レイ・ブラッドベリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SF小説の名作で、ブラッドベリの代表作がこの『火星年代記』です。
その名の通り、火星での様子・出来事を年代順に語る様式の作品。
短編はおおむねそれぞれが独立した形でありながら繋がっていたりもし、
連作短編SF小説と言えそうです。
ネタバレになるので、中身に触れないように説明するのは難しいのですが、
いろいろな要素が詰まった、つまり、いろいろなジャンルの話がありながらも、
どれも火星を舞台にしていて、その時系列で話が進んでいくことによる
統一感、筋の通った感じのある短編集。
僕の読んだバージョンは「定本」というもののようで、
この作品は発刊された時には1999年から始まった物語だったそうなの -
Posted by ブクログ
レイ・ブラッドベリって、寂しい話を書く人だなぁと思っていたけれども、掌編集を読んでみると、その方向性がより際立って感じられた。望むも望まざるにも関わらず、みんな孤独で諦念と焦燥で風邪をこじらせているような、そんな印象を持った。
SFの抒情詩人と言われるけれども、多分それは今からするとかなり古典的な文才だからだと思う。ブラッドベリはテクノロジーに興味はなかったのではないかなぁ。寓話的な物語を飾るための、SFという衣装のように感じられた。というのも、表題の『太陽の黄金の林檎』よりも、サイエンス的な要素の薄い『霧笛』や『目に見えぬ少年』のような話のほうがテンションの高さを感じるからだ。
私の一 -
Posted by ブクログ
実は私たちは、本を燃やされてもなんともない社会に生きているのではないか。
レイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』を読んで、そんな感覚を抱きました。
描かれる世界は、書物を所有するだけで重罪となる社会。
本を焼くことを任務とする昇火士が、家々に押しかけては蔵書を焼き払う。
それによって社会の秩序は保たれる。
誰もが、「こんな世界、ディストピアだ」と感じると思います。
ただ、現代に生きる私たちも、そんなに変わらないのではないでしょうか。
本に触れなくても困らず、失ってもさして心が痛まない。
ブラッドベリは、「書物を軽視する社会」そのものをディストピアだと示したのだと思います。
救 -
Posted by ブクログ
映画を見てから本書を読み始めたため、イメージがある状態で読み進めることができた。内容は一部異なるが、映画より小説版の方が好み。映画ではシュールに感じていた点が本著では丁寧な文体で描かれており、より深く物語に入り込むことができた。逆に小説だけだと世界観に戸惑ってしまったかも。小説だけで理解が難しかった方は映画見るのもおすすめ。
様々な名著からの引用が巧みに用いられており、巻末の引用まとめの数を見て驚き。またあとがき記載されていたが新訳にあたり、消火士→昇火士とした点が見事な訳で素晴らしい。
今はTVはもちろん、スマホの利用が当たり前になった時代で、改めて本のあり方を感じさせてくれる一冊だった