あらすじ
階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた3人の青年。3人は核シェルターに閉じ込められ、そこから出る条件は彼女を突き落としたのは誰なのか告白することだった。同時に外では完全犯罪の計画がメール交換で進行。ラストで明らかになるあまりにも異常な「切断の理由」。そして……!! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
推理するのに伏線は結構あったように思った。登場人物が苗字だけだったりフルネームだったり所々。推理しながら読んで偉そうに分かったように読み進めましたがほぼ外れ。面白かったです。先入観が邪魔した。賢くなさそうだと思ったら結構色々考えてたり。巧妙なこと考えてたり。
すらすら読めてすごく好きな作品でした。
「彼女は存在しない」も読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
大好きな浦賀先生のイチオシ作品です。
登場人物少なくて読みやすかったです。
ミステリーとしてもとても読み応えございます。
ページ数も少ない作品のため、読書初心者にもお勧めの作品ですり
浦賀先生好きなんだけど、なぜ大ヒットしないのが不思議です。
Posted by ブクログ
300ページ行かないぐらいの文章量でありながらもどんでん返しがあり、コスパ良く満足できる作品です。登場人物の少なさと物語の展開的にある程度予測できてしまう部分があると思いますが、それをも凌駕する驚きが1つあったので私自身も非常に楽しめました。
どんでん返しを知らないけど、読んでみたいという方にとって手に取りやすい小説だと感じました。おすすめです。
Posted by ブクログ
まんまと叙述トリックにハマってしまった。
漫画やアニメと違い、小説は登場人物の容姿や声を自分の想像によって作り上げる。文章の情報からヒントを得て、当てはまる人物像をキャスティングしていくような、自分がまるで監督やプロデューサーになったような手順がとても好きだ。
物語がクライマックスを迎えるにつれ、読んできた登場人物たちは一つの作品を一緒に作り上げた仲間のような気持ちになる。
そのキャストが、情景が、最後の章で一瞬にして塗り替えられていくのがとても面白かった。
あぁ、あのシーンの心情は実はこうだったのかとか、あの人がそういう態度を取ったのはそういうことだったのかとか、辻褄が合っていく感覚はとても楽しい。
特に読んでいて疑問だった性描写だが、読後はなるほどと思った。ミステリにおいてなんでだろう?と思ったことはちゃんと回収してくれるのかという安心感も感じた。
ただ、あまりキツイ性描写は読んでいて気分が悪くなるというか、得意ではないのだなという気づきを得た。
読書初心者だからこそ、こういう体験ができてよかったと思う。ミステリファンはこういったトリックはもう簡単に見破れてしまうのだろうか?
Posted by ブクログ
恋人の亜矢子が昏睡状態に陥り、その兄によって妹を突き飛ばした犯人を見つけるために友人とともに地下シェルターに監禁された浦賀と、付き合っていた男に振られてメールをしていたらとある女性に交換殺人を持ちかけられた女の二人の話が交互に展開され、「この二つの話がどう繋がるんだろう?」と思い読み進めていたが終盤で明かされる真相とどんでん返しに驚いた。この結末は確かに予想できなかった。
Posted by ブクログ
読み友さんの感想を読んで、読みたい!と思い、ようやく購入。並行して進む二つの話。一つはとある女性同士が企画する交換殺人。もう一つは妹の恨みを晴らそうとする男性の話。この2つのストーリーが、どう交わるのかが読みどころかと思いきや、それだけではありませんでした。あまりストーリーに現実感は感じませんでしたが、かるーく読める本で、すっかりと騙されました。
Posted by ブクログ
読みやすい文章は、200数ページと思えないくらいにあっという間で一気に読みました。
結末まで予測不可能なトリックでして、驚愕しましたよ。
凄く良い作品で、非常に圧巻でした。
Posted by ブクログ
叙述トリックをふんだんに使っている上でさらに叙述を重ねた渾身の作品だと思う。色々とあながあったり中心になる殺人や原因は弱いところは残念だけど、違う部分でどんでん返しがあるので面白い。人に勧められるかは別やなー。やり方がちょっと汚いって感じさせるとこがあるから読後感があまり良くなく、名作まで行かないけど素晴らしい惜しい作品というイメージ。
Posted by ブクログ
コンパクトな作品だが、相変わらず構成は抜群、リーダビリティも高く、そしてしっかり驚かせてくれる。
最後に立場が逆転し、互いに相手の夢を想う。このあたりはやはり巧い。
前例があるのかは分からないが、カニバリズムの動機にも納得。そして本書の最大の肝となるあのトリックだが、一人称「僕」は(わかっててやっているような気もするが)やはりどうしても引っかかる。伏線に関しては性行為のシーン、編集者との旅行云々の話、「亜矢子みたいな女しか好きになれない」という台詞など十分すぎるほどある。ややわかりやすくはあるものの、「浦賀」という名前のミスリードには脱帽。
本作の前に書かれた浦賀作品からすると少しシンプルでがあるが、著者の良さがよく出ている。
Posted by ブクログ
初めての作家さん。
評価に、何度この手に騙されるんだ…!て書いてあったのにすっかり忘れて読んですっかり騙された笑
まあ内容に必要なトリックではなかったかな?
