山中伸弥のレビュー一覧
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本書は、ミスター・ラグビーと呼ばれ、2016年に53歳で死去した平尾誠二氏と、ノーベル賞学者の山中伸弥氏の交流・友情を記したノンフィクションである。2017年に出版、2021年に文庫化された。
目次・内容は、以下である。第1章:平尾誠二という男・・・山中伸弥、第2章:闘病―山中先生がいてくれたから・・・平尾惠子(平尾誠二夫人)、第3章:平尾誠二×山中伸弥「僕らはこんなことを語り合ってきた」
平尾氏は、伏見工業高校で全国大会優勝、同志社大学で史上初の大学選手権3連覇、神戸製鋼で日本選手権7連覇を成し遂げ、史上最年少(19歳4ヶ月)で日本代表に選出、日本代表キャップ35、日本代表監督、及び神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼GMの経歴を持つ。
本書では、平尾氏と山中氏が2010年9月に初めて対談をし、意気投合した(二人は同学年で、山中氏は、平尾氏の活躍に憧れて、神戸大学医学部在学中に3年間ラグビーをやっていた)ときから、2015年9月に平尾氏が末期癌を告知され、山中氏のアドバイスを受けて闘病するも、2016年10月に死去するまでの6年間を、山中氏と平尾氏夫人が、それぞれの立場で振り返っているのだが、大きな驚きは(本書の中で山中氏も平尾氏夫人も繰り返し書いているが)、40代後半になって知り合った男同士が、わずか5年余りで、ここまで心を許し合い、信頼できる関係を築いていたということだろう(平尾氏は、治療方法を全て山中氏に任せ、他の治療方法を試すことは一切なく、また、山中氏は、とことん調べた上で、自分や家族が癌に罹ったとしたら取るであろう治療方法を平尾氏に奨め、常に病状をフォローしていたという)。私は二人と同年代だが、社会に出てからできた友人・知人とはそこまで深い関係になりにくいことを実感として感じるし、それ故に、二人の関係には心を打たれる。
そして、本書からは平尾氏(と山中氏)の生き方、残した言葉から様々な示唆も得られるのだが、最も印象に残ったのは、平尾氏の「世の中には理不尽なことがたくさんあるが、その理不尽が人を成長させる」という持論である。平尾氏は、上述の華麗な経歴を持つ一方で、理不尽な扱いを受けた経験が何度もあり(本書には、中高時代にあった運動部の“しばき”以外は一切書かれていないが)、その経験をポジティブに捉えることによって、自分は強くなったと考えており、それは、癌の告知を受けたときの反応に如実に表れている。平尾氏は、「自分がなぜ?」と思って当然のところで、「うーん、しゃああらへんわね(仕方ないですよ)。(癌に)なってしまったんだから」と答えたというのだ。キューブラー=ロスの著名な著作『死ぬ瞬間』によれば、人間は一般に、第1段階「否認」、2「怒り」、3「取引」、4「抑鬱」、5「受容」という5段階を経て死を受容するというが、平尾氏は、その前半の段階には陥らず、自分が癌に罹ったという理不尽さを受け入れ、全く狼狽することなく、かつ前向きに、1年間癌と闘ったのだ。(本書には書かれていない、或いは、山中氏も平尾氏夫人も知らない、平尾氏本人の葛藤はあったのだろうが。。。)
大人の二人の友情が心に響き、また、平尾氏の生き様から何かを得ることができる一冊と思う。
(2022年8月了) -
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京セラ、KDDIの経営、経営破綻したJALの再建に尽力した稲盛和夫とヒトIPS細胞の作成に成功しノーベル賞を受賞した山中伸弥の2人の対談を紹介した一冊。
私自身、仕事で上司の言うことに納得出来なかったり、頑張ってはいるけれど思うような成果が中々出せない中で悶々とする日を送っていました。
輝かしい実績を残している2人でも、自分と同じ様に上手くいかない時に悩んだりした経験があったのか、またどのような考え方でそのピンチを乗り超えてきたのか、学んでみたいと思って手にこの本を手に取りました。
山中先生は動脈硬化の研究をしているところから、癌細胞の研究に転換しさらにES細胞と次々とその時の発見に身を任せる様にテーマが変わっていき、最後にようやくIPS細胞に辿り着いたとの話しがありました。あんなに頭のいい人でも、全て見通しの通りに人生を歩んでいる訳ではなくて、意外性を追いかけて、その場その場で全力を尽くす事が成果に繋がったそうです。
稲盛氏は78歳でJALの再建を託される訳ですが、当時のJALの幹部に中々受け入れられず非常に苦労したしたようです。事業別の独立採算性と京セラフィロソフィーを取り入れて、徹底的なコスト管理と社員の精神的な成熟を促していったそうです。利益を出し続ける事で、乗客の安全を担保する為の投資が出来、従業員が物心両面で満足の行く仕事ができるとの考え方を浸透させていった事がJALの再建に繋がったとの事でした。
この本を読んで、2人が歩んで来た道のりは決して順風満帆ではなかった事がよく分かりました。
2人とも沢山の苦労をしながら、自分の適正を考えた上で技術を磨き続け、人間的な成長を追求してきた事が成果に繋がったんだと思います。
すごく勇気をもらったと同時に今後、経営の勉強をもっとしていきたいと思いました。
特にお金の話しはやっぱり避けては通れないので、少しずつ勉強していこうと思います。
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どの人もさすが第一線で活躍されている方。こんな風に歳をとりたい。
山中伸弥…20代はなんでもいいから失敗してでも打ち込めるものを見つけて貰いたい。それと体力は裏切らない。
