浦賀和宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ安藤直樹シリーズに比べると比較的オーソドックスなミステリかもしれないが、やはり終盤の怒涛の展開は本当に目が離せないし、相変わらずリーダビリティも超一級品で、読ませる力が本当に半端ない。
背中にナイフが刺さる場面のカタルシスは響いた。
神崎の正体、予知能力者のフリをしていた理由には肝が冷える。
個人的にはラストも好き。
だが、振り返ってみると、内容はそこまで独創的なものではないように感じてしまう。(もちろんそんなことはないだが)
それをここまで読者をのめり込ませる作品に仕立てる作者の人間描写や構成の巧さには恐れ入る。
まだ読んでいる数は少ないが、浦賀和宏という作家の凄さを改めて実感。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2つの視点で物語が進み、最終的に繋がっていく物語。
複数の謎が一つの線になっていく様は非常に美しい流れでした。
私自身はそうだったが、ミステリーをある程度呼んでいる人なら大体のトリックはピンとくる可能性もある。
最後の結末はリドル・ストーリーとしても取れる表現で最後に大きな謎と想像を与える展開にしっかり心を掴まれ、
殺人トリック、叙述トリック、リドル・ストーリーと余すところなくミステリーが初めから最後までぎっしりと詰まった一冊。
もしかすると様々なトリックに頭を持っていかれ、最後のオチに気付かない人もいるかも。
多少のエログロ要素あり。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初っ端から性行為のシーンでおおうっとなったけど何となく違和感が。それが最後のどんでん返しの伏線だとは気付かなかった。
まったく繋がりそうにない2つの物語、どうやって繋がるの?いつ繋がるの?と思いながら読んでいたから兄の名前出てきた瞬間わー!とうとう!!でもどういうことー!?って興奮した。そこからは北澤の下の名前にえー!?ってなり…主人公女性にまたえー!?ってなり…笑
主人公の名字が作者と同じっていうのもまた読者に男性だと思い込ませる材料なのね。一人称が「僕」なのはちょっとズルくない?と思うけど読み返してみると伏線はいくつか張ってあってなるほどーと納得。気持ちよく騙され、叙述トリックとしてかなり -
Posted by ブクログ
主人公は売れっ子漫画家の陣内!
唐突に婚約者の里美を交通事故で失ってしまう!?
現実の死は伏線も何も無くある日突然に訪れる。
里美を失った陣内は、自分が描く漫画のヒロイン【ハルシオン】をなんの前触れも無く殺してしまう。
二次元を愛する全国のファンが其れに対して怒りをあらわし、陣内のもとに抗議のファンレター?が殺到する。
その中に一枚の不思議な手紙が存在していた。
それは里美の死を予言したかと思われる手紙であった?
最後の展開は読めなかった・・・
それと解説で知ったのですが作者が死んでいた(しかも今年)事に驚いた。非常に残念です・・・
遺作となった作品を読んでみようと -
Posted by ブクログ
ー 社会派ミステリは、どんなものでも多かれ少なかれ、日本という国を告発するもんだ。本格ミステリも大抵の場合、警察は道化として探偵の引き立て役としか描かれない。つまり、国家権力の否定だ。だから本格ミステリからミステリを取り払ったって、ミステリに歴々と続く反権力の思想は汚されることなく保存されているということ。
だが、どんなに左翼が否定しようと、共同体の最大観念は国家だ。俺も、あんたも、人間である以前に日本人なんだ。存在とは相対的に成り立つもんだ。他人がいなければ自分もいない。外国人がいなければ日本人もいない。ロハスな左翼は、私達は日本人である以前に地球人なんです、などとほざくが、そんな寝言は宇 -
Posted by ブクログ
ー 自分がやっている差別を隠すために差別反対と唱え、要領よく生きるために、誰かを加害者に仕立てて自分は被害者面する。それが大人になるということなのだ。
だから俺は思う、俺は大人になんかならなくていい。 ー
暗殺者の4度目の襲撃も生き延び、ついに自分の不死身性に気付いた八木の復讐劇が始まった。
まずはクラスへの殴り込み。スカッとしたなぁ。
『バトル・ロワイアル』と『MONSTER』をめぐる考察が長かったなぁ。懐かしい。あの頃の流行ったな。
第二次ヘロデ作戦、IS2計画の生き残り、ベツァルエルⅡの建造、約束の地、《言葉にしてはならぬもの》、と中二病的世界観が拡大してきてるけど、続きが気にな