でも、アヤコなんで男3人に自分1人なんてメンバーでお泊まり会?て思ってたから、そこも伏線だったかとすっきりした。
ただ最後の吉野に襲われるシーンは、なんか男に都合いいように描写されてんなと思った。
重量感はなかったけど、読みやすくてすっかり騙されたので満足度高め。
(いまノベルスの背表紙見たら、監禁された三人の青年、って書いてあった。これはミスかな?)
Posted by ブクログ
短いながらに様々なサプライズ要素があってよかった。
何かと疑い深くなってしまってるため、叙述の1つは初めからわかった。
もう1つも仕掛け自体は想像がついたが、完答にはいたらずフワッと読んでいた。
非常に面白いのだが、物語としての重厚感にはやや欠けるのかもしれない。
Posted by ブクログ
2つの視点で物語が進み、最終的に繋がっていく物語。
複数の謎が一つの線になっていく様は非常に美しい流れでした。
私自身はそうだったが、ミステリーをある程度呼んでいる人なら大体のトリックはピンとくる可能性もある。
最後の結末はリドル・ストーリーとしても取れる表現で最後に大きな謎と想像を与える展開にしっかり心を掴まれ、
殺人トリック、叙述トリック、リドル・ストーリーと余すところなくミステリーが初めから最後までぎっしりと詰まった一冊。
もしかすると様々なトリックに頭を持っていかれ、最後のオチに気付かない人もいるかも。
多少のエログロ要素あり。
Posted by ブクログ
初っ端から性行為のシーンでおおうっとなったけど何となく違和感が。それが最後のどんでん返しの伏線だとは気付かなかった。
まったく繋がりそうにない2つの物語、どうやって繋がるの?いつ繋がるの?と思いながら読んでいたから兄の名前出てきた瞬間わー!とうとう!!でもどういうことー!?って興奮した。そこからは北澤の下の名前にえー!?ってなり…主人公女性にまたえー!?ってなり…笑
主人公の名字が作者と同じっていうのもまた読者に男性だと思い込ませる材料なのね。一人称が「僕」なのはちょっとズルくない?と思うけど読み返してみると伏線はいくつか張ってあってなるほどーと納得。気持ちよく騙され、叙述トリックとしてかなり楽しめました。
Posted by ブクログ
浦賀、亜矢子、吉野、北澤の4人は友達だった。浦賀と亜矢子が階段から落ち、亜矢子が眠りの牢獄に入るまでは。
という内容で良いのかな。
些細な違和感を感じたところで、この小説の最大のネタバレがわかってしまった。だが、この小説内でも言われている通り、ネタがわかってしまっても内容さえ良ければ、良い作品となる。
浦賀も亜矢子も、ちゃんと幸せになれたらいいなと思う。化け物だと。それなら、吉野の方がよっぽど化け物だよ。
一番可哀想なのは亜矢子と兄か。
叙述トリック素晴らしかった!
