あらすじ
人気のない池で10歳の少年の溺死体が発見された。10年後、犯行を疑われた幼馴染み3人組の前に謎の男が現れ自白を迫った。男の登場によって彼らの日常は狂い始める。事件に隠された驚天動地の真実とは?
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いまだに信じられない
生前の浦賀和宏作品を知っている人ならこう思うだろう
「追悼 浦賀和宏」さえも浦賀和宏いつもの悪仕掛けだなと
それにしても本を開くと、これまでの作品以上に念の入った、リアリティのある導入。
浦賀和弘は本書上梓後死んだという母親による前書き。物語の内容は置いておくが、後書きもただの後書きではなく仕掛けがある。
そんな、なんと呼んだらいいのか見当もつかない仕掛けをのこして、浦賀和宏は作品の通りに上梓後死んだという。
まだ40代くらいのはずだ。
偶然死んだというのか。
自分が作中で死ぬ本を書いて、「皆様ご存知の通り浦賀和宏はこの本を上梓して間も無く他界しました」と母親が語る。それが偶然だというのか。
こんなミステリー作家がかつていたのか。
信じられない。
俺にはその死は、心のどこかで浦賀和宏が仕掛けた最大の悪仕掛けのような気がしている。浦賀和宏なら、やりかねない。死去の報道やニュースを巻き込んだトリック。浦賀和宏なら、不思議じゃない。
そんな作家の、そんな作品だ。
Posted by ブクログ
公園の池で発見された少年の溺死体。悪童3人組によるイジメの結果と疑われるが影の薄い少年の事件は未解決のまま時が過ぎた。それから10年後、少年の幼なじみを名乗る男が3人の前に現れる。事件の真相を暴こうとする者と隠そうとする者の攻防、三角形の悲劇の始まり。
冒頭で度肝を抜かれる。この「デルタの悲劇」は作家・浦賀和宏の遺作であり、不慮の事故で命を落とした息子の代わりに母親が上梓したのだという。無論この作品の発表段階では現実の浦賀氏はご存命であるから、この作品は浦賀氏が生前に自身を故人として扱い遺作という形をとったフィクションの物語である。この作品から2年後に本当に亡くなってしまうのだから何とも不思議な感覚である。
そのようなわけでこの作品は浦賀氏が悪童3人を追い、真実の究明のために残したデルタの悲劇という作中作品である。トリックてんこもり、超絶技巧、最後の一行を作者とともに忘れることはないだろう。
Posted by ブクログ
これが生前最後の刊行作品だったのか……と思うとなんだか微妙な心地になります。殺されちゃってるんだ、浦賀さん!
殺されたミステリ作家が遺した、事実に基づく作品「デルタの悲劇」。小学生時代に悪童三人が関わったいじめと死亡事故。事故として処理されたことに安心し鳴りを潜めていた三人に、十年の時を経て迫る追及の手。自分の生活を壊される怯えと、過去の罪の意識に苦しむ三人。彼らの運命はどうなるのか、そして彼らに迫る八木の目的はいったい何なのか。さらに過去の事件の真実もまた明かされることになるのか、サスペンス感溢れる読み心地で手が止まりません。
読み終えて……見事にしてやられたなあ、としか。とある目論見については見破ったと思ったのだけれど、仕掛けられていたのはそれだけじゃなかったのか! これには舌を巻くばかり。最後の最後まで気が抜けません。あと、解説を書いてるのがあの人だってところにはにやりとしてしまいました。
Posted by ブクログ
200ページ弱なので読みやすい。
終盤は怒涛の展開。よくもまあここまで詰め込んだなと感心してしまいました。
最後の解説からの手紙で、丁寧にこういう事でしたと分かりやすく説明してくれるので、読後感はスッキリ。
著者はもう亡くなられているのか。残念。
デビュー作は当時読んだ記憶あるなあ。他の作品も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
複雑すぎて、頭の中が?でいっぱいになった。
叙述トリックてんこもり。
著者が殺されたり、何が何だかという感じだけど、見事に騙された!
