あらすじ
治安が悪く、地獄のような街で地べたを這いずって暮らしていると考えていた俺は間違っていた。出会ったら命がないと言われる、伝説の殺人鬼・奈良邦彦。本当の地獄は、あいつとの出会いから始まった。彼女を、そして両親を殺された俺は、それからも執拗に奈良に狙われ続け……。41歳の若さで急逝した天才作家・浦賀和宏氏最大の問題作、最期の挑発&最後の小説。
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Posted by ブクログ
神奈川県川崎市を舞台に繰り広げられるサスペンスホラー小説、浦賀和宏氏の遺作です。
川崎は仕事の関係で縁があり、凄まじい書名ですが手に取りました。
川崎市川崎区が他区と比べて極めて治安の悪い底辺の地域として描かれ、実際の川崎区民は読んでどう感じるのだろうかと少々不安になる内容です。
川崎市幸区の一家殺人事件の容疑者でありブギーマン伝説のような殺人鬼“奈良邦彦”が、川崎区に再び現れるところから物語が始まります。
激し過ぎる描写が多いために現実味が薄いのですが、それは読み進めると感じてくる違和感に通じるものでした。
著者による壮大なカラクリが用意されているのです。
地名が多く出てくるので住民か否かで感じ方が異なると思いますが、後者である私でも楽しめる作品でした。
Posted by ブクログ
浦賀和宏『殺人都市川崎』ハルキ文庫 。
41歳という若さで急逝した浦賀和宏の最後の小説。果たして『殺人都市川崎』という奇妙なタイトルの小説は最後にどんな世界を見せてくれるのか。
実在する川崎市を日常的に暴力や盗難、殺人が蔓延する治安の悪い架空の街として描き、作中には驚くほど過激な描写が多く見られる。意外に単純なストーリーと思われたが、終盤に思いも寄らぬ疾風怒濤驚愕の展開が待ち受け、読み手は『殺人都市川崎』という奇妙なタイトルの真意を知ることになる。
後藤一家を惨殺し、その後行方不明になっていた伝説の殺人鬼・奈良邦彦が魔都・川崎市に戻って来た。川崎市に暮らし続ける主人公の赤星は彼女と両親を奈良邦彦に惨殺された挙げ句に執拗に命を狙われることになる。殺人鬼・奈良邦彦が現れる度に血の雨が降り、多くの人びとが犠牲になる。
容赦のない殺人鬼に追い掛け回されるスリルと目前で多くの人びとがあっさりと斬殺される恐怖……
浦賀和宏は『記憶の果て』以来、ずっと読み続けて来た作家で、安藤直樹シリーズ、桑原銀次郎シリーズなど後味の悪い奇妙な独特の雰囲気を持つ作品に魅了された。もう二度と浦賀和宏の新作を読めないとなると非常に残念で堪らない。
本体価格640円
★★★★★
Posted by ブクログ
川崎が地獄のスラムのように書かれていて、武蔵小杉への憧れあたりくすくす笑ってしまった。
あまりにシュールな設定、やりたい放題感がすごくてこれが遺作だと知ってさすが浦賀和宏だなと感服。
Posted by ブクログ
川崎市に生きる全市民に読んでほしい一冊。
B級ホラーっぽさと川崎への自虐がたまらなく楽しい。
「Vフォー・ヴェンデッタ」みたいな感じに映像化してほしい。
そして浦賀さん、亡くなっていたのですね。最後の一作まで楽しませてくれてありがとうございました。
Posted by ブクログ
初っ端から武蔵小杉への憎悪や羨ましさが表現されてて笑った。チネチッタやウェアハウスも出てくるから行ったことある人は楽しめる。
終盤は想定外。賛否分かれそう。自分はこれも好き。
Posted by ブクログ
川崎での一家惨殺事件に絡むお話でした
川崎にいる男子と武蔵小杉へ越した女子の視点でのストーリー展開
終盤、ん?あれ?
