あらすじ
アスタルト王国軍務省錬金術対策室室長にして自らも錬金術師のテレサ・パラケルススと青年軍人エミリアは、水上蒸気都市トリスメギストスへ赴いた。大企業メルクリウス擁する錬金術師フェルディナント三世が不老不死を実現し、その神秘公開式が開かれるというのだ。だが式前夜、三世の死体が三重密室で発見され……世界最高の錬金術師はなぜ、いかにして死んだのか? 鮮やかな論理が冴え渡るファンタジー×ミステリ長篇
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ファンタジー世界に於ける本格ミステリ。
三重の密室内で殺害された世界最高の錬金術師の謎! 世界設定、人物設定、舞台設定、謎設定どれも外連味たっぷりで、しかも推理の道筋が美しい。実に僕好みのミステリでした。
あとがきを読み、なるほどあれが好きだから、あれがあるのかとほくそ笑む。
ミステリは過去作品からの積み重ね、連綿と続き影響を与えられ続けながら新たな世界を築く。それが楽しいのです。
だからミステリは過去の作品を読めば読むほど、現代の作品が面白くなり、未来の作品への愛が高まるのです。
Posted by ブクログ
普段あまりファンタジーを読まないのでファンタジー×ミステリか〜なんでもありになりそう…とか斜に構えて読み始めたけど、中盤からラストにかけての畳み掛け方がエグすぎてもう完敗でした。仰々しい帯に偽り無し!文句無しに面白かった〜!良い意味でなんでもありな展開で一気読みしました。作者あとがきで影響を受けた本に、西澤保彦さんの『七回死んだ男』を挙げられていたのが嬉しかったな。電撃文庫から出てるループもの(?)『エンドレス・リセット』読んでから続編読みたいと思います。最近のハヤカワさん好みな作品が多過ぎて困る。
Posted by ブクログ
最近錬金術師に興味を持っていたところ
たまたま本屋さんにて目に入り
迷うことなく購入
面白かった
秘密を抱えた二人が出会い、
いやいやながらも協力して事件の謎を解いていく
錬金術師とはなんぞやなことも書かれていたり
ちょっとややこしい錬金の話が私には分かりやすく説明されていて
スッと物語の世界に入っていけた
これは続きも出ていて
もちろん同じ時に購入しているのでこれから読むのが楽しみ
Posted by ブクログ
とても面白かったのですが、疑問に思ったことが1つ。
族に襲われそうになり、咄嗟にエミリアが錬金術を使用したシーンがあったと思うのですが、あのときテレサとエミリアの首には爆発する首輪が付いていたように思います。
錬金術を発動した際になぜ爆発しなかったのでしょうか?
何か読み損じているところがあるかもしれませんが、わかる方が居れば教えて頂きたく思います。
気になって仕方がありません。
Posted by ブクログ
錬金術が実在する世界を舞台にしたファンタジーミステリ。
軍人エミリアは錬金術師テレサの同行者として、フェルナンド三世が「魂の解明」を実現したとして披露する神秘公開式へと赴いた。しかし式の前夜に三世の死体が密室で発見され、二人は事件に巻き込まれることに‥
ラノベ風のキャラ設定、ファンタジー要素が入っているものの新本格っぽい謎の構成、ラストの意外な結末など読みやすく面白かった。
シリーズ続編も出ているようなので読んでみたい。
Posted by ブクログ
ファンタジー&ミステリー
錬金術師だからファンタジーだけど、
密室の謎を解く。
ちょっとラノベっぽかったし、
あの作品のオマージュなんだろうみたいな所もあったけど勢いで読めた。
次回作もぜひ!
Posted by ブクログ
〇〇×ミステリ、といえば?
