丹地陽子のレビュー一覧
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ネタバレ非常に好みの話だった。
真っ直ぐでお人好しな(そしてまことの恋を夢見る)女学生と、一回り上の京都弁を喋るぐうたら絵描き青年のコンビ。
この二人の組み合わせがとにかく尊い。
京都弁がこれまた非常に耳に心地よい。
文字で読んでおいて「耳に心地よい」というのも何なんだが、まさしくそんな感じだった。
また毎回話の最後に彼がほんの少し本音を覗かせるところもよかった。
相手には全然伝わっていないけれど。
まことの恋や愛を見つける前に、彼女は彼を「まことの家族」に引き入れちゃっているからなあ。
そこからまことの恋や愛に転化するところも見てみたいが。
蕾が花開くような、そんな瞬間を。
主役二人はそんな微笑 -
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ナイチンゲールの伝記
ナイチンゲールは裕福な家庭に生まれたものの、自分は幸福ではないと思っていました。
では、本当の幸福とは何なのか?
それは人それぞれ感覚が違いますから、これといった答えというのはないんです。
それがただ、ナイチンゲールの場合は人を助ける事が幸せだと感じたんですね。
皆さんの場合はそれが違って、もしかしたらお金持ちなのが幸福だと感じる人もいるかもしれない。
もしかしたら生きていることを幸福だと感じる人もいるかもしれない。
でも、良いんです。
別にナイチンゲールみたいにしないといけないわけでわないんです。
感覚は人それぞれだから。
いたずらをするのが幸福だと思っても良いんです -
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この小説は沢山の色で溢れていました。
世界的に有名な女流画家である「律子」と絵を描かなくなった青年「燕」の物語。
生活能力のない律子と一緒に暮らす中で、燕は数々の料理を振る舞いますが、そのどれもが豊かな色によって表現されています。律子は食べたいものを色で指定していくので、燕はそれに合った料理を作る。この時点でもう師匠と弟子のようでした。
わたしは、自分が本当にやりたいことを、「自分には才能がない」「もっと上手い人が沢山いる」と思って辞めてしまうことが今まで沢山ありました。まさに燕もそんな風に夢を諦めた男の子。
本を読み終えた後に、
自分の好きなことをやってもいいんだ。
と思わせてくれる小 -
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赤星中学校は運動部と文化部の総合顧問の先生のいがみ合いからトラブルが起きていた。そのトラブルに対して架け橋となり平和をもたらす「ピースメーカー」となるのが放送部のふたりだった。
これは実に楽しい物語です。中学校の放送部の楽しさ、放送部の利点アレコレを使っての情報収集、そしてトラブル解決のカタルシス。それらが魅力たっぷりに書かれています。
短めの話がポンポンと詰められています。トラブルがあり情報収集があり解決策が思い付いたところで、ポンと結果は後日談として語られます。そのためテンポよく読めるのですが、登場人物たちとともに解決を経験するという部分では物足りなさもあります。しかし一番山となる事件に -
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国際理解のもう一歩先に踏み込んだ感じかなぁ。
いつも絵を描いていて「ヘン」といわれる直と、ヘンなガイジン扱いされたくなくて、ペルシア語を話さないイラン人のアリ。
日本でまわりに溶け込んでやっていくのに、イランが好きなことを隠していたり…。
いろんな葛藤があって胸が痛いです。
人を理解しようとする気持ち。本当は、皆持ってる筈なのに、現実ではそうでなく、生きにくさを感じるって、悲しいですね。
直とアリの素直な言葉と真っ直ぐな気持ちがまぶしかったです。
「ヘンダワネのタネの物語」。
タイトルが秀逸!と思いましたが、本の中からいろんな色や鮮やかでキラキラした世界が飛び出してくるようで、ステキでした。 -
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インスタの広告で何度も出てくるから、だんだん気になって読んでみた。
翻訳物特有の文章の不自然さや、名前の覚えにくさはなくて、読みやすかった。
ただ世界500万部突破!という煽り文句で期待感を高めて読むと、ちょっとガッカリする。
4人の御曹司×女子高生の謎解きロマンスミステリーっていうから、花男に謎解きがプラスされた感じかの思ったんだけど、謎解きは読者も考えられる感じではなく勝手に何かを見つけて進んでいくし、ロマンスも特にキュンポイント無くキスして勝手に盛り上がってるし、よく分からなかった。
でも最後の二巻に続く謎の提示だけは上手いんだよね~。
二巻を読むかは、発売されてから考えよう。
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諸事情で末の弟と一緒に江戸に出て来た主人公。
下働きをしている料理屋にて、弟の嘘によって
料理を出す羽目に。
この弟懲りてない…な状態から始まっています。
甘やかしすぎた、というより、考えない人に??
1冊終わる頃には、成長していますが
侍相手にすごい嘘を吐くものです。
案外、江戸は狭いというのに。
少しずつ出されていく、主人公の料理。
女だから、というのは当然あると思いますが
配膳係の女性の言う通り、女性の方が
料理に携わっている時間は長い。
プライドの問題、と言われればあれですが。
これから先、こちらもそうですが
あちらもどうなるのか…気になる所です。