ジェフリー・ディーヴァーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編集『フルスロットル』に続く『トラブル・イン・マインド』二分冊の後編。前編が、リンカーン・ライムの他、キャサリン・ダンス、ジョン・ペラムなど懐かしの主人公たちが活躍するのに比して、こちらは独立作品がほとんど。標題の『死亡告示』のみがリンカーン・ライムものだが、本書中では最も短いショートショートに限りなく近い短編。でもライムのアームチェアが表紙を飾っている。不思議だが出版社の意図が感じられ、それもまた理解できる。
最初の一篇『プロット』は、スリラー作家の死を巡る短めの一篇だが、こちらと『死亡告示』は兄弟のような作品に見える。それと書く側の内なる深淵を覗き込んだら、えっ? となるようなひね -
Posted by ブクログ
最初の方のいくつかの短編はディーヴァーらしくないプロットや、フィリップ・K・ディックのような不思議な世界観の話。あれ?どうしたのかなと思って読みすすめた最後の「永遠」は、これぞディーバーの本領発揮といえる作品でした。短編ではなく中編のボリューム。
主人公と仲間のキャラも出来上がっているし、どんでん返しがこれでもかと続く。リンカーン・ライム、コルター・ショウに続く新しいシリーズのお試し版として読者の反応を確かめるために発表したのではないかと思うほどの作品です。
前半の短編があれ?だったことについて、訳者あとがきを読んで理解できました。
「短編集1巻「フルスロットル」の著者まえがきにあるように、 -
Posted by ブクログ
「こうなるといいな」っていうストーリーだった!
「こうなるといいな」っていう結末だった!
やっぱり凄いなディーヴァーは
こんなタイプの物語も書けちゃうんだよ
流浪の名探偵コルター・ショウは父を死に追いやった陰謀を最強で最高のバディと共に追う
それは父の死の直後に姿を消した兄ラッセル・ショウだった!
前二作を読んでショウの苦悩を共にしたので、この二人がみせる阿吽の呼吸がもう嬉しすぎてたまらないのよ!もう、上手いなー!
前二作がいろいろな意味でちゃんと繋がってる
全てがこの結末をむかえるために必要なことだったんだって思える
しかも、このスピード感
次から次へと「出来事」が「場所」が「人」が -
Posted by ブクログ
結末から始まる物語なんて、大傑作の映画『メメント』に対する挑戦みたいなものだと思ってたら、負けず劣らずの名作となりました!
正直めちゃくちゃ読みにくくて、「これ、誰だっけ?」「この人、さっき何してたっけ? いや、時系列で言えば『この後』どうなることになったっけ?」と、何度も読み返したりしながら進めましたが、後半から物語が始まりへと繋がっていくと、一気に加速! そしてどんでん返しのラスト2章! 「えっ? んっ!?」が止まらないです!
再読必須! 真相がわかってからの『答え合わせ』で、時系列が繋がっていくのが気持ちいい!
さすが、どんでん返しの魔術師……名作です! -
Posted by ブクログ
ネタバレ追跡者コルター・ショウの第三弾。
あまり細かいことは気にせず読む(読み飛ばす)タイプなので、
全く気が付いていなかったが、
ゲーム業界の事件とカルト集団への潜入が、
それぞれ2週間前、1週間前のできごとだった。
いくら「一つのところにとどまっていられない」コルターとしても、
動きすぎというか、働きすぎ。
今回は、長年、行方不明になっていた兄ラッセルが、
コルターの絶体絶命の状況に現われ、
タッグを組み父の残した秘密を探すことに。
その秘密は、とある法律の裁定書だったが、
正直、その法律の衝撃があまり理解できなかった。
それは、アメリカに比べて日本が厳密な「法治国家」ではない、
ということ -
Posted by ブクログ
コルター・ショー・シリーズ三部作の、いよいよ待ちに待った大団円。このシリーズの特徴は、何と言っても常に動き回り続け、父譲りのサバイバルのテクニックを駆使して悪と対決するという主人公の個性である。
ディーヴァー作品の代表格、アームチェア・ディテクティヴの主人公リンカーン・ライムとは、まさに真逆である。それでいながらライムもコルター・ショーも、極端なまでの個性で娯楽小説の王道をゆくように事件に向き合ってゆくというキャラクター造形で、読者をとことん楽しませてくれる。
三部作の一・二作目は、それぞれに独立した物語でありながら、コルター・ショーの父や兄のことは伏せられ、ぼかされ、ほのめかされて -
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