レイ・ブラッドベリのレビュー一覧

  • 火星年代記〔新版〕

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    ブラッドベリ3冊目。前作の林檎で感じた違和感を、この直前にイーガンを読んでいたからか、更に明確に感じる部分が多々あり、それが本作にハマりきれずにいた要因です...。一部いいなって思うエピソードも勿論あったし(「火星の人」「百万年ピクニック」)、好きな華氏を彷彿とさせるエピソードも良かったんだけどな(「第二のアッシャー邸」)。やはりアメリカ中心な感じが苦手、、

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    2023年01月14日
  • 華氏451度

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    ネタバレ

    ALTER EGOのエスが勧めてくれたので読んでみた。

    本が禁止され焚書される世界の話で、紙の発火温度がタイトルになっていることにセンスを感じて読み始めた。

    正直物語は面白くない。描写が詩的で仰々しいため進むのが遅い。350ページ近くあるが短編小説でも消化できるほどの物語しかない。しかも最後は戦争がすべてリセットしてぶん投げエンド。

    ただ問題提起は凄まじく正しい。現在の人々の殆どが直面している課題に直撃している。
    受動的にダラダラとインプットされる情報、思考する暇のない絶え間ない情報とそれに対する中毒、人生において死ぬまでにすべきこととはなにか。
    まさしく今私がどうにかすべきと思っていた

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    2023年01月11日
  • 火星年代記〔新版〕

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    タイトルから想像するような火星をテラフォーミングしていって、そこで色んな事件が起きていく・・・というような話ではない。
    どちらかというと、幻想小説であり科学的な描写は現代の視点から観ると殆どないと言ってよい。
    短編集だが、全ての話は火星が舞台で繋がりがある。全編を通して死の匂いが通底している。刊行当時(1950年)のアメリカという国の皮肉な批評として書かれたのだろうが、70年経った現代でも十分に批評として機能してしまうのはそれこそ皮肉な話かもしれない。
    個人的には「沈黙の町」が一番好きだ。奇しくも日本で人気なセカイ系や終末もののカウンターになっているからである。

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    2022年03月26日
  • 太陽の黄金の林檎

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    レイ・ブラッドベリはSF作家なんだと勝手に思っていたけど、実際この短編集の半分以上はSFじゃなかった。ファンタジーであったりヒューマンドラマであったり、ホラーやディストピアや故事のような話もあったり…本当によりどりみどり。SFに特化してた訳ではなかったんだな。
    いくつかは面白かったけど、律儀に全部を読まなくても良かったかな、と正直感じた。
    訳語が古いせいかかなりとっつきにくかったのもある。文章が読みづらい…でも原文によるところも大きいと思う。すごく詩的な文章。情景描写の分かりやすさよりも文章のリズムや美しさを重視している気がする。
    内容自体も、うーんそこで話終わっちゃうのか、、、と感じられる作

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    2020年10月23日
  • 華氏451度

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    本を読むことを禁じられた近未来の世界。本を燃やすのが仕事の主人公が小型ラジオ、大型テレビによって深く考えることをしない市民を飼い慣らす社会に疑問を持ち始める。近未来といいつつもう現代社会に起こっていることだと思う。

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    2020年05月23日
  • 火星年代記〔新版〕

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    火星を舞台にした短編集で、それぞれ雰囲気はさまざまだけれど、時間的つながりのある作り。どこか文学的というか、叙情的というか。またメタファー的表現も多々。

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    2019年05月14日
  • 華氏451度

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    本が禁じられた近未来の世界の話。
    その世界では、本は焚書官によって焼かれるのです。
    「焚書」なんて言葉は、
    中国・秦の時代に行われた焚書坑儒を習ったとき以来に
    目にしました。

    解説によれば、
    華氏451度は摂氏233度にあたり、
    紙が自然発火する温度だそう。
    ある意味、主人公ガイ・モンターグの中で
    何かが自然発火することの暗喩のようにも読めたりしそうです。

    主人公モンターグは焚書官であり、
    本を焼く仕事をしているのですが、
    ひょんなきっかけでそれまで見えていた世界がぐらつくんですね。
    そして痛みを伴いながら、
    個人のあたまのパラダイムがシフトしていく。
    そして、あるとき、本を手にしたことで

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    2018年02月22日
  • 太陽の黄金の林檎

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    SFというよりはファンタジー色の強い、教訓めいた話も多い短編集と感じた。通勤などちょこちょこ読むのに丁度よかった

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    2018年02月14日
  • 太陽の黄金の林檎

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    古典SF。
    「サウンドオブサンダー」が目的借りた。
    それは期待面白かったけど、それ以外は微妙だった。
    単に好みではなかったということかな。
    和訳も含めて。

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    2018年01月28日
  • 華氏451度

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    1953年作品。本の中に50年前のV2ロケットの映画・・・という文章があるところを見ると、舞台はほぼ今の時代ということになる。
    著者が想像した現在の姿は、海の貝と呼ばれるイヤホン型ラジオを常時耳にさし(ウォークマン?)、低俗なテレビに一日中見入り、若者は面白くないことがあるとスピードに酔いしれ(暴走族?)、無意味な殺人を行う。見事なほどの現在のカリカチュアである。
    その世界を舞台に進められる話は、最初は面白い。しかし、後半になるにつれやや冗長で、時代の古さを感じさせる。また、SF詩人ブラッドベリ特有の文章が鼻についてくる。長篇ではなく、中篇レベルにすればもっと迫力が出るのにとおもえた

