三津田信三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自ら小説も書く編集者が、怪奇幻想小説の同人誌から執筆依頼を受け、雰囲気のある環境を探していたところ、偶然竹やぶと住宅に隠されたような洋館を見つけ、そこに住むことになる。
著者自身の不思議体験談?風なのかな。そこに同人誌へ連載する小説が挟まれてる。
とりあえず登場人物がみんな勘が鋭くて察しが良すぎる(不動産屋除く)。
ろくに話もしないうちから怪しんだり、察して勝手に話してくれたり。超能力者だらけか!と思う。
あと気になったのが、小説のファンで「漠然とした地名を頼りに探したら偶然」会えたと言ってる女性が手土産に大量の手作り菓子とコーヒー豆を持参してるという…こいつも超能力者か!
意味のない -
Posted by ブクログ
このミスベスト10、2011年版7位。
この人の読むの3冊目。ホラー感満載の本格推理。京極さんぽいけどもう少し粗削りというか稚拙というか。途中の展開とかドキドキして、そんなに悪くないんだけど、いつも終盤が好きになれない。主人公の探偵さんが推理の過程を公開しながら解決していくんだけど、全て矛盾なく説明できたと思ったら、そのすぐ後、それを否定する事実(目撃証言とか)が判明して、それじゃ別の人が犯人だとかいうのが繰り返されるのが特徴。やっぱそこがいまいちなんですわ。どんでん返しの大安売りで、ほとんど誰を犯人にしてもストーリーが成立しちゃう感じがするのが、余詰めだらけの詰将棋みたいで美しくない。ちゃん -
Posted by ブクログ
死相学探偵シリーズ第5弾
知らぬ間に出てたので購入。
いや〜読みやすいですね。
元々、作者の作品は(個人的にはですが)どれもスラスラ読めるのですが、このシリーズは読みやすさが特に顕著のように思います。
まあ、それだけ薄口ということでもあるのですが…たまにはこういうのも良いんじゃないでしょうか。
で中身なんですが、個人的にはいつも通り楽しめました。
シリーズで一番面白かったんじゃないかな…いや、他の作品の内容は忘れてるしな…
何にしろ、いつもの死相学探偵シリーズなら脱力してしまうのが最後のミステリとしてのネタの部分なんですが、そこが今回はある程度工夫されてて、(どこかで見たことがあるネ -
Posted by ブクログ
刀城言耶シリーズの短編集。
このシリーズは前半で延々と
地方に残る奇妙な風習や
その地方の社会システム、
人間模様を怪異譚を交えながら描き、
事件の重要な伏線を
サラリと幾重にも張り巡らせる。
こうして物語の雰囲気を
しっかり作り上げてから
ようやく凄惨な事件が起こり、展開し、
名物のどんでん返しが繰り返される
謎解きが始まる形をとる。
雰囲気のある物語はいつも通り楽しめが、
ミステリとしては従来ほど重厚さ、
緻密さを感じられなかったのは
短編形式なので仕方ないところだろうか。
「密室の如き〜」は短編という制約の中でも
長編並みの高い完成度で素晴らしかった。 -
Posted by ブクログ
死相学探偵シリーズ第2弾。
とある大学の怪談会サークルが行なった悪魔召喚?降霊術?の儀式。その最中に、メンバーの一人が突然死。その後、他のメンバーも次々に亡くなっていく。その死の謎に、死相学探偵・弦矢俊一郎が挑む。
刀城言耶シリーズほどの禍々しさはないけれど、時代設定が違うから仕方ないのかな。でも、特に前半、四隅の間の参加者の心理状態とか、黒い女の出現とか、十分恐いし楽しめる。
ただ半分を過ぎても主人公は出て来ず、あれ?と思ってたら、後半急ピッチで話が展開。あっという間に解決しちゃった感じ。もうちょっと弦矢さんの活躍が見たかった気もする。
前作にも出てきた所轄の刑事・曲矢との掛け合いも面白 -
Posted by ブクログ
僕にゃんマジ天使!!! …それはさておき(笑)毎度呪術的な仕掛けで事件が起こるこのシリーズ。今回は十二なのでコレですかーなるほどー。(詳細については読むべし読むべし)
タイトルの通り、十二人の生贄候補が出てくるため、登場人物が多くてどうなることかと思いましたが、思いの外スッキリまとめてきたのは流石。(最初はちょっと混乱したけどね)
今回、どっちかというとミステリー寄りでホラー的な要素少な目。遺産相続にまつわる歪な一族の設定とか、事件の原因となる呪術の仕掛けとか、影の存在とか、散りばめられたネタ諸々、かなり魅力的だったんだけど、なんだか所々駆け足な感じが否めなかったのは残念w(真面目に話を膨らま -
Posted by ブクログ
刀城言耶シリーズ最長編で最も面白いと評判が高く、本格ミステリ大賞を受賞した作品。・・・ということでとても期待していました。好きなシリーズだけに大変楽しみでした。
が、あれれ。
実際に蓋を開けてみると、どうも勝手が違う。たしかに面白いしよく出来ているとも思うけど、どこか薄い。どこかライト感覚なのです。読みやすいけど中毒性はない、といえばいいのか。
自分なりに理由を考えてみた。
※以下、ネタバレはしませんが小説の内容に若干触れています※
1、「厭魅」「首無」「山魔」にあるような圧倒的な怖さ=ホラー要素が薄い。常識ではあり得ない設定ともっとあり得ない人物造形にもかかわらず(笑)、そういう世界が世