レイ・ブラッドベリのレビュー一覧

  • 華氏451度

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    ネタバレ

    本を読むのはもちろん、持っているだけでもダメ、本があるのが見つかったら全て焼かれてしまう、そんな世界を描いたディストピアもの。

    ジョージオーウェルの「一九八四年」も同じような世界観だが、読者の掴み方はブラッドベリの方が上では、と思うぐらい一気に引き込まれる。

    今のネット社会からすると、禁書の世界はあまり共感できる世界観ではないかもしれない、本好き以外は。

    本を焼く側の主人公が本の素晴らしさを知り、追われる身になり、迷う、これにドキドキさせられながら、主人公に気持ちに入り込んでいく。

    感情のなかったところに感情が芽生えていく様に心動かされたからだろう。

    ただ少し残念だったのは、ラストの

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    2014年07月21日
  • 太陽の黄金の林檎

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    散文詩のような「山のあなたに」を読むために購入した一冊。
    「四月の魔女」はあまりにも美しいファンタジー。そして本領発揮の本格SFの表題作も感動。
    ブラッドベリは言葉の選び方が巧みで物語に引き込まれる。

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    2014年11月20日
  • 太陽の黄金の林檎

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    古今東西、ファンタジーとSFの様々な1シーンを切り取った22の短篇集。
    『歩行者』『人殺し』『サウンド・オブ・サンダー』『歓迎と別離』が好み。

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    2013年09月25日
  • 火星年代記〔新版〕

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    SF小説の名作で、ブラッドベリの代表作がこの『火星年代記』です。
    その名の通り、火星での様子・出来事を年代順に語る様式の作品。
    短編はおおむねそれぞれが独立した形でありながら繋がっていたりもし、
    連作短編SF小説と言えそうです。

    ネタバレになるので、中身に触れないように説明するのは難しいのですが、
    いろいろな要素が詰まった、つまり、いろいろなジャンルの話がありながらも、
    どれも火星を舞台にしていて、その時系列で話が進んでいくことによる
    統一感、筋の通った感じのある短編集。

    僕の読んだバージョンは「定本」というもののようで、
    この作品は発刊された時には1999年から始まった物語だったそうなの

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    2025年06月23日
  • 太陽の黄金の林檎

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    実家にあって、昔よく読んだ本。30年ぶりくらいのご対面となる。まったく記憶になかった作品も読み進むうちに思い出されてきて、子どもの頃の自分に出会ったような気分になった。
    はっきり覚えていたのは「サウンド・オブ・サンダー」と「金の凧・銀の風」。ストーリーがはっきりしていて小学生にもわかりやすく、印象的だった。全体にストーリー以外のところに魅力がある作品が多く、当時はこの思想や余韻を味わいつくすことはできなかっただろうと思う。
    「歓迎と別離」は、12歳の外見のまま歳をとらない男の話。これ、高橋留美子は読んでるかな?

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    2013年02月15日
  • 太陽の黄金の林檎

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    幻想的な作品が多い、良質の短編集でした。それぞれの話が固有のトーンを持っていて、退屈することなく22編を味わうことができました。レイ・ブラッドベリは初めて読んだのだけど、世界観は理解しやすく、描写は美しくて好きな作家になりました。
    特に好きだった作品は「霧笛」「四月の魔女」「目に見えぬ少年」「二度と見えない」「サウンド・オブ・サンダー」です。表題作は、完成度が高いというよりは、彼の作風がよく現れているという点で優れた作品だと思います。

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    2012年12月02日
  • 刺青の男

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    『黒いカーニバル』からの『刺青の男』
    やっぱり(?)幻想的に不幸や切ない世界がある反面
    「ロケット」のような描かれた当時の夢と、
    素敵な「ささやかな人物」(解説より)の夢見る
    庶民の未来の世界もある。
    想像の世界の彩りと闇と現実の世界に潜む彩りと闇を
    (訳しているかたがたの努力があるとしても)
    不思議で美しい表現で投げかけている短編集。

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    2012年10月02日
  • 瞬きよりも速く 〔新装版〕

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    太陽の黄金の林檎に比べてストーリーで魅せる。
    詩情満載な表現は控えめだが、その分ストーリーがいい。
    こっちの方が一般受けしそうな感じ。暖かみがあって、あと味のいい話が多い。


    冒頭のUボート・ドクターでいきなりがつんとやられる。なんだこれ。

    何事もなし、あるいは、何が犬を殺したか、からはSF観、科学観をうかがえる。こういうタイトルって日本語の方が語感がよさそうだな。

    機械のなかの幽霊、こういうのは星新一が得意。

    あとがきで各話の背景が解説される。
    最後の方は熱い!あとがきなのに!

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    2012年09月25日
  • 太陽の黄金の林檎

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    表題作、太陽の黄金の林檎は、物語としてはニ流。粗筋だけ聞かされてもなんのことやらだろう。
    ただし、表現と描写が卓越している。これはかなりの力業で、レイ・ブラッドペリだから書けた作品。なので、表題作なんだろう。

    はしばしから奇妙な味がする。

    頑固親父の主張が通る、という話が数編。結構面白くて中々痛快。

    解説が2006年となっていて、どういうことだと思って見ると、この本が2006年出版の同作の新装版。
    いくら追悼とは言え、2006年出版の本の新装版を出さなくてもよかったんじゃ?