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    2017年11月16日
  • 火星年代記〔新版〕

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    SF。連作短編集。
    ブラッドベリのSFはどこか幻想的。
    全体的な印象として、序盤は面白く、中盤は退屈で、終盤はまた面白い。

    「地球の人々」での火星人とのコンタクトの結末は、とてもユニーク。
    「第三探検隊」も、そう来たか!、という結末の切れ味。
    「月は今でも明るいが」では、スペンダーの思考に考えさせられる。

    終盤は、「オフ・シーズン」から面白かったと感じる。
    「沈黙の町」は、火星に残された人間の哀れな希望が悲しい。
    「長の年月」はセンチメンタル。これがベストか。
    「優しく雨ぞ降りしきる」は、無人の廃墟で健気に働く機械が虚しい。
    「百万年ピクニック」では、最後に僅かな希望があって、少しだけ救わ

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    2016年12月30日
  • 瞬きよりも速く 〔新装版〕

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    火星年代記→刺青の男に続いて手にした短編集だけれど、その2冊の延長上と思って読むと若干肩透かしを食う一冊。SFというよりはファンタジー要素や、オチが特に無い(余韻を楽しむ?)話が多めに含まれているからだ。

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    2016年04月27日
  • 刺青の男

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    刺青のある男との出会いというプロローグとエピローグの間に18のSF短編。
    凝縮された短い文章の中で、読者の想像力が試される作品。

    宇宙に進出しているような未来が舞台で、ロケットが多く出てくる。
    科学技術が発展しているものの、現代と比較するとベクトルの向きが微妙にズレているのを感じるのはやはり20世紀半ばあたりの作品だからだろうか。

    全体的にディストピア風味だが、希望の光が見える作品もある。
    そして子供最強(笑)

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    2016年03月19日
  • 瞬きよりも速く 〔新装版〕

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    10月は……やっぱりブラッドベリの月。
    ちょっとくたびれたペーソス、うら寂しいノスタルジー。30年前には分からなかったことが、今なら少しわかる気がする。

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    2015年10月13日
  • 華氏451度

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    ぞっとした。

    政府によって本の所持が禁止され、イヤホンから流される放送と壁一面のテレビと『家族』に夢中にさせられて、考える時間を奪われた人たち。

    今、現実の世界で私たちは、自ら読書を避け、インターネットやスマートフォンの世界やゲームにのめり込み、自ら考える時間を放棄している。

    ほんと怖いです。

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    2015年10月10日
  • 歌おう、感電するほどの喜びを!〔新版〕

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    あいかわらず、合う合わない(理解できない)がある。
    自分が読みたいと思ったら手に取って読み、
    他の人がこういっているから読んでみる
    という本ではないと思う。
    自分としては、日常と非日常の間にある
    ファンタジーの世界を、訳とはいえ、詩的な表現で
    幻想的に表されている世界の物語は酔うように浸れる。

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    2015年06月23日
  • 華氏451度

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    本を見つけたら焼く仕事をする焚書官のモンターグ。消防士の格好でホースから火を吹かせるのだ。不思議な少女との出会いから、本を焼く為に出動した先での老婆の自殺からモンターグは始めて自分や妻の事を考えるようになって…
    無知を生産する世の中で、知識人は頭の中に本の内容を暗記するようになり、人々に伝えていく決意をするラスト。本は物事の本質を知る手段であり知的好奇心を満足させるものでもある。自分は無知だと気付く事が大事だ。

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    2015年06月15日
  • 太陽の黄金の林檎

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    一昨年亡くなったレイ・ブラッドベリの短編集。
    SFと言うよりは、寓話集のような物語集である。
    個人的には、「日と影」、「草地」、「歓迎と別離」などがよかった。

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    2014年09月11日
  • 太陽の黄金の林檎

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    不思議な読後感の短篇集。だからなんなんだというお話(自分にはピンと来なかったということ)や、少しお説教臭さを感じるお話もあったり。
    その中で気に入ったのは下記タイトル。

    ・霧笛…”奴はまた百万年も待つだろう”
    ・四月の魔女…魔女の少女の可愛い恋のお話
    ・人殺し…わかる。あらゆる音が気に障る時がある。どこに行っても聞きたくもない音楽や放送を聞かされる。人びとがひっきりなしに今の自分を相手に実況する「無線腕時計」はまるでスマホのようだ。
    ・山のあなたに…字の読めない女性の歓びと哀しみ。字は世界だ。

    小笠原豊樹・訳

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    2014年01月25日
  • 華氏451度

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    ネタバレ

     西尾維新『恋物語』の新聞全面広告から。『ひたぎサラマンダー』の「サラマンダー」のわけも読んでみて分かった。しかしガハラさんの言う通りこれをボーイミーツガールとは読めない。クラリスは凄く好きになっただけに出番が序盤だけだったのが残念。
     焚書について扱った小説。『1984年』、『沈黙の春』とかと同じ系統になるのか。1950年代から見た未来で現在だと違和感があるところも。管理体制が甘さが現代からみると考えにくい。車の延長線上の高速マシンはあるが、監視カメラがまったくない。携帯のような端末もなくラジオがポータブル化したものがあるだけ。これは作者の予想が間違っていることを指摘するものではなく現実にお

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    2014年09月04日