山中伸弥のレビュー一覧
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トップランナー二人の対談、示唆に富むトピックばかり。印象に残ったのは、「人間にできてAIにできないこと」で、AIは数学的処理で言語を扱うためショートショートくらいの文章は書けても春樹の小説は書けないというところ。また、日本の教育は教科書に書いてあること、先生のいうことは正しくて、その通りに答えればマルをもらえる、ある意味子どもにとって「居心地のいい」環境で、それが危ない、といった山中氏の指摘。日本は直線型思考が主流で回旋型思考をしない、つまり回り道を恐れるし、失敗を貴重な経験と捉えない。たしかに。
おふたりとも「ナイストライ」をし続けていこうと。気持ちの若いふたりに勇気づけられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ山中教授はもとより、羽生さんの見識の広さがよく分かる対談だった。
以下、心に留まったポイント。
・創造的な出来事の99.9%は過去にあった出来事の組合せ
⇒イノベーションとは「既存事項の新結合」である(by シュンペーター)に通じる
・人間は継続性や一貫性を好み、そこには安心や安定がある。それが人間の美意識の基になっている。
逆に言えば、人間は未知のものや未経験のことには不安や危機感を覚える。それは人間が生き延びるために必要な感覚やセンスだったはず。
⇒AIには元々恐怖心がないから、継続性や一貫性に基づいた美意識から解放され、ただただ過去のデータに基づいて最適解を計算してくる。
だから人間 -
Posted by ブクログ
芦田愛菜さんがおすすめしていたので読んでみました。
あの偉大なノーベル賞受賞者の山中伸弥先生がもともとはジャマナカって呼ばれるような人だったとは、とても驚きました\(°o°)/
研究の内容は、私には少し難しく理解するのにだいぶ時間がかかりました。。。
人間万事塞翁が馬(何か良いことがあったら、それは今度悪いことが起こる前触れなのかもしれない。何か悪いことがあったら、それは今度良いことが起こる前触れなのかもしれない。)という言葉が好きです。悪いことがあってもその分また良いことがある、そういう考え方がいいと思いました(. ❛ ᴗ ❛.)
おすすめの一冊です!! -
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Posted by ブクログ
京大名誉教授でありかつ詩人の永田和宏氏と山中伸弥氏、羽生善治氏、是枝裕和氏、山極壽一氏という超一流の人たちの講演とその後の永田さんとの対談を収録したのが本書である。
山中さんとの対談では、大学はそれまでと違い答えがある問題の正解を探すのではなく、誰も答えを知らない、もしくは答えがあるかどうかもわからないが、大切な「問い」を自分で見つけるという態度を学んでほしい、というところが心に残る。大学に入ったときにまず第一に欲しい言葉だ。自分はこれがわかっていなかった。
羽生さんとの対談では、ミスをした直後には後悔して過去に引きずられることなく「自分の将棋は次の一手からはじまる」とその場に集中する、と -
Posted by ブクログ
iPS細胞の発見に至った山中先生の話。
実際に何度か講演を聞いたことがあり、その時の印象と同じだった。
「自分は運が良かったんだ」と謙遜しながらも、陰ですごい努力をされている。
さまざまな苦難があり、それでも負けずに進んだからこそ今がある。
そんな山中先生がグラッドストーン研究所に留学中に心に響いた言葉が以下。
「人生で大切なのはVWだ」
Vはvision
Wはwork hard
一生懸命やるだけでも、長期的なビジョンを掲げるだけでも足りない。
両方があってはじめて形になるのだと感じた。
果たして自分はwork hardできているのだろうか…