    瞬きよりも速くにはない、各話の扉絵に味がある

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    2012年09月22日
  • 太陽の黄金の林檎

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    レイ・ブラッドベリって、寂しい話を書く人だなぁと思っていたけれども、掌編集を読んでみると、その方向性がより際立って感じられた。望むも望まざるにも関わらず、みんな孤独で諦念と焦燥で風邪をこじらせているような、そんな印象を持った。


    SFの抒情詩人と言われるけれども、多分それは今からするとかなり古典的な文才だからだと思う。ブラッドベリはテクノロジーに興味はなかったのではないかなぁ。寓話的な物語を飾るための、SFという衣装のように感じられた。というのも、表題の『太陽の黄金の林檎』よりも、サイエンス的な要素の薄い『霧笛』や『目に見えぬ少年』のような話のほうがテンションの高さを感じるからだ。

    私の一

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    2012年09月16日
  • 刺青の男

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     徒歩旅行中、全身に刺青のある男と出会い、一緒に野宿をすることとなるが、その夜に男の刺青の一つひとつが動き始め、短い物語を語り始める。男の刺青が語る十八の物語。
     火星人の話や、未来の装置の話など、幻想的な話が繰り広げられる。
     読み終えたあとに、なんとなく不安な感じになったり、なんとなく寂しい気持ちにさせられるような、じめっとしているわけではないのだが、かといってカラッとしているわけでもない、不思議な読後感の残る物語たち。
     ほんの少しの間だけ、火星人の町を訪問してきたような、そんな気持ちになれる物語。

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    2011年08月03日
  • 刺青の男

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    ほんとうにまだまだ読んでいない名作がたくさんあるなあ、と痛感。ここで描かれる未来はそんなに明るく希望にあふれたものじゃなくて、むしろ良くないほうに進んでいるみたい。しかもそれが今の時代にすごく似ているように私には思える。ブラッドベリ、ちょっと怖い。

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    2011年08月06日
  • メランコリイの妙薬

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    根強く圧倒的な人気を誇るブラッドベリの魅力を余すところなく紹介する
    傑作集。SF、ホラーを中心に、あまり読者の目に止まらないミステリや普通
    小説などもまじえて、表題作ほか全22の短篇を収録する。

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    2009年10月07日
  • 歌おう、感電するほどの喜びを!〔新版〕

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    全18篇収録。
    ブラッドベリは、ふんふんとストーリーだけを追っていっても楽しめない作家という印象で、本書もそんな感じの作品が多かったです。正直、ついていくのに苦労した作品も幾つかあったのですが、なんだかスッと心に入り込んでくる作品もあったりして、なんだか不思議な作家だなぁとしみじみ思いました。「明日の子供」「われら川辺につどう」「ニコラス・ニックルビーの友はわが友」「ロールシャッハのシャツを着た男」あたりが印象に残っています。

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    2025年12月04日
  • ウは宇宙船のウ ブラッドベリ自選傑作集

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    ネタバレ

    瑞々しい若さを感じる文章だった

    確かに10代の読者の感性を刺激するように書かれた作品群だったと思う。
    ただ、ストーリーが少し単調だなと感じる作品が多く、のめり込むほど面白いと思う作品は少なかった。

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    2025年11月30日
  • とうに夜半を過ぎて

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    「華氏451度」の作者レイ・ブラッドベリの短編集。
    「華氏451度」が傑作だったので購入。

    結果、私にはまだ早かった...

    意味が分かると面白い系の短編集のように感じたが意味が分からなければしょうがないね...

    海外特有の文化やスラング込で理解できるんかな...
    いつか誰かに解説してもらいたい作品です...

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    2025年11月29日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    本が忌むべき禁制品となった未来が舞台のSF小説
    爆弾で書物を吹き飛ばした主人公の手にとまった一冊の本を、白い鳩に見立てた描写が秀逸。
    迫害や暴力に屈しなかった老女の行く末には思わずためいきが漏れた。
    世界観はともかく、表現がかなり独特なので好き嫌いは分かれるだろうなといった所感。

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    2025年10月22日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    風景描写に関して、わかりづらさがあります。
    モンターグの心風景なのか、実際の風景なのか曖昧になる部分があります。言い回しなんかは海外小説独特なものがあるので、はっきりいうと読みづらいです。エンタメ小説というよりは、もっと文学的。
    「情報」がテーマです。

    ベイティーとモンターグの掛け合い部分が1番好きです。

    本は何も言ってないぞ!

    この一言が痺れますね。数々の意味を持ったベイティーだからこそ言える名台詞です。

    ジョージオーウェルの1984年を予言の書と言われるのと同様に、この本も予言の書です。

    圧縮された情報、おしゃべりな壁。
    思い当たる節にギクリとしました。

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    2025年10月18日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    起こってることはギリギリ理解できるものの自分の中でうまく想像できず、とにかく読むのに時間がかかって難しかった。あんまり合わなかったのかもしれない。
    表現が詩的で美しいなーと思った。
    読書初心者なので、苦手分野がわかって良かった。

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    2025年10月16日
  • 華氏451度〔新訳版〕

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    SNSが義務化されたかのような今日の世界。
    自分自身、そのような世の中に疲労を感じ
    本に助けを求めようとしたとき手にしたのが
    この本でした。

    ネット上にある情報は物事の表面にすぎず、
    例えそれが嘘であっても、その情報が大衆にとって都合の良いものであれば真実へと変化してしまう。

    メジャーなものが正、マイナーなものは誤
    そんな世の中に、警鈴を鳴らす一冊。

    現在社会にもがく私にとっては
    本が私を助けてくれるに違いないと
    思えるような本でした。

    再読しようと思います。

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    2025年10月09日