三津田信三のレビュー一覧

  • のぞきめ

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    山村、村八分にされた旧家、土着信仰、おかしな葬送儀礼…という、ジャパネスク・ホラーのスターターキットみたいな作品
    そういった類に触れたい人にはうってつけ

    最後の段「妄想」パートで怪異についてつまびらかにした上で、それが本当であるという確証はどこにもない
    それゆえに、怪異は「怖い何か」として読者の心中にも生き続ける

    作中におけるすべての現象を解説しないのも、説明がつかない事象の上に怪異というものは成り立っているから、と個人的には考えられる
    決して「説明不足」ではなく、そこにホラーとしての美しさがあるのかもしれない

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    2021年07月29日
  • 碆霊の如き祀るもの

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    断崖に閉ざされた海辺の村に江戸時代をはじまりに4つの怪談が伝えられている。その怪談をなぞるように次々と起こる不可解な連続殺人事件。民俗学の調査に訪れた刀城言耶がたどり着いた事件の真相はーー

    怪談の雰囲気作りはとても好み。解決篇では二転三転しながら事件を検討しつつたどり着いた真相が、二転三転に振り回され過ぎていて「んん…?」と振り落とされそうに…。ラストのアレは大好きな展開でした。

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    2021年07月27日
  • 碆霊の如き祀るもの

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    最初の4つの怪異はとても面白く読めて、事件も楽しみだ!とおもったけどそっちの方はちょっと肩透かしだったかもしれない。
    今回の事件の真相がどうしても、えっそれって無理がない?とかなんか解き方甘くない?本当に真相はそれなの?とか説得力が弱い気がしてモヤっとしたまま終わってしまった。
    事件がおきるまでも長かったし殺人が起きてからも盛り上がるポイントはあまりなかったように思う。
    怪異の話は面白いし、シメ方もあれはあれでありだとおもうしゾッとして良かったと思うけど、どうしても事件がなぁ…と…。

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    2021年07月17日
  • 作者不詳 ミステリ作家の読む本 (下)

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    一つ一つの章のミステリーは面白いが、逃げるシーンが冗長に感じた。

    オチも個人的にはスッキリしなかった。

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    2021年07月08日
  • シェルター 終末の殺人

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    ネタバレ

    ――扉を閉ざした。
     という一文から始まる、クローズド・サークルで次々と首つり死体が見つかる連続殺人事件。
     この作品はクローズド・サークルの場所が一番の特徴で、なんと核シェルターの中である。
     シェルターを見学に来た作家三津田信三が、核爆発か何かが起きたためにシェルターに入るところから物語が始まる。
     なお、シェルターに入る原因となった謎の閃光や、警戒音を出す線量計の原因は最後まで明かされない。そのため、実際に核戦争が起きたのかは作品中ではわからない。
     しかし、外気の高濃度の放射線を計量しているのは事実なので、主人公と閉じ込められたメンバーは誰一人積極的に外に出ようとはしないため、クローズ

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    2021年07月04日
  • 四隅の魔 死相学探偵2

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    死相学探偵シリーズ第2弾。

    前半は主人公の登場なしで大学生たちが四角い部屋の角から角へ暗闇の中でバトン方式で移動していくという一種の儀式を行う様子がメインの話。

    その儀式で死んだ人を呼び出してしまったかのような現象が起こり、参加していた一人がショック死してしまう。
    その後 部長も事故により死んでしまう。

    部員が主人公の探偵 弦矢俊一に相談しこの一連の事件を解決し本来死んでしまうはずだった人達を救う。



    かなりホラーな物語だが、最後は筋道の通った解決となる。
    それでも怪奇現象としか思えない事象が残るという、理屈だけでは説明の出来ないところも残した。

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    2021年06月25日
  • 十三の呪 死相学探偵1

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    死相学探偵シリーズ 第一弾 長編。

    一般的にはホラー小説だと思うが、ちゃんとした推理小説だと思う。
    設定が霊だとか、呪いだとかで普通の推理小説のように犯人を見つけるだけではなく、また伝承に見立て人間が罪を犯すというのでもなく、起こっている現象が何なのか また誰が何がそれを引き起こしているのかを探偵が暴いていく感じ。

    最後に誰が何のためにこの呪いを掛けたのかが推理され犯人を見つけるのだが、実際に手を下して人を殺めたのではないため警察に引き渡すことにはならないのが、この小説である。

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    2021年06月11日
  • 九孔の罠 死相学探偵7

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    今回の舞台となるダークマター研究所、超能力者を育てる極秘機関!いきなりSF色強目だな…
    機関の経費削減のためリストラが検討される中でのライバル排除のための呪殺、というところは妙にリアルかも。
    色々な能力者が出てきて少しワクワクした。
    実際犯人は特にひねりもなかったけれど、タイトルどおり『罠』が発動してストーリーが一気に進展。続きが気になる!

