山中伸弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ノーベル賞受賞した山中伸弥氏による唯一の自伝です。本書によって、はじめて明かされた自身の研究人生とiPS細胞のすべてが記されております。なんとも山あり谷ありの人生でまさに『苦悩を貫け歓喜に至れ』です。
ニュース番組で彼が『世紀の発見』をしたことは見聞きしたことがあるのですが、残念ながら僕は理系の素養が欠落しているので、彼の研究がどれほどすごいかということや、たどってきた人生については本書を読むまでは知りませんでした。
読み終えてみて、この栄光にたどり着くまでは、本当に幾多もの挫折の果てのものであったかということを知りました。
浮き沈みの激しい幼少期から柔道に明け暮れた高校時代。実家の経済事情から背水の陣で挑んで合格した神戸大学医学部。しかし、彼を待っていたものは臨床の現場で彼を担当する指導医から 「ジャマナカ」と馬鹿にされ、臨床医をあきらめたという『挫折』からスタートするのです。
それから彼は研究の路へと舵を切り、渡米し、研究生活をするも帰国。研究する場所も京都大学に落ち着くまでは二転三転するなど、本当に波乱万丈な研究者人生を送っていらしたんだなぁと、、読みながら思ってしまいました。
しかし、彼の元にやってくる優秀な学生やポスドクのおかげで掲載雑誌に載せてもらえたり、研究のほうでも彼らのほうからの提案で、思いもよらない進展があったりと、一人の人間の『軌跡』を見るような思いがいたしました。
合間合間に解説されてある理系に関する知識や、実験の内容は具体的なことはわかりませんが、その世界ではとてつもないことをやっているんだな、という察しをつけるしかないのですが、山中氏が著した唯一の自伝として、今後も広く読まれていくことに、違いありません。
※追記
本書は2016年5月20日、講談社より『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた (講談社+アルファ文庫 I 40-1)』として文庫化されました。 -
Posted by ブクログ
10年以上前に発行された本なので、技術的には今はもっと進展していると思うけど、なんとなくiPS細胞やES細胞の特徴と、iPS細胞の将来展望が理解できた。すごくわかりやすい例えで説明されており、医学の素人でもなんとなーく理解できた。
実力や努力だけじゃなく、運や、政治的な働きも必要な世界なんだなと、山中さんはタフなかただなと感じた。
時々垣間見えるプライドの高さも、大学の先生という感じでリアルでよかった。
最後に語られた志の高さに涙が出そうになった。
以下、わたしの理解。違うかもしれんけど。
ES細胞:
増殖力が高く、簡単に増やせる。分化多能性といって、神経細胞や筋肉細胞など体を構成する全ての細胞を作り出せる。ただし、必要な材料である"胚"(受精卵が細胞分裂し、着床準備を始めた段階)は子宮から取り出して入手することになる。さらにES細胞にするためには、胚をバラバラにして培養する。倫理的に人に適用できない。
iPS細胞:
胚を使わず、皮膚や血液など簡単に採取できる細胞から作られた、ES細胞(=色んな細胞に分化できる細胞)に似た細胞。ただし、皮膚には皮膚、血液には血液としてのDNAがプログラムされているので、ES細胞化するには"初期化"する必要がある。その初期化に必要な遺伝子を発見し、初期化された細胞(=iPS細胞)を再現性良く作成できることを論文投稿し、ノーベル賞を受賞した。
患者本人の皮膚からiPS細胞を作成できれば、免疫拒絶問題も解決できる。そこがES細胞とは異なる特徴。
再生医療や、新薬創造の分野での活用が期待できる。
本棚で保管 -
Posted by ブクログ
・辛い経験も、あの時があったから今があると思える時がくる
→山中教授のこの言葉には勇気がもらえる
・なんとなく(高校に)行っていたのでは無駄になってしまう、益の薄いものになってしまう
→高校にすらきちんと行く意味を考えて通っている、自分で考えるということの大事さと、それをこの歳で実践している凄さと
・研究にもプレゼンテーションの力が必要。中身だけでは、分かってもらえず、世界との競争に勝てない。自分の考えを他人に説明するのは大切な技術。
→研究の世界もそうなんだなぁという新鮮な驚き。
・iPS細胞をやり始めたときに、こんなことは無理だと思い始めていた。しかし植物分野で万能細胞がたくさんあることを聞き、自分でかけていたブレーキがスッと外れた。他の世界を知ることで自分の抱える問題が解決したり前に進むことがある
→本書最大の面白いポイントだった
・読んだ後に予想外の一手を指されると、また読み直しになって大変。だけどそれも面白さの一つで、そういう経験が将棋に対する見方を変えてくれる。
→ポジティブな捉え方に感銘
・色んな人に会いに行って話を聞くことは大切
→その手の仕事に憧れるー。
・深く考えないからこそできることもある。若い時はチャレンジをやめることはしてほしくない。
→今が若いとは言いかねるが、チャレンジしたいところ。自分の現状にも刺さる
・思い通りにならなかった実験から何を学ぶかが大事。
→失敗は振り返りたくないもの。見たくない部分を直視することになるから。でもそれを血肉にできるのが強さなのである
・外科医が大成できるかは経験に左右される。手術は1人しかできない。そこで手を挙げられる人でないと、経験は積めず、すごい外科医にはなれない。
→なるほど厳しい世界である
・行き詰まった時にはジョギングをする。それがプレッシャーの解放法。やるべき時には集中して奮い立たせてやる。長くプレッシャーに打ち勝つにはそんなメリハリが大事な気がする。プレッシャーを感じながらも、自分のメンタルを自分でマネジメントするのが大事。悪い手は誰でも打つ。その後にどれだけ冷静に戻れるか。失敗を引き摺らないか。