青春×ミステリなんてありがち。
伝奇×ミステリや歴史×ミステリは妄想爆発してていい感じ。
SF×ミステリはそれはもう相性が良いことが歴史的に実証されてると云ってもいいでしょう。
本×ミステリ、珈琲×ミステリもまぁ、そこに必然性があれば楽しく読むけど。
(ちなみに青春×ミステリはキャラクタ的に必然性があるということにしておく。なんでもありやな。青春だからね。)
その点イロモノの今作は錬金術×ミステリ。
いい加減ネタバレしてもいいんだろうけど最近のイロモノと云えば『屍人荘の殺人』が爆発的に売れたけど、あれも〇〇×ミステリですね。
個人的にはこちらのほうがかなり好み。
錬金術、とは外れるけど大分類に上がって、所謂ファンタジー×ミステリといえば『折れた竜骨』とか『アンデッドガール…』くらい? 『クロック城』はあり?
あんまり成功例が無いのかしら。
どうにもファンタジーが「なんでもあり」という感じになってしまうと、そりゃミステリとは相容れなくなるわけで…
その点今作はバランスの良い配合で、ちゃんとフェアに書かれていて謎解きもさせてくれるし、とても気に入りました。☆3.8
しかも続くであろうというのが嬉しい…!
Posted by ブクログ
定番の探偵と助手もの。遊び人で破天荒なテレサと実直なエミリアという対照的な2人のやりとりが楽しい。
ファンタジー×ミステリということだが、事件に関する細々とした伏線はあまりないので、情報がさっぱりしていて読みやすかった。(ミステリをあまり読まないので、単に私の読解力不足かもしれない)
かといってストーリーが物足りないというわけでもなく、事件の謎に加えてテレサとエミリアの過去に関わる情報や世界設定の話が同時に繰り広げられていくので、各方面に面白かった。錬金術の階層構造や、錬金術師と国家情勢のつながりなど、今回詳細に描かれなかったものを含めて世界観の広がりにわくわくする。そういう点では、どちらかというと「ミステリ要素のあるファンタジー」なのかもしれない。
上司と部下で、正反対だけど似た者同士で、共犯者になった2人。至極単純に共犯者・運命共同体という類の関係性に弱いので、目的を共有した2人がこれからどんな関係を築いていくのかとても気になる。
一旦事件は解決したもののがっつり続きものを想定した終わり方だったので、続編でまた2人の活躍が見れたらいいな。
Posted by ブクログ
錬金術が存在するハガレンの様な世界のファンタジーミステリ。
世界で7人しかいない錬金術師の1人が3重の密室内で発見される謎に、美麗の女錬金術師テレサが挑む。
何でもありかとおもったが、ちゃんと錬金術のルールに従って謎解きするのが好印象!
文体は軽めですがしっかりミステリしてました。
Posted by ブクログ
錬金術師がかなり特別な存在な世界。こんなん何でもありでは?って思わせておいて、ちゃんと密室殺人で、ちゃんと謎解きをしていてよかった。
エミリアがただの語り手じゃないところもよい。
Posted by ブクログ
錬金術なるファンタジックな要素がメインとなっているものの、筋立てや論理の展開はいたって古風。あとがきに書かれているような講談社ノベルスの新本格系統を思い出すような、ロジカルに意外性を導き出すお話でした。
なので推理を組み立てていく過程を行っていくと頭でっかちというか、読んでいて平坦な印象になりかねないときもありますが、この作品では主人公の錬金術師とその相棒の軍人の水と油なペアのやり取りそのものも楽しく、早くいえば「キャラ立ち」しているので、その楽しさでするすると読めました。新鮮というほどでもなくても、読んでてストレスフリーな奇天烈風味なキャラクタの匙加減が自分にはちょうど良かったです。
真相にどれだけ綻びがないかまではともかく、錬金術という架空の魔術をメインとしてはいても、きちんとルールを敷き、「なんでもあり」にはしていないので、論理が通ったミステリとしてもしっかり収束していると思いました。
ただキャラクタものの宿命なのか、彼らのバックボーンについては「続編を待て!」というか、続編ありきな書きかただったのは、この物語そのものはちゃんと解決はしているとはいえ、仕方ないかぁ、と思うしかないかなと。その辺はお約束なようなもので、突っ込むのも野暮なのでしょうけれども、少し気になったのでした。