あらすじ
「謎解きはどうでもいい、犯人は俺が決める」容疑者は全員、アリバイなし、動機ありのヤクザたち。日本最大の暴力団、菱口組系の組長が姿を消した。殺されているのは確実だが警察には届けられない。調査を依頼された元ヤクザの探偵・矢能。容疑者は動機充分のヤクザ達。内部犯行か抗争か。だが同じ頃、失踪に関わる一人の主婦も行方不明になっていることが発覚する。最も危険な探偵の、物騒な推理が始まる。
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木内一裕、探偵・矢能シリーズ、元ヤクザの探偵・矢能を主人公とするハードボイルド・ミステリ、この作品は読んでいなかった。見どころは小学校3年生の栞とのコミュニケーションかな。ヤクザから足を洗って探偵になった矢能だが、燦宮会会長の二木から人捜しの依頼が来る。指定暴力団・菱口組系・佐村組組長の行方が分からなくなる。さらに佐村と関係するホステスも同時期に失踪した。そして佐村の死体が発見される。クレバーな矢能はヤクザ・舎弟・警察を思い通りに使いながら真相を追求する。今回もクールな矢能の独り勝ち。栞との関係も良し。⑤
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日本最大の暴力団、菱口組系の組長が姿を消した。殺されているのは確実だが警察には届けられない。調査を依頼された元ヤクザの探偵・矢能。容疑者は動機充分のヤクザ達。内部犯行か抗争か。だが同じ頃、失踪に関わる一人の主婦も行方不明になっていることが発覚する。最も危険な探偵の、物騒な推理が始まる。
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元ヤクザの探偵・矢能が主人公のハードボイルド探偵小説。出だしからテンポが良く、自然とストーリーに入り込んでいける。
今では絶滅危惧種となった潔いくらい男らしい探偵の矢能と、矢能の養女で、少しおませな小学三年生の栞の健気さの絶妙なコントラストが非常に良い。
矢能が燦宮会の実力者・二木から依頼されたのは、失踪した日本最大の暴力団・菱口組系の組長の追跡調査だった。そして、失踪した組長と共に行方不明となった主婦…
事件を解決せずに、全てを解決する探偵。ラストページで涙が止まらない。
市川力夫の解説によれば、矢能は『水の中の犬』の二話目と三話目、『アウト&アウト』の登場に継ぐ、本作での登場らしい。どちらも既読作なのだが、失念していた。
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ひえーめちゃくちゃカッコいい。痩せ我慢して言葉足らずに喋ることに命をかけてるような男たちが出てきてめちゃくちゃクールに会話を交わしていくだけの話なんだけど、そこから滲み出てくる愛情やら侠気やらに心を打たれる。ものすごく巧みな小説だと思う。矢能と栞の関係がまずいいし、今作では美容師のお姉さんや情報屋やラストの谷繁だったり周辺の人物もすごくいい味を出してる。面白かった。
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矢能シリーズ、元ヤクザの探偵の矢能と栞の新しい
親子構築物語、日常にヤクザと情報屋が行きかうの
で家庭環境は悪いが、幼女の栞が超絶良い子なので
逆に義父の心配をしてさり気なく美容師の姉さんと
結び付けよう(邪推?)とするほっこりストーリー
・・・嘘です、ヤクザの抗争に巻き込まれる話w
暴力団組織における矢能の存在・実力がパネェから
無謀な行動も辻褄があってしまう解決能力たかい
根本、頭が良いので個々の思惑で生まれた謎を単純
に紐解くのではなく「どうあるべきか?」という現
実的な解決策を演出できる、時々非合法の探偵さん
はハードボイルド以外の世界には暮らせないねえ
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相変わらず歯切れのいい文章。『次三郎って言うなよぉ』・『ツンデレかこの野郎』。主人公矢野と娘栞、会話。美容師との会話。映画で観た遠藤憲一がハマり過ぎで、すっかり矢野=遠藤憲一になってしまった。
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面白かった
矢能シリーズ、第二弾?第三段?
「水の中の犬」を読んでいないのでよくわかりませんが、少なくても、「アウト&アウト」の続編
元ヤクザの探偵の矢能と栞との物語。
今回もハードボイルド+ミステリーの展開です。
ストーリとしては
暴力団菱口組系の組長が失踪。矢能のもとに調査依頼が舞い込みます。殺されていると思われるも、警察には届けることができません。
内部犯行か?抗争なのか?
そして、同時期にやはり失踪した一人の主婦。
どのようなかかわりがあるのか?
容疑者は4人
矢能は聞き取りを進め、一人、また一人と容疑者から外していきます。
そして残り2人となったところで...
といった展開
ヤクザVs元ヤクザの会話の応酬
明らかになっていく真相
そのスピード感と疾走感が素晴らしい
そして、最後の最後でスッキリ終わって、栞との関係もほっこり!
大満足のエンターテイメント展開でした。
栞との会話がキュートです(笑)
とってもお勧め
Posted by ブクログ
前作out&outよりは上手くなっている/ ヤクザの失踪事件にまつわる諸々が問題化していて、登場人物もクズばかりで、とても良い/ 実際の犯人をつきだすよりも、よりクズな方を犯人に仕立てるのも、まあ元ヤクザの探偵って感じでイイネ/
Posted by ブクログ
日本最大の暴力団・菱口組系の組長が姿を消した。調査を依頼された元ヤクザの矢能の危険で明晰な推理が冴える。
被害者も容疑者も探偵も視線が鋭い物騒な男ばかり。そんな中で、矢能の娘・栞の存在の微笑ましいことこの上ない。決して幸せな生い立ちではない二人の寄り添う姿に、ちょっと目頭が熱くなる。ラストシーンの画用紙に描かれた絵に、矢能と同じく変な音が喉から漏れた。