紺野天龍のレビュー一覧
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ネタバレ幽世の薬剤師6作目。
前作にて、月詠の思惑通り、「どんな病も治せる薬師」となってしまった空洞淵が、
幽世を作り出した際の因縁の先祖の生まれ変わりでもあり、
幽世の創造主、金糸雀の病を無事治したものの、その体は現世に帰ってしまった。
(厳密に言うと全く同じ現世ではないということだったが、
そこは難しいので割愛)
ただ空洞淵も綺翠も幽世に戻ることを願っており、
双方向から戻る道を探していた…。
当然、幽世に戻れて良かった、良かった、という結末なのだが、
現世に戻った空洞淵に恋バナは必要だったのか?という疑問は残る。
幽世から戻って人との接し方が変わった空洞淵に恋心を抱いた看護師が、
単なるあて -
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ネタバレ幽世の薬剤師5作目。
前作の最後で金糸雀が倒れたとあったので、
当然ながらその病を治す方法を空洞淵たちが探っていく。
何と言っても金糸雀に万が一のことがあれば、幽世が存続しなくなってしまう。
空洞淵と綺翠は、
人魚を食べ不老不死の八百比丘尼となった人々が
不審死をとげているという噂をたよりに漁村を訪ねることにする。
だが、病で弱っている八百比丘尼の兄妹を治すことができず、
本当の人魚の怒りを買い舟幽霊が呼び出されてしまうことに。
水平思考クイズ、という言葉は初めて知ったが、
「ウミガメのスープ」の謎を実際に解いたことがある身としては、
人魚の肉ではない何かの肉を食べたのではという話になった -
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ネタバレ幽世の薬剤師4作目。
綺翠が祓いに失敗し神刀を折られてしまう、という衝撃の展開。
しかも空洞淵と綺翠がつきあうことになるとは。
”死神”が現れ、魂を刈り取られた人は眠りづつけてしまうようになる。
金糸雀の侍女紅葉も魂を刈り取られてしまい、
ちょっと剣呑な執事、薊が登場する。
(狼ということらしい)
死神の正体は綺翠の先祖であり、
幽世の創生期に疫病の原因が自分であるということで人柱となり、
封印された巫女だった。
今回も、
治療困難な病を「死神によって眠らされている」という怪異に上書きするために、
極楽街に現われたいうことだった。
比較的わかりやすい。
先祖なら「破鬼の巫女」の綺翠が敗 -
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ネタバレ幽世の薬剤師2作目。
幽世での漢方薬剤師としての生活も落ち着いてきた空洞淵の下に、
少女が駆け込んできた。
幽世の創造主である金糸雀の保護を離れた隠れ里から、
神の妻に選ばれたために死ぬ運命にある姉を救ってほしいとやって来たのだった。
ミズチ様は村に豊穣をもたらす代わりに、
年に一人、村の女性が神の子を宿し、だが産むことなく死んでいくという。
空洞淵は金糸雀の許しを得て、大家である巫女の綺翠と村に向かう…。
相変わらず、謎解き部分のロジックがちょっと難しい。
綺翠との仲がちょっとだけ進んだのは良かったが、
帰ってみたらミズチにされていた鬼が神社に住みついていたのには驚いた。
次回から登場人 -
購入済み
最初は期待していなかったのですが面白かったです。
何というか賢者の金糸雀は主人公のお祖父様の事を知っていたのかな?そんな感じがするのですが…先が楽しみです。 -
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ネタバレ現世で漢方薬の薬剤師だった青年、空洞淵が幽世に招かれてしまったお話。
このお話での「幽世」は、
妖怪や物の怪、異能を持つ人間を現世から切り離した世界ということらしい。
その幽世の創造主ともいうべき三つ目の美少女金糸雀は先読みの力があるものの、
自分の妹、月詠の動きだけは読めず、
その月詠の招きで(悪だくみで?)空洞淵は幽世に連れてこられてしまった。
いきなり白髪の鬼に襲われそうになったものの、
金糸雀にはなぜか気に入られているし、
預けられた先の巫女姉妹は、
姉は美人で、妹はかわいらしく料理も上手い、
薬剤師として働ける打ち捨てられた薬局もあると、
さすがに都合良すぎでは?
吸血鬼になる -
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まず、シンデレラというお話とキャラクターが好きな人は読まないほうがいいです。本書のシンデレラは屁理屈吐きで、継母からの命令に「前向きに善処します」とか言ってスルーすてしまうようなキュアです。
本書はシンデレラをベースにしていますが、設定はかなり異なります。王城での舞踏会で王子殺害事件が発生し、シンデレラが容疑者として捕縛されます。事件発生以後は裁判が行われ、シンデレラは被告でありながら自己弁護するという流れです。シンデレラが屁理屈で場を翻弄していく流れが楽しく、また事件解決への流れはかなりロジカルです。ライトな文章ですが、ミステリーとしても法廷モノとしてもかなり読みごたえがある作品でした。 -