三津田信三のレビュー一覧
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ネタバレ――扉を閉ざした。
という一文から始まる、クローズド・サークルで次々と首つり死体が見つかる連続殺人事件。
この作品はクローズド・サークルの場所が一番の特徴で、なんと核シェルターの中である。
シェルターを見学に来た作家三津田信三が、核爆発か何かが起きたためにシェルターに入るところから物語が始まる。
なお、シェルターに入る原因となった謎の閃光や、警戒音を出す線量計の原因は最後まで明かされない。そのため、実際に核戦争が起きたのかは作品中ではわからない。
しかし、外気の高濃度の放射線を計量しているのは事実なので、主人公と閉じ込められたメンバーは誰一人積極的に外に出ようとはしないため、クローズ -
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死相学探偵シリーズ第2弾。
前半は主人公の登場なしで大学生たちが四角い部屋の角から角へ暗闇の中でバトン方式で移動していくという一種の儀式を行う様子がメインの話。
その儀式で死んだ人を呼び出してしまったかのような現象が起こり、参加していた一人がショック死してしまう。
その後 部長も事故により死んでしまう。
部員が主人公の探偵 弦矢俊一に相談しこの一連の事件を解決し本来死んでしまうはずだった人達を救う。
かなりホラーな物語だが、最後は筋道の通った解決となる。
それでも怪奇現象としか思えない事象が残るという、理屈だけでは説明の出来ないところも残した。 -
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主人公が小学男子で広い年齢層が読めるような平易な文章だと思う。
深い嫌な感じを出さないままにラストに向かうけれど結果はかなり恐ろしかった。
特にまさかと思いながら読んだ最後の一行で絶望の淵に落とされる感じ。
やはりベースになっているのは土地とそこに宿るものというのはいつもの三津田作品の流れだけれど割と読みやすく書かれているのでうっかりしてしまった。
日本の神様はキリスト教とは違ってアニミズム的なものだと思う。だからこういうホラーを自然に受け入れられるっていうか、DNAにそういうのが組み込まれているのかな。
原始的とか迷信とも言えるけれど、それは自然の -
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修学旅行の夜は、恋愛の話をする部屋と怖い話をする部屋があった。どちらの部屋のほうが人数が多かったのかは定かではないが、わたしは怪談部屋のほうに参加した記憶がある。
世の中の大抵の人は怪談好きだから、わたしの頭の中にある『話に詰まったときの話題収納タンス』には、上から2番目くらいに【怖い話】というラベルが貼られた抽斗があり、中にはほどよく脚色されたいくつかの体験談が保管されている。
夜中に目が覚めて思い出して怖くなったり、お風呂で髪を洗っているときにぞっとしたり、ふと鏡を見たとき肩越しに何か映っていたらどうしようと怯えたり、絶対に後悔すると分かっていながらも怖い話に惹かれていく。
それは辛いも