レイ・ブラッドベリのレビュー一覧
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本の所持が禁止された世界を舞台に、見つかった本を焼き払う”焚書官”の仕事をするモンターグの姿を描いたディストピアSF。
以前NHKの「クローズアップ現代」で読書について取り上げられているのを見ました。その番組の中の実験で普段読書をする学生としない学生でレポート課題に取り組む際どのような違いが見られるか、ということが実験されていたのですが、それがこの本の内容とシンクロしているような気がします。
モンターグはふとしたきっかけから衝動的に一冊の本を持ち帰り、その本を読み自分の仕事に疑問を持ち始め元大学教授のフェイバーに話を聞きにいきます。
フェイバーが語る書籍のない社会に欠けているも -
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書籍を持つことが禁じられた世界。書籍の一切を焼き払う「焚書官」という仕事に就くモンバーグは、近所に越してきた不思議な少女クラリスと出会い、また書籍とともに命を落とす老婆の存在を目の当たりにし、本を忌むこの世界に疑問を持ち始める。
思考すること・物事に疑問を持つことの重要性、思考の時間を奪われることの恐怖と弊害、さらには人間らしさとは何かを問う作品だと思う。
耳にはめた超小型ラジオや大画面テレビから、引っ切り無しに流れてくる情報の海。書籍から知識や思想を学び感じ取ることを禁じられ、物思いにふける時間すら悪とされる。
徹底的に思考を管理された世界は、確かに人と衝突することなく一見平和かもしれない -
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素晴らしい。
何という美しさ、何という陰鬱さ。
収録作品の中でも圧倒的に知られていると思われる「霧笛」。声高に作品テーマを語ることのないブラッドベリにしては珍しい、込められた寓意を明確に文章で説明している、ある意味「わかりやすい」作品です。が、だからと言って物語が陳腐化しないのがブラッドベリの底力。最後まで静かな余韻を残す、短いけれど心に残る作品です。
「サウンド・オブ・サンダー(雷のような音)」も印象的でしたね。フツーのSF作家であれば、タイム・パラドックスが起こった後にどう収拾を付けるのか?という点を前面に押し出して一大スペクタクル巨編を書くぞ!ぐらい考えてもおかしくはないのに、ブラッ -
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SFファンのみなさん!
SFの叙情詩人と謳われたレイ・ブラッドベリの至極の短編集『ウは宇宙船のウ』の新訳版が出てますよ!
うーん、素晴らしい
素晴らしい新訳ですよ中村融さん
だいたいさー
SFの叙情詩人よ?そんなん言われてる人の翻訳なんてごっついプレッシャーやと思うのよ
想像でしかないけど、普通の英文じゃないと思うのよ
それを訳すだけでもたいへんなところをさらに日本語でも叙情感出さなきゃならんのよ
そしてちゃんと出てた!
素晴らしい!
だがしかーし!
旧版の訳者大西伊明さんの業績にも触れたい
何がすごいって邦題よ邦題
原題ね『R Is for Rocket』なの
これさ、わいらみたいな -
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消火、ではなく、昇火士。
あらゆる本を焼き尽くす公務員。人々が余計なこと、例えば生きる意味とか、政治とか、戦争とか。を、考えないように。
そんな未来の反知性主義の極みのディストピアで、「事実の意味」を「考える」ことを知ってしまう主人公、昇火士モンターグ。
空っぽのつるつるとした表面的な楽しさでは、満たされない部分がある。何も聞こえない、何も話さない、何も映し出されない夜の森の闇のなかでだけ、満たされていくものが確かにある。
「書物は命の顔の毛穴をさらけだす。」
物語の冒頭に登場してすぐに消えてしまう少女は言う。「まじめな話のときでも笑うし、返事は間をおかずに出てくるし、わたしがきいたこと -
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1953に書かれたディストピア小説
本を焼く仕事のファイアマン
本を読むのは法律違反
物事がどう起こるかではなく、なぜ起こるかを知りたがっていた。
事実については話さない。事実の意味こそ話す。私はここに座っている。だから自分が生きているとわかるのだ。
必要なものは、ひとつめは情報の本質。そしてふたつめは余暇、考える時間。3つめは、最初の二つの相互作用から学んだことにもとづいて行動を起こすための正当な理由。
テレビは「現実」だ。即時性があり、広がりもある。こう考えろと指示してがなりたてる。あまりに早く結論に持ち込んでしまうので、反論する暇もない。
テレビは人を望み通りの形に育てあげて -
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ネタバレ今から70年ほど前に書かれた未来の形なので、レトロな未来感はあるけど、それはおいといて面白い。中盤まではファイヤマンとしての生活、社会構造や価値観の掘り下げなので、現代の物語構成に慣れてる人からするとテンポが遅すぎるし、序盤に出てきた少女の後半の影響を期待してしまうかも、そして後半に出てきた老人達や本の記録についてのところは、斬新だし面白いけど、その設定も説明的で少々活かしきれてない気もする(あの結末としては重要ではある)。エンタメ性は低く全体的には退屈なのだけど、そんなこと別にいいや。というくらい哲学、思想、設定がとても面白い。あと、好き期待は分かれるあろうけど地の文の力は圧倒的にすごい。本