丹地陽子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
藤岡作品はハズレが無い。ですから毎回「今度はどんな物語だろう?」と楽しみに予備知識を入れずに読む事にしています。
そして今回も期待通り「当たり」でした。
とある有名漫画家が「漫画は右上から始まり、左下までの間に次のページを捲る衝動をかき立てる様に描くのが基本です。」と語ってました。
藤岡作品も漫画とは異なりますが、物語のエピソードが次々と変化していくので「その先を知りたい衝動」をかきたてられてページを捲る手が止まりませんでした。
ちょっとだけネタばれ。
主人公は春野暁、中学生2年生の女子。友情と絆と成長の物語。
物語としては出来過ぎ感はあるので、児童書か?とも思いましたが、相変わらず優しい文章で涙腺を刺激してくれます。
これから読む人のためにも多くは語れませんが、映像でも漫画でも表現出来ない活字ならではの藤岡さんの見事な表現力に脱帽です。 -
購入済み
寝食を忘れずに
後宮のお話ということで購入したのですが、本当に生活に支障が出るくらいに読みふけりました。12冊もあると読んでも読んでも続きがあり、嬉しいものの、外出もままならず。。合本危険!って思いました(笑)
シリーズ中盤からは後宮ではなく国境を越えたり戦があったりの話になりますが、そちらの方が登場人物も世界も動きがあってより面白かったです。
実は最初の方は主人公の遊々と宦官の玄月の今後、みたいなものを期待していたのですが、シリーズ後半にその期待は砕かれてしまい。。推しの幸せを応援するってむつかしい。。
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Posted by ブクログ
ふたりが出会い、恋をして結ばれてめでたしめでたし。では終わらないストーリー。
ある日突然かずとの前に現れた、半年前に亡くなった飼い猫のハナを名乗る少年。陽だまりのようなあたたかな好意を寄せてくれる少年に、正体はわからないまでもかずとは惹かれていく。
「俺の本当の名前ははないあお」その名前を聞いた瞬間にかずとは全てを思い出し…。
ぴったり組み木みたいに完成されたふたりでも、言葉にして伝え合わなくては時に歪み、隙間があき、形が合わなくなることもある。「幸せになってはい、終わり」ではなく、幸せでい続けることの難しさ。変わることに対する恐怖が裏に見え隠れする。
同じ場所に立ち、同じ感覚であることに安堵するかずとは、歩和の中の「強さ」に違和感を感じる。
「苦しませないとは言わない。苦しい時は一緒。ふたり一緒の共犯者」幾度となく交わされるふたりの共通認識が理想的でもあり、脆く危うい幻想的でもあり、疑心暗鬼にも囚われて、物語終盤まで常に薄気味悪い不安がつきまとう物語だった。こんなに大恋愛をしているのに、急激に冷める描写まで挟み込む作者様の“心理描写を描き切る”姿勢には毎度感嘆してしまいます。丁寧な作風がとても好きな唯一無二の作者様だと思っています。
最終的には大団円。危ういまでのふたりの同一感が消え、健康的な共に歩むふたりが存在していました。
読後感は良いです。
途中のもやもやに負けずぜひ完読いただきたい、圧倒的に“読ませる”作品です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2022年度読書感想文コンクール課題図書(小学校低学年の部)
なんてえぇ姉妹や……。っていう安い感想がまず零れ出る自分が感想文指導をしていいのか疑問ですが、いい本ですね。
一応、童話の位置付けだと思いますが、挿絵がカラーも多く充実していて、半分絵本のような印象で読めると思います。
同じく課題図書「ばあばにえがおをとどけてあげる」のばあばに引き続き、なぜおねえちゃんが足を引きずるようになったのかは謎ですが、完璧主義で負けず嫌いの小4おねえちゃんと、髪型のせいかちびまる子ちゃん感が溢れ出るうっかりキャラの小2つくしちゃん。
2人の日常を切り取った短編集のような作りになっています。
わたしは姉も妹もいないので、世の姉と妹にこの本がどう響くのか大変気になります。
そんなわたしでも、低学年対象のこの短い1冊の中で、つくしちゃんと一緒に胸が「きゅっ」となったり「どきどき」したり、しっかり揺り動かされました。
主観がつくしちゃんだけど(だから、ですかね)子どもの真っ直ぐで、大人よりは物理的に狭い視野の世界において、主人公はおねえちゃん。
なんでもできて、ちょっとだけいじわるで、足を引きずりながら、仲のいい友達がいて、でも悪意のないシビアな現実にぶち当たっていたりもして、それでも負けず嫌いと根性でそれを乗り越えるおねえちゃん。
だからそんなおねえちゃんのたまに見えてしまう子どもらしい弱い姿に、つくしちゃんは動揺します。
やはり「ふつうのおねえちゃん」にプラスされている「足を引きずる」という要素はけっこう大きくて、感想文を書くにあたってはそこをどう拾うかが大切ですよね。
やっぱり低学年が掘り下げる限度を考えると、兄弟、姉妹がいる子に有利な1冊ですかね…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレついに父の隠していることが明らかになりました。そして、兄の真相も語られることに。隠されていた部分を知ることで、疑心暗鬼からの不安や恐れが、知ることで未来への不安や怖れに変わっていきます。生きることは、苦しみを2倍にも3倍にも背負っていくものなのかと、それでも生きていくことにためらわないことが、主人公の魅力です。
「何のために生きているのか」は「何故生まれたのか」の理由付けになると思います。必ずしも明確な答えが必要ではないけど、未来を明るくするためにとか、豊かに生きるためにとか、希望を感じられる生き方に繋がるのならいいなぁと思います。