浦賀和宏のレビュー一覧
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生前の浦賀和宏作品を知っている人ならこう思うだろう
「追悼 浦賀和宏」さえも浦賀和宏いつもの悪仕掛けだなと
それにしても本を開くと、これまでの作品以上に念の入った、リアリティのある導入。
浦賀和弘は本書上梓後死んだという母親による前書き。物語の内容は置いておくが、後書きもただの後書きではなく仕掛けが...続きを読む -
キャンプから帰ってきた妹が、キャンプでイルカを見たと言う。行われたのは、群馬。
当然誰も信じないなか、兄の敦士は友人と妹とともに群馬へ向かう。
前半は、ややテンポ遅めのイルカ捜し。だが、少しずつ絡み合ってくる関係性が微笑ましかったり痛いたしかったりで、十分に楽しめる。妹に干渉しまくる主人公の拗らせ...続きを読むPosted by ブクログ -
圧巻。
前作までの恋愛、青春、SF要素を残しながらも、今作ではミステリとしての魅力が非常に増しており、エンタメ小説としても楽しめる。
しかも前2作から複雑に絡み合う謎もついに解かれるのだから、本書は単体としての面白さとシリーズとしての面白さが見事に融合した作品と言える。
連続首無し事件の、そして『...続きを読むPosted by ブクログ -
なんて奇麗だったろう。
やはり、浦賀さんの書く男性像は自分も一緒に恋をしてしまったんじゃ、と思うほど。
ラストまで気が抜けず、
さり気ないカミングアウト。
心を打たれました。Posted by ブクログ -
ー その瞬間、関東上空に、第三国から飛来した、無数の核ミサイルが炸裂した。
すべての事象には、始まりと、そして終わりがあ
った。地球はこれで役割を終えた。
地球とは天国移送が始まるまでの仮の惑星に過ぎなかった。我々の地球での人生の目的とは、即ち、ハルマゲドンの後、天国移送に参加することでしかなか...続きを読むPosted by ブクログ -
ー 人はなにかを失うと、違うもので埋め合わせるものよ。生きていく限り、それがずっと続く。大切な人を失っても、身体が不自由になっても、その代わりとなるものを生み出す《力》を、人間は持っている。あなたはあの瞬間、妹さんを失った。だから、《力》が目覚めた。人間なら誰しも、潜在的に眠っている《力》が。 ー
...続きを読むPosted by ブクログ