浦賀和宏のレビュー一覧
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ネタバレ『彼女の血が溶けてゆく』でも主役だったフリーライター・銀次郎の物語。
<あらすじ>
銀次郎の母親が殺された。
犯人の名は渡部常久。銀次郎の高校の同級生だった。
しかも渡部は犯行後すぐ飛び降り自殺した。
渡部が母親を殺した動機も判らぬまま迎えた葬儀の日、
渡部の姉・嘉奈子が、渡部の遺書を持って現れる。
その遺書には犯行の動機のほかに、銀次郎が失職するほどの内容が
書かれていたから売ってやる、と銀次郎を恐喝してきたのだ。
しかし全く見に憶えのない銀次郎はそれを断る。
すると後日、その遺書がネットに流出。嘉奈子が別のフリーライターに売ったのだ。
遺書の内容は、
高校の時、銀次郎が同級生の赤 -
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「義務だったり、不自由だったり、人間はそういう諸々の制約の中で生きている。食うために働くのも、勿論それが生き甲斐になっている人もいるだろうけど、大多数の人間は仕方がないからやってるんだ。働かなくとも生きていける。金が空から降ってくる。そういう人生を選択出来るとしたら、多くの人間は諸手を挙げて喜ぶに違いない。でも、それで人間は一つ不自由を失う。俺達は、毎日買い物をして過ごしている。別に派手に遊んで暮らしている訳じゃないけど、金を稼ぐ生活費ではなく、金を使う生活であることは確かだ。そんな俺達はーどうして一緒にいるんだろう?」今回も面白かった。それにしても、これは全体の中のどこに位置付けされているの
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「分かっているでしょう?暴力のない所に、本当の言論なんて存在しないことを。テロルが頻繁に発生する国には本当の言論と文学というものがあるのよ。作家は命を懸けて小説を書いているんだから。言論の自由という言葉は、そういう国でこそ初めて光り輝くのよ。でもこの国はそうじゃない。自由で、平和で、弛緩して、言論の自由と無責任を取り違えて、言いたいことは言うけどそれには責任持ちませんという態度を貫いている。本来、言論は暴力であり凶器であるということを皆忘れてしまっている。そんな国では本当の言論も、成熟した文化も成立しない。何の危機感も、緊張感もないもの。」5作目も面白かった。ミステリというかバトロワだったけど
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前作「萩原重化学工業連続殺人事件」のシリーズ第2弾。
ミステリーではなくサスペンス?
謎の父からの莫大な仕送りで母と生活してる心臓手術を行った男A。
若くして執筆した小説が売れて、小説家を目指すが2作目以降一切売れず、自分の方向性を見失いつつある男B。
共に人間関係に歪みを持ったAB2人の視点で物語が展開する。
Aは記憶喪失の女性と出会い、Bは小説のファンである女性と出会う。
Aは母を殺した犯人を追いながら、手術をした病院と両親の謎に迫り、Bは今までの恨みを、ある人物の暗殺に向ける。
そしてAとBの物語が交錯する。
病院と萩原重化学工業の関係があり、「安藤直樹」シリーズとも関係が?
次回作 -
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浦賀和宏さんの作品にはまったのは、デビュー作【記憶の果て】から。
最初の一文に酷く衝撃を受けてはまった。
あの出だしは、今でも忘れはしない。
この作品は、『松浦純菜シリーズ』最終巻。
飛び飛びに読んできたから、正直???な箇所もあったけど、
読んでよかったと思う。
最後の、剛の秘密に大きなショックを受けた。
顔が尋常じゃない醜さであるという描写はシリーズ一作目から描かれているし、
ストーリー展開においてもそれなりの重要さを占めてはいるが、
その詳細について語られてはいなかった。
最後の最後、顔の秘密を知って、あまりの衝撃に鳥肌が立った。
わざわざ云う事じゃないと剛は考えていたのか。
そ