羽生善治…失敗を挽回できないほど重ねないこと。ミスを重ねないためには「その時点から見る」という視点が大事。「次の一手から始まる」とその場に集中していく。様々な物差しを持つと何かに挑戦する時に必要以上に不安にならないし考えすぎない。結果だけを求めると上手くいかず苦しくなることもあるが、プロセスの中で「面白い!やって良かった」という感動を見つけられることが挑戦を続けることの支えになる。挑戦をスムーズに続けるにはどこまでアクセルを踏んでどこでブレーキを踏むか適切な判断ができるかにかかってる。相手の立場で考える難しさ。相手の立場に立って自分の価値観で考えてしまう。
是枝裕和…読者は目に見えない存在。うなづいているかどうか殆ど自信が持てない。だがみんなに分かってもらおうとすると最大公約数になってしまい、何も面白くない。もっともらしい言葉がないのがいい。
世界はいつも自分の文脈の中で認識される。文脈を外れてそれ以外の見方で接することは中々難しい。悪を排除して解決できることなんて、実は大した問題ではない。真っ白と真っ黒を放棄したグレーゾーンの中で物語を作り続けたい。
山極壽一…勝つ論理と負けない論理。どちらも共存するためのルール。勝とうと思ったら相手を屈服させなければならないから、恨みを買ったり、相手が自分を避けたりする。しかし負けない論理のゴールは相手を押しのけることではなく友好的に共存することだから相手を失わない。自分にしかできないことは何だろう、自分だからこそできることを探す。それが自分の知識をまとめることにも繋がるし、他人が考えたのではないことを自分が考えることにも繋がる。動物は諦めが早いが、人間はしつこい。 -
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やはりどんな世界でも一流の人間は、人としてのあり方が美しい。
一流のお二方の心のやり取りに、涙なしに読むことはできない。
今後も読み返すことになるだろう。
お二人の対談の中の組織論も個人的には学びがあった。
人を叱る時の4つの心得
・プレーは叱っても人格は責めない。
・あとで必ずフォローする。
・他人と比較しない。
・長時間叱らない。
平尾「いちばん素晴らしいチームワークは、個人が責任を果たすこと。それに尽きるんですよ。
山中「なるほど」
平尾「そういう意識がないと、本当の意味でのいいチームはできない。もっと言うと、助けられている奴がいるようじゃチームは勝てないんです。」
山中「それはそうですね。」
平尾「助けられている奴がいるってことは、助けている奴がいるわけです。その選手は、もっと自分のことに専念できたら、さらにいい仕事ができるんです。」
平尾「しばかれるとか怒られるとか、外発的なプレッシャーでやらされているチームというのも、ある程度までは上のステージに行けるかもしれないけど、絶対に一番にはなれないです。なぜなら、「ミスしたらあかんモード」に入ってしまうから。
人間って、「誰かに怒られるからミスしたらあかん」と思うと、知恵が働かなくなって、さらにハイクオリティのところにいけなくなってしまうんです。」 -
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トップランナー二人の対談、示唆に富むトピックばかり。印象に残ったのは、「人間にできてAIにできないこと」で、AIは数学的処理で言語を扱うためショートショートくらいの文章は書けても春樹の小説は書けないというところ。また、日本の教育は教科書に書いてあること、先生のいうことは正しくて、その通りに答えればマルをもらえる、ある意味子どもにとって「居心地のいい」環境で、それが危ない、といった山中氏の指摘。日本は直線型思考が主流で回旋型思考をしない、つまり回り道を恐れるし、失敗を貴重な経験と捉えない。たしかに。
おふたりとも「ナイストライ」をし続けていこうと。気持ちの若いふたりに勇気づけられた。 -
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ネタバレ山中教授はもとより、羽生さんの見識の広さがよく分かる対談だった。
以下、心に留まったポイント。
・創造的な出来事の99.9%は過去にあった出来事の組合せ
⇒イノベーションとは「既存事項の新結合」である(by シュンペーター)に通じる
・人間は継続性や一貫性を好み、そこには安心や安定がある。それが人間の美意識の基になっている。
逆に言えば、人間は未知のものや未経験のことには不安や危機感を覚える。それは人間が生き延びるために必要な感覚やセンスだったはず。
⇒AIには元々恐怖心がないから、継続性や一貫性に基づいた美意識から解放され、ただただ過去のデータに基づいて最適解を計算してくる。
だから人間だと絶対に選択しないような「危険」な手を指してくる。
・AIはデータに基づいて人間が好むもの、選ぶものを予測するのは得意だが、時としてとんでもないものを好きになる、意外性を愛する人間の可能性は予測できないはず。それこそが人間にしかできない創造的行為だ。
・実験をしてみて、予想していなかったことが起こった時に、それに食らいつき、原因を探究していけるかどうか。それが人間として他人と違うことをやるチャンスだ。
・この情報氾濫社会においては、膨大な情報の「量」をただ丸暗記するのではなく、自分なりに栄養素として吸収し、未知の局面に遭遇した時に自然に対応できるような「質」に転換できるかどうかが鍵となる。 -
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芦田愛菜さんがおすすめしていたので読んでみました。
あの偉大なノーベル賞受賞者の山中伸弥先生がもともとはジャマナカって呼ばれるような人だったとは、とても驚きました\(°o°)/
研究の内容は、私には少し難しく理解するのにだいぶ時間がかかりました。。。
人間万事塞翁が馬(何か良いことがあったら、それは今度悪いことが起こる前触れなのかもしれない。何か悪いことがあったら、それは今度良いことが起こる前触れなのかもしれない。)という言葉が好きです。悪いことがあってもその分また良いことがある、そういう考え方がいいと思いました(. ❛ ᴗ ❛.)
おすすめの一冊です!!