山中伸弥のレビュー一覧
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ネタバレ2人とも非常に難しいトピックを一つ一つ噛み砕いて、自分の言葉で語っているのが非常に印象的。
AIのトピックをお互いの専門分野である将棋やiPS細胞研究の話をアナロジーに自分の中に腹落ちさせた上で会話をしているためだと思われる。
AIに関して何か目新しい示唆があるかというとあまりないが、2人の賢さと知に対する誠実さが分かり読んでいて楽しい。
以下印象的だった箇所(抜粋)
[羽生さん]
・直感、読み、大局観
直感で2.3手に絞り込み、読みでそこから2,3手先をシミュレーションする、3番目に大局観で全体の流れを俯瞰し先の戦略に基づいて打ち手を切る。
そして上記は年齢により利用割合が変わってくる。頭 -
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お二人の対談を通して、iPS細胞・将棋・AIに関する最新の知見がわかりやすくスーッと入ってくる。読みやすくて知的好奇心を喚起される、とてもコストパフォーマンスのいい本。
羽生さんは、将棋以外の分野に関しても非常に博識であることに驚く。もともと、常日頃から勉強を怠らない方なのか、この対談のために相当準備されたのか。棋士としてだけではなく、人間としても高まろうという意識が垣間見えて感嘆。
AIに関しては、「人類はどうやって共存するか」ということが今後のテーマなんだろうが、羽生さんの話から、「暗黙知」とか「意外性」とか、その辺りにヒントがありそうだと思った。
藤井聡太さんは羽生さんから見ても驚 -
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ノーベル医学・生理学賞を受賞された山中先生と、将棋の永世七冠の羽生善治さんによる対談。
AIが将棋や研究に与える影響から始まり、未来社会の絵姿まで、話題は多方面に及びます。
羽生さんが、藤井聡太七段のことをどう捉えているのかも披露されて、興味深くよみました。
▼羽生さんのAI観。
人間は、連続性・一貫性に美しさを感じるけれど、AIはその場の最適解を求めることしかしない。それが違和感につながっているが、AIの指した手が将棋の戦法を変えた例もある。人間の美意識が将棋の可能性を狭めているのかもしれない。一方で、AIを絶対視するのは危険。AIは人間に比べて間違える可能性が少ないというだけ。ディープラ -
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ノーベル物理学者の益川教授とiPS細胞発見者の山中教授の対談をまとめたもの。日本を代表する学者の考え方が分かる面白い本であった。両者ともユニークな性格の変わり者で、変わった経歴を持っていることがわかった。印象的なフレーズを記す。
「染色体の端っこには「テロメア」と呼ばれるしっぽのような部分があって、分裂を繰り返すたびに短くなっていきます。テロメアがある長さまで短くなると、細胞はそれ以上、分裂できなくなる。つまり、細胞の老化が最後まで進んだことになるわけです」
「今のテレビは、外側のことはわかるけれど、中にどんな装置が入っていて、どういうしくみで動くのか、ほとんどの人にはわからない。皮肉なこ -
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面白い対談であった。大きな仕事をし、大きな成果を上げている二人には、似たところがある。突出した偉人は、他人とは違うことをやってきている。社会の多様性の重要性を改めて認識した。
「(ゲノム編集技術)「クリスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)」という新しい技術が開発されて、その精度の高さと簡易さから一気に汎用性のある技術となりました。根底にあるクリスパーと呼ばれる遺伝子配列を発見したのは、九州大学の石野良純先生です」p109
「十代のころはみんな、粗削りなところがあるんですよ。でも藤井さんにはそういったところがまったく見当たりません。すごく完成されています。連勝中、対局の中ではっきり不 -
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まるっきり文系の自分にも、科学の面白さを感じさせてくれた一冊。まだメカニズムが解明されてないことが、こんなにあるのか、と純粋に驚いた。
もっと生命科学や物理科学のことについて知りたい!という気持ちになる。
対談形式の本って読みやすい。特に馴染みのない分野に踏み出したいときはまず対談の本から入ってみると良いかも。
CP対称性の破れ
ビックバンで、粒子と反粒子が同じ数だけ作られた。粒子と反粒子がぶつかって光になって消えていく中で、光にならずに消え残った粒子がある。宇宙も、地球も、人間も、その消え残った粒子から生まれたものである。
なぜ消え残った粒子があったのか?の理由は、クォーク(粒子よりさら -
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タイトルが興味を引いた1冊
本当に凄い人たちが、目標を見つけたり、挫折したり
若い頃の初々しくておもしろい話しが講演と対談と言う形で描かれている。
また 登場する人たちがIPS細胞の山中伸弥さんや、将棋の羽生善治さん、
その時はまだカンヌ映画祭のパルムドールは受賞していないけれど、ドキュメンタリーのような映画で定評のある是枝監督、
京都大学の霊長研究の山極さんに関しては、名前は知らなかったがモンキーパークに何度も足を運んだ私としては、もう 興味津々のラインナップだ。
どの人の講演内容も面白くて、機会があったら生のお話を聴きたいと思った。
特に山極さんのゴリラとチンパンジーの社会、そして人 -
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ネタバレ共にノーベル賞を受賞している2人の著名研究者が、自分たちの研究を振り返りながら、様々なトピックについて話している本書。
言わずもがな、示唆に富んだ発言の連続であるが、特に印象に残った発言は以下の通り。
「研究はフェアである。(山中 p.98)」
「実験の結果が予想通りだったら、それは基本的に「並」の結果なんです。自分が予想していないことが起こったほうが、科学者としては当然、面白い。(益川 p.99)」
「肯定のための否定の作業(益川 p.188)」
ノーベル賞受賞など、側から見れば華やかな経歴を持っているように見えるが、本書を読むとお2人とも壁にぶつかった経験があることが分かる。しかし、同 -
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Posted by ブクログ
本著は偉業を成し遂げた、将棋の羽生善治氏とips細胞の山中伸弥氏が、斬新な発想やアイデアといった独創性を生み出す「『無知』の強み」と「直感力」について説く。
山中氏は独創性を生み出す3つのパターンについて次のように述べている。1つ目はアインシュタインのようにもともと天才というパターン。2つ目は他の人も考えているようなことだが、一応自分で思いつく。実験等をしてみて予想していなかったことが起ったときに、それに食らいついていけるかどうか。3つ目は自分も他人も「これができたら素晴らしい」と考えているが、普通は「無理だろう」と諦めるところを誰もやっていないから敢えてチャレンジするというパターン。
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