ってなるところから徐々に真相があきらかになる流れ
まぁでもなんか設定が・・・って部分もあるような気がしてますがおそらくは回収はできてるんだろうなとは思います
でも納得いかない部分もありました
これのシリーズ化の構想もあったみたいですが実現できずとても残念です。それ以前にこの著者の新作がもう読めないと思うとそれが残念です
Posted by ブクログ
途中まで面白く読めましたけれども、ラストがなぁ…まあ、浦賀作品はいつもラストが微妙なんですよね! 腑に落ちた、という感じにはならなくていつもお茶を濁されている感じがして…まあ、中途までは面白く読めたし、イイかな…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
これが遺作となるわけですか…すごいタイトルだなぁ、と店頭で見かけた時には思いましたね。川崎は僕の住んでいるところから比較的近いんですけれども、そういえばあまり訪れることなく今日までやってきましたね。この本を読んで川崎と言う街に興味が沸いてきました! けれども、この小説にもあるように、実際悪いイメージ通りというわけでもなく、訪れてみれば普通の街なんでしょうけれど…どうにも日本には前評判やら、先入観、イメージが先行するような、そんな雰囲気がありますね! ちゃんと実物を見て判断しないと…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、浦賀さんの作品で好きだと思ったのは初期の安藤直樹シリーズと松浦純菜シリーズくらいですかね…松浦~はまだ文庫化されていないってか、もう文庫化の予定はないのか!?って感じですけれども、久々に著者の本を読んでみたら、不思議と過去に読んだシリーズとか再読したくなってきましたねぇ…さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
初読み作家の浦賀和宏さん。
浦賀さんの遺作となってしまった作品。
川崎を舞台にしていて、思わず読んでしまいました。
物語は、2つの視点で描かれ、最後は驚きの展開でした。
殺人の描写は、かなりグロいけど…
面白かったꉂꉂ
川崎ってこんなイメージなの?と思った作品でもあった!
Posted by ブクログ
川崎どんな街なんだよ!?ってくらいのディスりにディスったミステリ。
川崎の伝説の殺人鬼奈良邦彦に追い回される赤星&美咲と、殺人事件を追う愛&拓治。いつまでたってもこの2組すれ違わないなぁと思ってたけど、最後の結末があまりにも衝撃すぎて、ちょっと理解が追いついてない…。
Posted by ブクログ
川崎市民です。駅のどの本屋でもルポ川崎(帯にでかでかと「ここは地獄か」と書かれてます)と一緒に平積みされて煽られてます笑。本書でのチネチッタの言われようや武蔵小杉の別世界感は最高でした。
十数年ぶりに浦賀さんの作品読みましたが、やはり作風も変わったのか、細かい内容はうーん、、
Posted by ブクログ
うわっ!すごいラストで衝撃大!
いや、タイトルもインパクト大!
治安が悪い川崎で暮らす赤星はある日、目の前で彼女を殺される。最後に彼女から聞いたのは、伝説となった川崎の殺人鬼・奈良邦彦の話。実は学校の先生がその殺人鬼から逃れた一人だという。その後、赤星は奈良につきまとわれ何度も殺されそうに…。果たして奈良の正体は?そしてその理由とは?
いや~人がバタバタ殺されていく様子にちょっと笑った。なんだろう、このジェイソンぽい感じ。
で、ラストが…ええ!?
なかなかな衝撃を受けた1冊
Posted by ブクログ
描写や会話文の日本語が理解し辛く、話が入ってこないので読み進めるのが難しかった。最後に「なんだそれ!?」という説明があり、その情報を元に再読すると、読み難い前半も少し解けるという次第。
川崎の本屋で購入。店員のPOPにもあったが、ここまでディスられているとは。武蔵小杉や鴨居も登場。
Posted by ブクログ
「川崎区は治安が悪い」「武蔵小杉はセレブの町」みたいな噂(先入観?)を現実化したような設定。実際はそんなことない(と思う)けど、そんな風評を壮大に誇張したようなセリフやスプラッター映画みたいな場面が展開されます。
最初は登場人物たちが本気で川崎をディスる様が可笑しく映り、ちょっぴり笑いさえこみあげてきましたが、後藤家殺人事件の真相や、美咲と奈良邦彦の関係など謎めいた点が浮上してくるあたりからそれらの真相が気になってきました。
最終的なオチ(Z国とか、仮想都市川崎(笑)とか)は、個人的には斜め下感のある内容で拍子抜けしてしまいました。けれど、赤星編と愛編の“ズレ”には驚かされましたし、結末に至るまではかなり引き付けられるように読んでました。
これが作者の遺作というのが残念でなりません。
Posted by ブクログ
"叙述トリック"でも"どんでん返し"でも表現しきれないぶっ飛び感。ご当地小説としてもエンタメ度相当高くて笑える。川崎市民は読みましょう。
あまりにも早い死。御冥福をお祈りします。
Posted by ブクログ
川崎市在住なので、タイトルと帯に釣られて買って、その日のうちに読み終えました。
パラレルで進む叙述の、随所に散りばめられた違和感から、基本トリックが分かりそうで分からず、最後に、「そう来ましたか。。」で、今から気持ちよく寝ます。