あらすじ
できないことを、数えないで。
どうやって生きていいのか分からない。
自分を責め続ける、小説家志望の私。
夢を抱いた仕事に躓く、会社員の夫。
そして、インコのピピ。
心理サスペンス『誰かが見ている』でメフィスト賞を受賞した著者が挑む新境地。
小さな家族の幸せをめぐる物語。
――美景はうまいことやったよなー。
旦那に稼ぎがあるから、なんの心配もないだろ?
パートでお小遣い稼いでたらいいんだし。(略)
傍から見れば、なんの悩みもなく、苦労もなく、ぼんやりと生きているように映るのだろう。(略)
うまくいかない自分を責める妻の気持ちを、想像することもできないのだろう。――本文より
美景と雄大は結婚して十年。
ある日、妻の書斎に入った夫は何か様子が違っていることに気づく。
ままならない毎日をどのように生きてきたかを語り出す二人。
小説家になる夢を叶えたかった美景。
夢を抱いた仕事に躓く雄大。
二人をつなぐインコのピピ。
メフィスト賞作家の新境地となる、小さな家族の幸せを探す物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
精神疾患や発達障害、人間関係の悩み、そういった生きづらさを抱えながら共に生きている夫婦のお話。
私自身うつ病を患っているのですが、精神疾患を抱えている人の生きづらさがとってもリアルに描かれていて、自分と重ねて何度も涙しました。
お互いに相手のことを大切に思っているのに、どこかすれ違って喧嘩になってしまう。それが見ていてとってももどかしかったです。
「いいんだって!あなたは、いてくれるだけで!」
そう言った雄大の懐の深さに感動しましたし、私もそう思い続けたいし、伝え続けたいと思いました。
Posted by ブクログ
今の自分と重なる部分が多すぎて読んでて少し辛くなってしまった。
それでも夫婦が繋がりあって生きていっていて見習いたいなと思った。
自分も頑張っていこうと思える本だった。
Posted by ブクログ
人生は進んでいく、存在する事とは。簡単にまとめるのが難しいけれどキャッチコピーを付けるなら自分はこうかなと思った。まるで自分の人生かのような既視感を感じてしまった。
紛れもなく今までの好きな本トップ3のランキングに入る本に出会えてしまった。
まずタイトルから手に取った。まさに今の自分だなと感じた。
大学生からの長い付き合いを経て結婚した2人の交互の視点から語られる、全く性格の違う2人がそれぞれのやり方でお互いを思いやりながらお互いの人生を進めていく素敵な話だった。
1人1人が生きていくには苦し過ぎる問題でも、いつかは誰かに出会ったり、自分でもよくわからないきっかけや経験で乗り越えられるものや、割り切る事で少しづつ人生が、進んでいく感じが堪らなく好き。
結局は人間関係…
相手の気持ちを理解する事は絶対に出来ない。でも、歩み寄る事はできるし、いつかまた成長した自分なら考え方次第では少しはわかることも出来るかもしれない。割り切る勇気も必要。
自分さえわかっていればいいんだ。と思えるようになる事が、今の自分に必要な事なんだと思えた。まだ時間はかかりそうだけどそれでも人生は進んでいく。その時はまた成長した自分がなんとかしてくれると思いたい。
何かに悩んだ時や、うまくいかない時、何も手につかない時に読み返したい。解決策なんてなくていい、ただ存在するだけでいいんだと、一歩踏み外せば落ちていきそうな時にそっと手で支えてくれるような温かい本だった。
Posted by ブクログ
私も毎日生きづらくて、わかるよ…と思いながら読みすすめていた。
あと、私はコザクラインコを飼ってるので、鳥さんが亡くなるところは読めなくて、なかなか読み進めれなかったよ。。。
Posted by ブクログ
この本のタイトルに惹かれて手を取った人の背中を優しく支えてくれる作品。
雄大の性格が今後も美景の心を揺さぶるかもしれないけど、美景は彼の懐の深さを忘れずにいてほしい。
Posted by ブクログ
表紙のセキセイインコに惹かれて手に取った一冊。一見ほのぼのとした内容かと思うが、その実かなり「生きづらさ」にフォーカスを当てた作品だと思う。
夫・妻に対する理解の難しさや、第三者から家庭に向けられる一言、周りはできるのにどうして自分はできないのか、鬱・発達障害等。
誰にでもある生きづらさを優しく描いた作品。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、生きづらさを抱えている人の心にまっすぐ届く本です。
この本の魅力は、「頑張らなくてもいい」と優しく言いながらも、
現実から逃げずに向き合うまなざしがあるところ。
著者の言葉は、どこか詩のようで、でも嘘がなくて、
読むたびに「私もここにいていいんだ」と思わせてくれます。
Posted by ブクログ
ちいかわ栞が欲しくて購入。
まあなぁ、若くて自意識過剰なときは、これくらい生きづらかったなぁ、なんてことを思い出しながらも面の皮が厚い厚くなったので、共感はしにくかったかな。主人公たちの年代くらいて読んだら良い本。