Posted by 読むコレ
以前に読んだ作品がイマイチ自分には
合わなかったので以降...スルーして来たのですが、
何故か気になって手にした今作...。
うーむ..面白いです。
主人公は講談社ノベルスを主舞台に執筆する
ミステリ作家「浦賀」。なんだか私小説を
思わす設定ですがその更に上を行く奇妙なストーリー。
かつての恋人「亜矢子」とともに階段から落下した
浦賀と亜矢子だが、亜矢子だけが昏睡状態に陥り
数年経ても意識は戻らず。その亜矢子の兄に
呼び出された、当時、同じ夜を過ごした友人3人と
ともに地下シェルターに監禁される。
さらに同時進行で恋人に振られた女性による
交換殺人が進行。この2つの接点。そして
監禁された浦賀たちの行方...。
交互に2つのストーリーが進行し、後半に
突如として2つが交わるのですが、そこから先に
更に異様な展開が待ち受け、こちらを困惑させます。
骨格もシンプル、登場人物も極端に少ない中、
クロースアップマジックのような手際で見事に
騙されてしまいました。鮮やか。
ひとまず、ノンシリーズものから追っかけて
読みたくなってしまいました。
ただ、以前に読んだ作品「記号を喰う魔女」で
苦手意識を持ったあるシーン...は今作でも出てきましたw。
Posted by ブクログ
トリックは衝撃的というほどではないけど、しっかり騙されました~
構成や伏線など、よくできた小説だと思います。
結末は、この後を想像すると…個人的にはかなり切ない。
短めで、文章も読みやすく、一気読み。満足です。
※多少、グロい描写・刺激的な描写あります。
Posted by ブクログ
シェルター監禁と交換殺人の2軸で進んでいく展開にどこで交わるんだろうとドキドキしながら読んでいました。この小説の凄いところはページ数の少なさの中にたくさんの伏線が張られそれを回収し、ミステリー小説としても内容がしっかりしているところです。最後まで読んでしっかり騙されてしまったので著者のマジックに見事に引っかかったのがなんとも爽快でした。
Posted by ブクログ
どんでん返しは全て引っかかった。
しかしどんでん返ししすぎな気もする。
最初のいくつかだけで十分満足だったのに、
最後の方は返しすぎてごちゃごちゃだった。
ページ数少なくて1日で読み終わるのは素晴らしい。
サクサク読める小説好きだわぁ
Posted by ブクログ
重い読後感…!
主人公の浦賀が眠り続ける亜矢子の為だけに書いた小説。という設定の小説なのでなんとなく純文よりの話なのかな〜と思って読んだらエロありグロありのロジックゴリゴリミステリーでした。亜矢子が読んで卒倒しないか心配だよ……
結構好き嫌い分かれそうな作品かも。
でも伏線をかなりはっきり分かるよう書いてたり、無慈悲に思えるお話の中にも救いを残してたり、すごくフェアで真面目に読者と向き合ってる作家さんだなあと思う。
もう一作、浦賀さんで読みたい本あるのでそっちも読んだら更に印象変わるのかな〜楽しみ。
Posted by ブクログ
視点がコロコロ変わって場面が切り替わるので、飽きずにすいすいと読める。
伏線に関してはミステリにしては性描写がやたら細かいなと思いながら読んでたらこれ女性同士の行為だよねって気づいたので、これ伏線だったのかと、スゴイなと思いました。
ただラストの浦賀が吉野に襲われるシーンが苦手だった。男性が書いたんだろうなーと冷めてしまった。
Posted by ブクログ
「どんな夢を見ているの。」
地下シェルターに閉じ込められた3人。 外に出るためには5年前の転落事故の真相を告げよ。
外部で進行する交換殺人の本当の狙いは、そしてこの作中作「かつていたところ」という物語の正体とは。
体験せよ浦賀トリックの帯に釣られ牢獄に迷い込みました。 物語は浦賀とその恋人である亜矢子が階段から突き落とされる所から始まります。 5年間眠りの牢獄から抜け出せない亜矢子、そして1日で目覚めた浦賀、やがて事件の真相を求める亜矢子の兄の手によって事件関係者の3人が地下シェルターに閉じ込められてしまう。 3人は途方に暮れながらも事件を振り返るのだが・・・。
