木内一裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本の警察小説ではありそうも無いほどの警察官の銃弾が飛び交う……絶対有り得ないことなのになぜか妙にリアルなのは、絵力(場面、展開)の強さからなのか。
巻末の解説では漫画家すぎむらしんいちが「映画化して!」ってコメントしてたが、実際2013年に大沢たかお、藤原竜也で映画化された。
「本当のワルとは……」
さすが漫画「ビーバップ・ハイスクール」の作者だけに、徹底したワルのあり方が超特急で展開されていく。
携帯がまだ多機能では無い時だったが、すでに情報拡散と扇動能力に着目していることに驚きでもあった。
映画を見てからずいぶん経つので、結構新鮮にまた楽しめた。 -
Posted by ブクログ
木内一裕すごい!隙がない!ラストまでほとんど完璧に面白い小説だった。矢能シリーズ4作目で登場人物も出揃って物語も深まってめちゃくちゃ完成度高まってるな。登場人物達のセリフの掛け合いがリズミカルで洗練されててめちゃくちゃカッコいい上に、今作では矢能の立ち回りシーンもあるし、栞との感情の触れ合いや矢能の心の揺れも沢山描写されててとにかく物語に厚みが出てた。虚勢を張ったおっさん達が出てくるだけの小説なのにな。掛け合いだけで1話構成してたビーバップを思い出すね。ラストで次三郎助けに行くとこも矢能が非情に徹しきれないとこが出てて最高に良くてもう星5。次三郎救出編も書いてほしい。路駐のためだけに呼ばれてるはずの篠木もちゃっかり活躍してて最高だった。
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Posted by ブクログ
〈杉浦小麦〉25歳、新人女性弁護士。
こんな肩書きの主人公が活躍する話ですよ、と聞くとだいたいのイメージ像を思い浮かべることと思うが、想像の遥かに上をゆく魅力全開のキャラクターでありました。
兄の影響で小学四年から大学までレスリングに打ち込んで身体を鋼のような筋肉の塊に鍛え上げるも、怪我により競技引退。
その後は何かを取り戻すかのようにオシャレや恋にのめり込むがそうそう劇的に上手くいくこともなく、次は司法試験に挑戦する。恋よりも勉強。「偏差値Dランクの法学部を卒業してBランクの大学の法科大学院に進んだ。」(p46)。そして司法試験一発合格!ここまではまあわかる。
司法修習を終えたばかりで実績も経験も事務所もなく身一つで司法の道を歩み出したばかりのヒヨッコにしては肝が据わり過ぎている。タバコをプカプカやりながら軽トラころがして天草を疾走する序盤のシーンで読者のハートをガッチリとロックアップ。仕事は上手くいかなかったが帰路に福岡空港のフードコートで「ビーフバター焼き」(p49)を食って一服して、東京駅で「賛否両論弁当」(同)を買って家に帰ってタバコふかして…と、悲壮とか焦燥とかとは全く無縁で、さながらどっしりと構えたウォーリアである。
で、わたしのような凡人だったら小麦がレスリングの技術を活かして敵に低空タックルの一発でもかますもんだと思い、今か今かとそんなシーンを待ち侘びた訳だが今の彼女のリングは法廷であるからしてそんな真似をするはずもなく、法律を使った白兵戦闘に持ち込む訳である。彼女の堂々たる法廷での交戦シーンは小気味良く心を叩く。
四面楚歌に陥りつつも闘争心ギラギラで、尚且つ金銭報酬だって欲しいものは欲しい正直さを併せ持った真っ直ぐな小麦の姿にすっかり虜。読み終えてみて、てっきり既にシリーズ化されているとばかり思っていたのでこれは是非とも続編刊行に期待したいところであります。
装丁の小麦と思しき女性の見事なまでの‘小麦感’が素晴らしい。さすが小説の作者かつ漫画家でもあり自ら装画を描かれた木内先生。うーん脚がマッシヴだね。
1刷
2024.11.17