宮西真冬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ頁を開けばいきなり情事の描写。しかも言い方が悪いですが、三文小説的な雰囲気も感じてしまい、メフィスト賞受賞作家っぽくないなぁと思いながら読み始めたら、介護の様子にこのうえなく凹む。しかしそれほどえげつない書き方ではないのが救い。
娘を介護要員としてしか見ていない家族。いなくなると困るから、陰で娘の幸せを壊そうと図っている。もうこんな家族のことなんか放っておけばいいのに、娘はそうはできません。やっと巡り会えた相手は妻からのDVに遭っているという悲惨極まりないふたりです。
感情移入はしにくいけれど、この状況が好転する日は来るのだろうかと一気に読まされました。はい、決して三文小説などではありませ -
Posted by ブクログ
子どもにまつわるさまざまな悩みが多様な立場から描かれていて、現役世代として興味深い内容だった。
登場人物への感情移入はあまりできず、ただただ子どもが可哀想という感想。物語の結末もややご都合主義的で、すっきりした読後感は得られなかった。
ただ、不妊治療に協力的でない夫への失望、自分の思い通りに育たない子どもへの苛立ち、仕事を続ける友人への嫉妬など、それぞれの葛藤が生々しく、自分自身もいずれ同じ立場に置かれるかもしれないというリアリティがある。
ママ達の視点だけでなく保育士側の視点もあるのが新鮮だった。子どもがいる人だったら、また違った感想があると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現代の、特に女性が抱える問題がてんこ盛りだった。
著者の人間観察力と女の解像度がえぐいので、登場人物が生き生きとしている。癖のない綺麗な文章。
でも名前を覚えるのがちょっと大変だった。
子供が欲しい、欲しくない、産んで後悔している・・・それぞれ立場は違うから、誰かの欲しいものを他の誰かが持っていて、羨ましがる。自分では「何がそんなに羨ましいの?」と思うことでも。
これはよくあることで、なぜか自分に敵意を向けてくる人がいるなと思っていたら、自分はその人の欲しいものを手に入れていて、でも自分にとっては当たり前だから気付かない。そして自分にだって持っていないものは沢山あって、それゆえに悩んでい -
Posted by ブクログ
結婚願望、妊娠切望、キャリア志願。
それらは、達成されれば満足するのではありません。自分の望む形を求めていってしまうのです。
そして、その望む形を得られない時の気持ちの向け方が難しいのです。
主に四人の女性達の、それぞれの人生への羨望とか嫉妬とか。最終的には、憎悪に近い感情が絡み合って、なかなか楽しく読めました。それぞれのパートナーの男性達の不甲斐なさも気持ち悪さを増殖してくれます。
思いの外、嫌悪サークルから抜け出すラストを迎えました。もう少しそれぞれの事情に踏み込んでもらえたら、なお宜し。
世代の違いなのかと思うけど、そんなに誰も見てないよって思うけど、誰かに見て欲しいこととの表裏だったり -
Posted by ブクログ
ネタバレ男と女っていう描写が多くてあまり言いたくない問題だけど差を感じさせられた、途中嫌な気持ちというか少しイライラするところがあったけど、最後はよくおさまったのかなと思う。でもそんな簡単に受け入れられるのかなとも少し疑問。
結婚や友情も拗れてしまうと難しいし、大変だなと思った。人は周りの人と比べて自分よりも優れていると妬むけど実際は違ったりお互いそう思ってたりする。そんな些細なことで何かが崩れてしまったり自分が壊れてしまうくらいなら、自分は自分で生きていきたい(これは理想で案外難しいことだけど)。他の人と比べてもあまりいいことはないのだろうかと思う。