紺野天龍のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回は笑える展開が多く十分に楽しめました。
一方、推理のほうは少し強引なように感じました。
前半は霧瑚の勘がたまたま当たっていたのと大差ない内容でしたし、後半は今回の患者である錬金術師についての前提がやや強引に思えました。
錬金術師は神秘の再現を目指すなら、本当にできるなら実際にやりたがるのが人間ってものじゃないでしょうか?神秘に至ってはいけないのが錬金術という学問なのだと決めつけるように書いているのは少し変な気がします。
また、化学者だってもしも既知の真理が揺らぐような事態が起きればそれについて研究したくなると思うのですが。簡単に真理は覆らないといっても、それで自分の研究は無価値だなんて決 -
Posted by ブクログ
錬金術なるファンタジックな要素がメインとなっているものの、筋立てや論理の展開はいたって古風。あとがきに書かれているような講談社ノベルスの新本格系統を思い出すような、ロジカルに意外性を導き出すお話でした。
なので推理を組み立てていく過程を行っていくと頭でっかちというか、読んでいて平坦な印象になりかねないときもありますが、この作品では主人公の錬金術師とその相棒の軍人の水と油なペアのやり取りそのものも楽しく、早くいえば「キャラ立ち」しているので、その楽しさでするすると読めました。新鮮というほどでもなくても、読んでてストレスフリーな奇天烈風味なキャラクタの匙加減が自分にはちょうど良かったです。
真