一方、別視点では冴子という女がネットを通じた交換殺人のやり取りを持ちかけられる。 自身の元恋人・博の殺害の代わりにある人物の殺人を依頼されるのだが・・・。
この全く視点の異なる二つの物語が「かついていたところ」という亜矢子のために書かれた小説なのだという。 250頁の中に詰め込められたいくつもの技巧。 欲張りセットなパズル小説だった。
本作の美しい点はやはりラストの亜矢子が手渡された小説の件である。
眠っている亜矢子の下に行くためのに屋上から身を投げた浦賀。 「かつていたところ」は自身に起きた事を亜矢子の為に託す生涯最後のミステリ。 足の筋肉がかなり退化してることを考えるとやはり亜矢子は長期間眠っていて起きた時には事が全部終わっていたという解釈。
あるいは眠りの牢獄にいたのは浦賀の方で看護師から渡されたのは「電脳戯話」だったのではないかという解釈。 つまり「かつていたところ」が浦賀の見ている夢ということだ。 ミステリ的な夢を見ると本人が述べているし、ラストの「どんな夢を見ているの?」にも繋がる解釈である。
作者自身、看護師が述べたタイトルをわざとぼかしているので各々好きな解釈を取ればいいと思います。
Posted by ブクログ
どんでん返しというか、えぇー!?という感じ。
内容は面白かった。
ある描写が生々しくて嫌がる人もいそうだけど、そこも伏線のひとつだったんだなと関心した。
好き嫌いが別れそうな作品
Posted by ブクログ
フーダニット・ハウダニット・ホワイダニット全てにおいて早い段階で分かる。
それが悪いわけではないと思うし、面白くないという事もない。
分かった後の魅せ方が微妙で、唐突なグロとエロは本当に必要だったのかな?と思ってしまった。
Posted by ブクログ
ハサミ男とおなじ衝撃を受けた。面白かったポイントは2つある。
1つめは、浦賀が女というトリックに騙されたこと。
一人称が僕、冒頭の亜矢子とのイチイチャ、これだけの要素で浦賀は男だと思っていた。考えてみれば、浦賀が男だと明言されてなかったのに。先入観の裏をかかれたどんでん返しに衝撃を受けた。
今思えば違和感あったシーンは2つあったな。第一に、浦賀が吉野の路上ライブに行ってファンの子が不満そうな顔で去る所。何で不満そうにするんだろ?と思ったけど、浦賀が女だったら吉野の彼女だと勘違いしたんだろうな。第二に、浦賀と亜矢子が行為中。前戯たっぷり(足の指全部舐めるなど)したのに、なぜ本番しないか疑問だった。でも浦賀が女なら納得。だって女には入れるアレがないもんね。これにはヤられた。
2つめは、吉野と北澤のキャラが濃くて面白いこと。
吉野が気持ち悪かった。北澤の血をすすって人肉くうとか正気の沙汰じゃない。いくら保身のためとはいえ、「証拠隠滅のために死体食ったろ!」って、どんな神経してんだ...。吉野が浦賀を犯してるときの、腰を一定のリズムで犯してるのもコワイ。
吉野が浦賀のことを「変態」「特殊な性癖」「お前の病気を治してやる」と表現してるのは偏見だなと思った。きっと彼は同性愛に対して激しい嫌悪感を抱いてたのに違いない。俺だったら相手がレズと知った時点で非難もせず手を引くね。
北澤は俺と似てたので感情移入できた。俺も束縛されるの大嫌いだし、飽きたらすぐに女を捨てるし、その場限りの関係多め。
冴子が束縛女でうざかった。あの束縛具合じゃ嫌気がさす北澤に同情。別れて正解だったと思う。さすがに彼女の親友に手を出したのは解せぬがね。冴子が掲示板に書き込むときと、北澤本人にメールしてる時の温度差のギャップが怖かった。束縛女と別れる時は穏便にしなきゃアカンでしょ。
俺も今までワンナイトした女に悪口書き込まれてると思うと身震い。もしかしたら殺したいほど憎まれてるかもしれない。冴子のような女に捕まらないよう用心せねば...。