Posted by ブクログ
10歳の頃にクラスメイトをいじめていた3人組のところに10年後現れた八木。斎木、丹治、緒川はどう対処していくのか、そしてクラスメイトを殺したのは誰なのか。
途中で???となって、最後の「解説」で理解!思わず二度読みしてしまった。うまくできてる…。
Posted by ブクログ
2回は読む必要がある作品です。
最後まで読んでから改めて読み返すと、改めて楽しめる小説だと思います。ただし初めてこの作家の作品を読まれる方は別の小説をおすすめします。他の小説の登場人物も顔を出すためです。
Posted by ブクログ
面白かった。途中から、ん?ってなりながら最後まで読んで、また気になったところに戻って読み直しました。初めて読んだ浦賀さんの作品だったんてすが、亡くなったんですね。残念です。他の作品も読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
本の中で、もう一作の作品が発表される。それが
著者と同じ名前の作家の遺作である設定が、本当にこの作家さんが、亡くなっている事実と混同して私はもう一度読み返さないと理解できなかった。あれっと思うところが何カ所かあり、それがポイントだった。入れ子を考えられる作家さんって混乱しないのかな…
Posted by ブクログ
初っ端から浦賀和宏(本名 八木剛)が命を落としたという所から始まる。実際に急逝されており、帯にも追悼と書いてあるので読み始めから頭が混乱する(汗
200ページくらいの短めだが、私の好きな作中作、どんでん返しを惜しげもなくぶち込こんだトリッキーな作品!
ホントに本名八木剛なのも涙を誘う(泣
Posted by ブクログ
特にこれといった感想は思い浮かびませんねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
いわゆる叙述トリック? なのでしょうけれどもねぇ…うーん…
まあ、自分も川崎出身でして(!)、著者も川崎出身? でしてまあ、そんな感じで親近感を覚えれたのは収穫でしょうなぁ…(!) 多分…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
しかしまあ、浦賀さんもアレですね、「記憶の果て」の頃とは違い、晩年には大分本格的な? ミステリを書こうとしていたきらいあったんですねぇ…などと一ファンの自分は言ってみます…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
少年の溺死体が発見されて10年後、その少年を虐めていた幼馴染3人組の元へ謎の男が現れ自白を迫る話。めっちゃ上手、鈍いから違和感あってもスルーしてたけど、なるほどと膝を打つ上手い。そしてそれで終わらない強さ。読み返すのがめちゃくちゃ楽しい。
Posted by ブクログ
作者が登場人物として出てきたときはびっくりして声出た、短くて読みやすい!
そしてこれはフィクションなのかノンフィクションなのか最後までずっと考えながら読む
Posted by ブクログ
著者が書いた小説の前後に母親の手紙と解説(いずれも著者の手によるもの)があり、それすべてで一つの作品
子供時代の事故で片付いた人死が殺人だとする小説内の著者が関係者を回り追い詰める?
序盤から何か違和感を覚えながら読んでいましたけど、解説とエピローグがないと私には理解できませんでした
それを踏まえてもう一度読めばなお理解が深まるとは思います
著者得意のトリックでもうおなかいっぱいです
Posted by ブクログ
小学4年生の時にイジメられていた少年が池で溺死する事件が起きた。
警察は事故で片付けたが、その死に思い当たる人物がいた。悪童3人だ。
その後、何事もなく時は過ぎたが
20歳を迎えた成人式の日、溺死した少年の死の真相を調べる男が訪ねてくる…。
これフィクションだよね?と思ってしまう作品。
私は『叙述トリック』にはめっぽう弱いらしく(笑)
読んでるうちに『????』と訳わからなくなりました。
お母さまの手紙から始まり、お母さまの手紙で終わる。
そんな構成も好きだな〜。
評価があまり高くないのは…
あまりにもトリックが巧妙過ぎちゃって〜
頭がついていけなかったからですね(笑)
これは再読したいと思う逸品。
また浦賀和宏さんの作品は読んでみたいです。
そして、浦賀和宏さんのご冥福をお祈りいたします。