカチュアである。
その世界を舞台に進められる話は、最初は面白い。しかし、後半になるにつれやや冗長で、時代の古さを感じさせる。また、SF詩人ブラッドベリ特有の文章が鼻についてくる。長篇ではなく、中篇レベルにすればもっと迫力が出るのにとおもえた
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SF。連作短編集。
ブラッドベリのSFはどこか幻想的。
全体的な印象として、序盤は面白く、中盤は退屈で、終盤はまた面白い。
「地球の人々」での火星人とのコンタクトの結末は、とてもユニーク。
「第三探検隊」も、そう来たか!、という結末の切れ味。
「月は今でも明るいが」では、スペンダーの思考に考えさせられる。
終盤は、「オフ・シーズン」から面白かったと感じる。
「沈黙の町」は、火星に残された人間の哀れな希望が悲しい。
「長の年月」はセンチメンタル。これがベストか。
「優しく雨ぞ降りしきる」は、無人の廃墟で健気に働く機械が虚しい。
「百万年ピクニック」では、最後に僅かな希望があって、少しだけ救わ -
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ネタバレ西尾維新『恋物語』の新聞全面広告から。『ひたぎサラマンダー』の「サラマンダー」のわけも読んでみて分かった。しかしガハラさんの言う通りこれをボーイミーツガールとは読めない。クラリスは凄く好きになっただけに出番が序盤だけだったのが残念。
焚書について扱った小説。『1984年』、『沈黙の春』とかと同じ系統になるのか。1950年代から見た未来で現在だと違和感があるところも。管理体制が甘さが現代からみると考えにくい。車の延長線上の高速マシンはあるが、監視カメラがまったくない。携帯のような端末もなくラジオがポータブル化したものがあるだけ。これは作者の予想が間違っていることを指摘するものではなく現実にお