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    2021年06月07日
  • 十三の呪 死相学探偵1

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    ほんとに、みえるだけで、あとは普通に地道に調べて頭使って解決したかんじ。ホラー感はそれほどない。次も読んでみよう

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    2021年05月23日
  • のぞきめ

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    三津田さんのホラーは、現実と想像の境い目をあやふやにするストーリー仕立てになっているため意味もなく怖く感じることがあります
    それもあって、随分と積読になっていたのですが、意を決して読み進めたところ、屍相学探偵の婆ちゃんが出てきたり、ちょっとエンディングの持って行き方が飛躍しているように感じられる部分もあったりと、今回は☆3つにしました

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    2021年05月19日
  • 十三の呪 死相学探偵1

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    死相学探偵シリーズの1作目。
    幼少の頃から、人間に取り憑いた不吉な死の影が視える弦矢俊一郎。その能力で探偵事務所を構えた彼の元に最初の依頼人、紗綾香がやってきて…。

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    2021年05月09日
  • 死相学探偵最後の事件

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    ネタバレ

    シリーズ全部読み返してから読むべし。最後ということで全部詰め込まれている。一人ずつ減っていくところは、お約束。黒術師の正体も。本作自体は導入が雑すぎるし、最初の犠牲者については自業自得めいたものもあり、微妙。終わり方も予想通りだったが、書かないのね。無粋とは思うけど、後日談求む。

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    2021年04月22日
  • 碆霊の如き祀るもの

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    ネタバレ

    今回も500ページ超えで、読み応えがあった。
    連鎖殺人事件ってのは初めてのパターンや!

    最後の犢幽村の人たちが忽然と消えたのがゾクゾクとして良い!!

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    2021年04月17日
  • 凶鳥の如き忌むもの

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    多くの方が感想で書かれているように、島の地形図や建物の中がどうなっているか想像するのが難しかったけれど、何とか楽しめた(畳の下の板をはがすと岩肌、が不思議で仕方なかった…)

    衝撃的な儀式だったなぁ。
    ラストシーンはとても切なく、でも私はこの終わり方好きでした。

    1冊目よりは読みやすかったように思う。

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    2021年03月18日
  • 蛇棺葬

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    うーん、つまらなくもないが夢中にはなれなかった。
    百蛇堂の秘密とか明かされてない部分もあり、後編を読むのは楽しみ。
    ってかこれ、作家三部作?違うように思えるが、どーなんやろ?!後編読んだら解決するのかしら?

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    2021年03月13日
  • 碆霊の如き祀るもの

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    最初に4つの怪談があり、その後怪談になぞらえた殺人事件が起きるという構成。
    ページ数が多く割と飛ばし読み。主人公たちが村まで行くシーンの会話がけっこう苦痛。関西弁の助手の女の子が割と邪魔。むしろいらないまである。この子に主人公の探偵が心の中で突っ込むという場面が多々あるが、それがなければもっとスッキリ読めたと思う。さらに言えば本編よりも怪談の方がはるかに面白かった。主人公御一行全員不要説。

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    2021年02月25日
  • 禍家

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    ホラーというよりは、ミステリーにホラーの要素を足したような、ミステリー強めの印象です。
    途中で(あっ…)と何かを察してしまったので、真ん中から後半はちょっと早足になりました。
    でもやっぱりそのままでは終わるはずないんですよねー。最後よかったです。

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    2021年02月21日
  • 死相学探偵最後の事件

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    死相学探偵シリーズ最終巻。
    黒術師との最終決戦。招待状を受け取った俊一郎たち一行は拠点と覚しき孤島に乗り込む。厳重な警戒体勢の中、連続殺人事件がーー

    三津田先生の作品を他にも読んでる人はニヤリとするゲストキャラが色々出てきてサービス満載の前半と、孤島連続殺人モノミステリの中盤、そして黒術師との対決が熱い終盤と最終巻にふさわしい大盤振る舞いでした。

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    2021年02月04日
  • 凶宅

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    主人公が小学男子で広い年齢層が読めるような平易な文章だと思う。

    深い嫌な感じを出さないままにラストに向かうけれど結果はかなり恐ろしかった。
    特にまさかと思いながら読んだ最後の一行で絶望の淵に落とされる感じ。

    やはりベースになっているのは土地とそこに宿るものというのはいつもの三津田作品の流れだけれど割と読みやすく書かれているのでうっかりしてしまった。

    日本の神様はキリスト教とは違ってアニミズム的なものだと思う。だからこういうホラーを自然に受け入れられるっていうか、DNAにそういうのが組み込まれているのかな。
    原始的とか迷信とも言えるけれど、それは自然の

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    2021年01月12日
  • 誰かの家

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    修学旅行の夜は、恋愛の話をする部屋と怖い話をする部屋があった。どちらの部屋のほうが人数が多かったのかは定かではないが、わたしは怪談部屋のほうに参加した記憶がある。
    世の中の大抵の人は怪談好きだから、わたしの頭の中にある『話に詰まったときの話題収納タンス』には、上から2番目くらいに【怖い話】というラベルが貼られた抽斗があり、中にはほどよく脚色されたいくつかの体験談が保管されている。

    夜中に目が覚めて思い出して怖くなったり、お風呂で髪を洗っているときにぞっとしたり、ふと鏡を見たとき肩越しに何か映っていたらどうしようと怯えたり、絶対に後悔すると分かっていながらも怖い話に惹かれていく。
    それは辛いも

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    2020年12月16日