浦賀和宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
脳内でグルグルまわる安藤シリーズ、しかし螺旋階段のような、メビウスの輪ともまた違う世界軸。
『記憶の果て』『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』を読むと最新作でありノン・シリーズ作『姫君よ、殺戮の海を渡れ』に通じるものが確かに感じられる。
安藤が最後にこの事件を解く時に明かされるこの小説世界の構造は、著者である浦賀さんが時折自著で出してくるメタ構造と小説家が出てきて小説を書いているということに直結しているようにやはり感じられる。
故に今だからこそ文庫化され読むことで伝わるものがあるのだろうとは思う。これが1999年ではやはりは速すぎたのではないか。あとこの安藤シリーズ三部作を読んでいると世界観は『リング』『らせん』『ループ』シリーズを思い出す。 -
Posted by ブクログ
中盤までは群馬県の利根川のイルカを巡る青春ミステリーという感じなのだが、後半は物語の様相が一変し、驚愕の展開が待ち受けていた。
前半はこれまでの浦賀和宏とは趣きの違うソフトでスローテンポな展開に少しイヤな予感がしたが、それは杞憂に終わる。作者の意図なのか、後半からはテンポが変わり、次第に物語の展開が加速して行く。本作は浦賀和宏作品の中でもハードな部類かも知れない。そして、タイトルの『姫君よ、殺戮の海を渡れ』の意味を最後の最後に理解することになる。
妹思いの敦士は小児性糖尿病の妹・理奈が群馬県の利根川で目撃したというイルカの謎を暴くために友人と三人で現地へ向かうのだが…
600ページを超える書き下ろし作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレフリーライター・銀次郎シリーズ
<あらすじ>
銀次郎の同業者・青葉が殺された。
青葉が特ダネを追っていたことを知った銀次郎はそのネタを追う。
手がかりは青葉のカメラに写っていたボンテージの女性。
写真の場所が秋葉原近辺だと突き詰め、銀次郎は友人の
阿部に会い協力を仰ぐ。
阿部は秋葉原に詳しくアニメ好き。写真の女性が着てたのは
ボンテージではなく映画アベンジャーズのブラックウィドウの
コスプレだったと判明し、コスプレショップで聞き込みし、
銀次郎は女性の手がかりをつかむ。
調査を終了し銀次郎は阿部の家で昼食をとることに。
そこで突如、銀次郎は阿部に刺され、倒れる。。。
青葉を殺したのは阿部だった!
一体なぜ?(ここまでで全体の1/3)
<オチ>
残り2/3は銀次郎登場せず。
保守派の政治家の息子・兼人に恋をした薫の物語。
ある日、薫は青葉から兼人について聞き込みを受けた。
そのことを兼人に報告し、兼人は周辺を調査して、
青葉に情報を売ったのは兼人の友人・阿部だとわかる。
兼人は薫を連れて阿部と会い、阿部を問い詰めた。
その後、兼人は薫を誘い秋葉原でデートした。
そして2人は付き合うことに。
でも度重なるデートで薫は兼人に弄ばれるようになり、
しまいには成人映画館内で犯されたりもした。
それでも薫は幸せだった。
そんな中、遂に青葉は兼人と対峙し、兼人に写真を突きつけた。
その写真は映画館内で兼人と薫がSEXしてる隠し撮りの写真で、
『兼人が同性愛者である』
というスクープだった。
薫は実は男だったという叙述トリックで、
兼人の前の恋人が阿部で、阿部は嫉妬で青葉に兼人の情報を売った。
兼人は阿部に会うとき、阿部に自分のことを忘れさせるため、
恋人同伴のフリをするため薫を連れてきたのだった。
保守派の政治家の息子が同性愛者だという真実をマスコミに知られたくないため、そして兼人のために、阿部は青葉を殺し、銀次郎を刺したのだった。
銀次郎が刺された現場に兼人と薫がやって来て、薫が通報し、銀次郎は何とか一命を取り留めた。 -
Posted by 読むコレ
以前に読んだ作品がイマイチ自分には
合わなかったので以降...スルーして来たのですが、
何故か気になって手にした今作...。
うーむ..面白いです。
主人公は講談社ノベルスを主舞台に執筆する
ミステリ作家「浦賀」。なんだか私小説を
思わす設定ですがその更に上を行く奇妙なストーリー。
かつての恋人「亜矢子」とともに階段から落下した
浦賀と亜矢子だが、亜矢子だけが昏睡状態に陥り
数年経ても意識は戻らず。その亜矢子の兄に
呼び出された、当時、同じ夜を過ごした友人3人と
ともに地下シェルターに監禁される。
さらに同時進行で恋人に振られた女性による
交換殺人が進行。この2つの接点。そして
監禁された浦賀たちの行方...。
交互に2つのストーリーが進行し、後半に
突如として2つが交わるのですが、そこから先に
更に異様な展開が待ち受け、こちらを困惑させます。
骨格もシンプル、登場人物も極端に少ない中、
クロースアップマジックのような手際で見事に
騙されてしまいました。鮮やか。
ひとまず、ノンシリーズものから追っかけて
読みたくなってしまいました。
ただ、以前に読んだ作品「記号を喰う魔女」で
苦手意識を持ったあるシーン...は今作でも出てきましたw。