あらすじ
「僕が死んだ時、居合わせた人間達を僕が生まれたあの島に向かわせてください」そう遺書を残し中学生が自殺した。孤島を訪れた5人の同級生を襲う殺戮劇。死体には、全て「逆さV」の記号が残されていた。犯人は、そして生き残るのは誰? 最終ページまで気を抜くことを許さぬ、狂気の連続と逆転する真相!
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Posted by ブクログ
「分かっているでしょう?暴力のない所に、本当の言論なんて存在しないことを。テロルが頻繁に発生する国には本当の言論と文学というものがあるのよ。作家は命を懸けて小説を書いているんだから。言論の自由という言葉は、そういう国でこそ初めて光り輝くのよ。でもこの国はそうじゃない。自由で、平和で、弛緩して、言論の自由と無責任を取り違えて、言いたいことは言うけどそれには責任持ちませんという態度を貫いている。本来、言論は暴力であり凶器であるということを皆忘れてしまっている。そんな国では本当の言論も、成熟した文化も成立しない。何の危機感も、緊張感もないもの。」5作目も面白かった。ミステリというかバトロワだったけど。
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個人的に、小説は媒体が文字だけだから割と記憶としては残りにくいんだけど、この本はちがった。
時が経っても、血や嘔吐や海辺での出来事などの情景が鮮やかに思い出された。
あまりにも鮮明すぎて、この記憶を漫画だと勘違いしたくらい。
名作っていうのは、たとえ内容がどうであれ、記憶に残るものだ。
私の脳に、間違いなくこの小説は下品に傷をつけている。
Posted by ブクログ
本当にもう...最初の一文が「子供は、親の食べ物じゃないよッ」だもんな。
おそらく初めて本格的にカニバリズムが登場する浦賀作品だろう。このシリーズはどれもどこかしら壊れているのだが、これはもう完全に狂気。でもその狂気にすぐに引き込まれて一気に読み切ってしまった。
ミステリとして見ると連続猟奇殺人の真相は少しインパクトに欠けるところはあるが、逆さVの意味には驚かされた。
そして、本作は『時の鳥籠』にちらっと出てくる事件を描いており、『頭蓋骨の中の楽園』での小林の自殺の真相や、シリーズの主人公安藤直樹の名前の由来も明かされる。シリーズものとは本来こうあるべきなのかもしれないと思わされる。シリーズ全体として評価すると、なかなかこれに敵うものはないだろう。
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安藤シリーズの第5弾。自殺した織田直樹の遺言で角島を訪れた同級生5人。安藤裕子。石井。坂本幸恵。坂本真由美。そして、本作の主人公である小林英輝。そして、そこでは謎の見立てによる連続殺人が起き・・・。
本作ではこれまでと違い、シリーズの主役である安藤直樹は登場しないがその代わりに1作目から重要な存在だった安藤裕子の中学生時代の秘密が明らかになる。設定は一見、ガチガチの孤島ものの本格ミステリだがそこは浦賀小説。推理小説的要素を超越した結末が待っている。特にラストに至るまでのあるシーンはあまりに凄まじく筆舌に尽くしがたい。浦賀小説の一つの極北がここには確かにある。
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「僕が死んだ時、居合わせた人間達を僕が生まれたあの島に向かわせてください」そう遺言を残し中学生が自殺した。孤島を訪れた5人の同級生を襲う殺戮劇。死体には、全て「逆さV」の記号が残されていた。犯人は、そして生き残れるのは誰? 最終ページまで気を抜くことを許さぬ、狂気の連続と逆転する真相!
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今出ているシリーズの中で一番古い話らしい。
カニバリズムがテーマで、ちょうど「青空文庫」でジョナサン・スウィフトの『穏健な提案 アイルランドの貧家の子女たち〜(タイトル長いので略)』を読んだばかりでとてもタイムリーでした。
まあ、どちらにしても食事時はあんまり読まない方がいいかもしれないですが。(2002.6.4)
Posted by ブクログ
安藤直樹シリーズ5冊目。
シリーズ番外編の印象。
とにかくカニバリズム。
村木先生のカニバリズム論は読み流し。
「子どもは、親の食べ物じゃないよッ」
Posted by ブクログ
やはり苦手なメフィスト系(笑)。
しかも今作の表立ったテーマは流石にハードすぎる。
たまたまコレを読む前に読んでたのが古処誠二の「ルール」
なんですが似たようなテーマながらもまったくベクトルの
違うもので、こちらの方が嫌悪感を露にせざるを得ない。
ミステリーとしても個人的には誰が殺人犯でその動機や
方法など割と興味もなく、この話しがどう終わってくれるのか
だけが気になってしまって...。
やはりこの手の作品と個人的嗜好が合わないので
今後は慎重に手をだそうね、オレ。
Posted by ブクログ
殺人ものなんでサスペンスなんだけど、ある意味カニバリズムホラー。でも怖くはないけどな。そうそう、人肉は一番おいしいって良くいうもんね。佐川さんどうなの?やっぱおいしかった??人の味が気になる一冊です。