あらすじ
夢に挫折し、今を無気力に生きる美大生の燕は、かつて一世を風靡した天才女流画家の律子に拾われ、生活の面倒を見てもらうことに……。
引き替えとなる条件は、美味しいご飯を作ること。
自分の過去や絵で挫けた事実を隠したい燕は、言われるがままに美味しい食事を作り、律子と一緒に暮らし始める。
でもそんな彼女にも隠している過去と秘密が……。
感情タグBEST3
頭の中でイメージがしやすい
この本は文章からこんな風景なんだろうなとイメージがしやすく様々な要素が絡んでいるけれども整理がしやすくとても面白いです
さまざまな要素が絡む
料理×美大生×一流人の秘密、という、一見無関係な要素がそれぞれ複雑に絡んでおり、それらが見事に調和してこの個性的な作品を構成している。読んでいて料理が作りたくなるもいう内容なのも特徴的であり、美術のセンスと料理のセンスは共通するところもあるのだなと感じた。
彩りきれい
文字の中から色彩があふれる。
銀杏のエメラルドグリーン、萎びて固くても捨てることなく、ご飯に炊き込むことで美味しく生かされる。
主人公の青年もきっと元気になれるよね。
アルさが全く伝わってこない
食材や料理の話は本当に生き生きとしていて美味しそうである。惚れに引き換えもう一つの重要なテーマである「絵」に関してはリアルさが全く伝わってこない。コンクリートの壁に壁画として直接書いているのならおそらく油絵だと思うが、油絵独特の油の匂いや、絵が乾くまで触れない といったところが描かれていない。ヒロインの造形はかなりわざとらしいし、主人公の造形はどんよりとしてしまっている。