→長期間にわたる緊張状態をそのように乗り越えてきたのかと勉強になる。感服
・AIの棋譜を覚えても意味がない。自分なりにどうしてその手を打つのか、どうしてその手の評価が高いのか、自分で咀嚼して考えると自分の力になるかと思う
→若者の意見とは思えないほどの達観。自分で考えることの大事さはヒデも言っていた。(文体とパスの精度)
・今できることをやっておかないと、できることは今しようという考えになった
→親友の死を受けて考えが変容したとのこと
・大事なことは試すことで、世の中の成功者は誰よりも試すを繰り返してきた。だいたいうまく行かない、それでもどんどん挑戦していく。挑戦しないと始まらないから。失敗しても努力を続けることが大切だ、結果を楽しめと。うまく行かない時はチャンスかもしれないと考えてみる。うまく行っているときは、大変なことが起こるかもしれないと用心する。
→まさか山中教授が、「仕事は楽しいかね?」から影響を受けているとは。そんな本も読むのですね。
・恩師から教わったのはVWという言葉。visionとwork hardのこと。明確なビジョンを持ち、それに向かって懸命に努力することが大事。
→沁みる言葉。work hardできる仕事を選ぶことが重要だと思われる。
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Posted by ブクログ
サクッと読める子育て本。ただ、、前提があります。このお二人はなんと塾に行かずに医学部に合格された方です。(しかもお子さんたちも医学部へ)対談相手の成田先生は母親から褒められたことがないことに苦しみ、自律神経失調症ではないかと思われる症状に苦しみながらも、最終的には母親の代わりに家事をしながら医学部に合格されるというものすごい方。普通じゃできません。なので、「この方ができるんだからうちの子も・・」とは絶対に思わないでほしいと思いました。
久しぶりに会う同級生のオンライン会談なのに、会話が成立して盛り上がるというのはお二人の会話の引き出しが多いからではと思い、感嘆しかありませんでした。
●自立とは
わたしも、はじめに紹介されていた意味だと思っていました。しかし、成田先生は「助けてと言えること」としておりとても納得しました。「人さまからの目」が厳しすぎて「自分でなんでもできる子どもに・・」と思ってしまいがち。特に、親や周囲から何か言われたことのある人は特にその意識が強いのではないかと思います。「助けて」と言っても助けられる状況にないのが現実かもしれませんが、助けてと言えることは実は自分が成長するためのひとつのステップなのだということに考えさせられました。
●本書の作品紹介の記述がよくない
全体的にお二人の会話の内容からずれており、誇大広告のようになっているように感じます。
わたしは、本書を読んで、山中教授は自分を天才だと全く思ってないと感じたので、違和感がありました。また、どうすればわが子が山中教授のように育つのか?という視点で読み始めると「ぜんぜん違う」となります。成田先生は女子力は高かったそうですが、山中教授は当時ラグビーに傾倒しておりマドンナとして意識していたようには思えませんでした。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ是枝監督のファンなので読みました。
天才5人がみんなと同じ人間だということを実感してもらうための書籍とのことでしたが、やはり5人とも若くから頭角を現しているように思う。
以下、備忘録。
山中伸弥
・iPS細胞のiはiPhoneをパクって小文字にした
・アメリカではみんな「素晴らしい研究だから頑張れ」と励ましてくれた。
日本では「こういうやり方ではダメだ」と忠告の方が多い。ディスカッションで大事なのは、身分の上下があっては絶対にいけない。
・学生時代に海外に行って欲しい。
・20代の失敗は宝物。財産。失敗してでも夢中になれることを見つけて欲しい
羽生善治
・様々な物差しを身につける。3年かかって英語を身につけたら3年の物差し、1週間で竹馬をマスターしたら1週間の物差し。
・棋士になって、コマを動かす楽しさは捨てなければいけなかった。
是枝裕和
・講演が苦手。1人で喋るのが苦手。
・1960年代のテレビドキュメンタリーに権力の抑圧を受けて歪められた姿がみえる
・英語が苦手
・小説家になりたい
・学生時代、サークルは入らなかった
・大学在学中から映画を撮りたいと思っていた。映画を見まくっていた。
・協調性がなかった。大人を信用していなかった。
・クイズ番組、旅番組、情報番組を1年目にやらされてくだらないとしか思えなかった。
・自分は全く役に立たないと悩んでいた。初めてディレクターとして「地球ZIGZAG」という体験型ドキュメンタリーを作った。
・1本目でやらせをした。演出というものに自覚的になった。
・先入観が崩れることが面白い。面白いことが起きてると感じる反射神経が最も求められること。
・映画は自己表現じゃない。
何かをじっと見ている表情を、見ている先を映さずに撮ると、何を見ているのかを含めて観客はフレームの外を想像し、人物の内面に寄り添う。
・映画を観てる人が、分かってくれるだろうという信頼感がないと説明に走ってしまう。テレビはながら見でも分かるように作るが、地球ZIG ZAGのプロデューサーからは「誰か一人に向けて作れ」と言われた。彼女でも母親でも。それが今も役に立ってる。
・自分の映画で取り上げたものが日常に戻った時にちょっと違って見えるようになるよう意識している
・普段自分たちは全然物事をみていない。カメラは世界を発見する道具と子供たちにも教えている。
・巡るというのが好き。楕円時間。1年経って桜が咲いているが去年のものとは違う。少し成長、進んでいる。
登場する人物にも変化が生まれる。
・悪を排除して解決出来ることなんて大して問題じゃない。
神もいないと思ってるので、グレーゾーンの中で物語を作り続けたい。