レイ・ブラッドベリのレビュー一覧
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凄く「考える時間」をくれた本でした。
最初詩的過ぎて、景色が読み取り辛く感じていましたが、読み進めていくと喋っている言葉自体は分かりやすく、ストーリーも何ら難しいこともないので、序盤で❝ウグッ❞と思っても是非読んでみてほしい本ですね。
以下は読んでて思ったことを書き連ねてみた。
この世界は人が「考えない」未来を選んだ場合の世界ってことなのかもな。不安に思うこともない。相手のことを考えることもない。馬鹿でいい。低い所で皆一緒。それが幸せ。
人はいつかAIやネットに考える事を任せ、何も覚える事も、考えることもできずに「AIが言ったことしか言えなくなる」そんな日が来る気がしてならない。
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ネタバレ華氏451度の世界では、不快な物を排除し続けた結果、情報は単純化し、人々は快楽をもたらす物にしか関心を示さなくなった。そして、人々はこの世界で起きていることに興味を示さなくなった。人々から好奇心が消えたのだ。その点においてクラリスという少女はこの世界において特異な存在であったと言える。人々から好奇心が失われた世界でクラリスは世界に対する疑問や関心を持ち続けたのだ。クラリスはこの小説における好奇心の象徴であると言える。そしてモンターグはクラリスと関わるうちに、クラリスの持つ好奇心に惹かれていった。真実を知りたいという好奇心がモンターグの心を動かす原動力となったのだ。
そして私も読み進めるうちにク -
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ネタバレ読んでて何となく1984を思い出した。
全然ストーリーラインが違うものの、世の中で何かを考えたり大衆に向けた正解を鵜呑みにすること、答えが一つである世界の怖さを描いている気がしたため。
主人公が殺してしまった上司は死にたがっていたのか、彼は本に詳しく博識なのになぜ昇火士をしていたのか、という点が気になった。
昇火士をしている人が、本を燃やしつつ本を手放したくない人たちへ罪悪感を持つくだりで「皆一度はこうなる」といった旨の話があったから、本について考えてしまい、世の中の境界に疑問を持つ人が出やすい仕事なのかなと思った。
少女と出会って楽しいと思っていた主人公は、最初からもう世界の正解から外 -
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ネタバレハインリッヒ・ハイネがその著書「アルマンゾル」で「本が焼かれるところでは、いずれ人も焼かれるのです」と記し、1933年5月10日にフンボルト大学にあるベルリン・ベーベル広場でナチス学生が反ナチス的図書と勝手に決めつけた2万冊の本を山のように積んで焼き捨てた。日本は第2次世界大戦中に北京の精華大学でナチスの10倍である20万冊の本を焼いた。今も共和党州であるテネシー州の州都ナッシュビルで同じように焚書が行われたが、トランプ狂信者のMAGAが遅れた野蛮な南部で本を焼いている。そのような現代だからこそこの小説を読む意義がある。
違法とされた本が燃やされ、その本が隠されている家も燃やす未来で、主 -
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ネタバレ本を作ること、所有すること、読むことを禁止された世界の話。
本が禁止された世界で考えることをやめる人々の様子が事細かに描かれ、現代と似たものがあると思い、恐ろしさをおぼえました。
考えないから、本は悪だと疑いもせず、なぜダメなのかを知ろうとしない。
誰もがスマホを持ち、本を読む人が減った今、深く考えることが減ったように感じます。
「国民には穀物生産量1位を当てるクイズを出しておけ」とモンターグの上司の言葉がありました。
現代でもランキング形式のクイズ番組が増えたように感じます。
当たると嬉しいけれど、それがなぜ1位なのか実はあまりよくわかっていない、知っているだけということが多い。
本は -
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あまりSF的なガジェットが登場しない22の短編集。面白くて一気読みしてしまった。翻訳のせいかも知れないが以前読んだことのある『よろこびの機械』に比べると難解でよく意味の解らない話というのはなかった。ブラッドベリというとやはりストーリーよりも、何とも言えないブラッドベリ作品ならではの雰囲気が印象的で、アメリカ中西部の農園の風景や、季節の風の匂い、夜の市街地に響く音などの情景や、真夜中に目が覚めて寝付けなくって部屋の窓から外を眺めた時のような、未知の何かに始めて触れた時のような心情の、詩情あふれる描写が唯一無二の魅力だと思う。ポエティックで童話集のような趣の話が多くほのぼのとはしているが、案外全体
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新版で再読。旧版では年代が1999~2026年だったが、新版は2030~2057年、31年スライドしている。むかし読んだ時に感じた、SFなのに懐かしい感覚、既知感と未知感の綯い交ぜがよみがえる。
前書きで、ブラッドベリは一種の「種明かし」もしている。12歳の時から、週1作のショートストーリーのノルマを自分に課していたが、これだと長編には至らない。24歳の時に、シャーウッド・アンダーソンの掌篇集『ワインズバーグ、オハイオ』に出会い、そうかこれだと思ったという。オハイオを火星に変えて、掌篇たちを年代順に並べる。すると、アメリカ中西部のエピソードの集合が火星の植民・開拓・消滅のクロニクルになる! さ -
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かのスティーヴン・キングをしてSF界の巨匠レイ・ブラッドベリの最高傑作と言わしめたファンタジーSFの傑作『何かが道をやってくる』です
「新訳」と銘打たれておりますが、むしろ古臭い感じ、しかしこれがいい味を出している
物語はウィルとジムという二人の少年が住む町に夜中にカーニヴァルがやってくるところから始まる
しかしこのカーニヴァルには秘密があり、二人はその秘密を知ることで恐ろしい出来事に巻き込まれていく…というお話し
いや〜面白かった〜
うーん、なんていうか全部が詰まっているお話しでした
生と死、善と悪、恐怖と喜び、愛と憎しみが詰まっている
そしてこの詩的な世界観がほんとに夢のようなん