三津田信三のレビュー一覧
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ネタバレ刀城幻耶シリーズをついに読もうと思い、その前に手に取った作品。
メタ的な手法を上手く使っており、デビュー作としては非常にレベルが高いように感じる。
あまりホラーを読んだことはないのだが、まさに(?)ホラーといった展開で物語は進み、陵子の正体が明かされるあたりから徐々にミステリ色が強くなってくる。伏線を仕込みながらホラーを描き、そして終わった後にミステリのような解釈を提示しており、ミステリとホラーの融合としてはそこそこ上手くいっているように思う。
だが、正直ホラーの部分はそんなに怖くはなかったし、ミステリ部分だけ見ても弱いし、どうしても勿体ない作品という評価になってしまう。
16年前のイギリスでの事故という伏線はお見事。
途中の乱歩や連城三紀彦に関する談義も楽しめた。 -
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ネタバレメモ
「死霊の~」
四家の構造の由来が最低でなんか笑ってしまった。
勝手に歩く下駄の真相は妥当なところ。
お父上との絡み!
「天魔の~」
誰が魔物だったかという話し。
子供が犠牲になる話しはやるせないわね。
阿武隈川先輩の暴走が緊張緩和の役割をしている……煽るのがうまい。
「屍蝋の~」
みんなが大好きな屍蝋。
「生霊の~」
田舎のお家騒動×復員兵×なりすまし。
依頼者が怪しいパターン、好き。
「顔無の~」
阿武隈川の怖れられかたが妖怪で笑うし事実なんだろうなというのも笑える。
恐怖の余韻は四編のなかで一番。
非日常の高揚と心細さがありありと想像できてよい。
言耶の含みが気になるじゃないか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ――扉を閉ざした。
という一文から始まる、クローズド・サークルで次々と首つり死体が見つかる連続殺人事件。
この作品はクローズド・サークルの場所が一番の特徴で、なんと核シェルターの中である。
シェルターを見学に来た作家三津田信三が、核爆発か何かが起きたためにシェルターに入るところから物語が始まる。
なお、シェルターに入る原因となった謎の閃光や、警戒音を出す線量計の原因は最後まで明かされない。そのため、実際に核戦争が起きたのかは作品中ではわからない。
しかし、外気の高濃度の放射線を計量しているのは事実なので、主人公と閉じ込められたメンバーは誰一人積極的に外に出ようとはしないため、クローズド・サークルが形成されている。
舞台は「スラッシャー 廃園の殺人」の舞台となった火照陽之助の邸宅であり、前作に出てきた廃園の迷路の見取り図があるため、見比べてみても面白いかもしれないと思った。
しかし、前作では廃園となっているのに今作では持ち主の火照は序盤に庭園もろとも被爆しているようであり、この二作は時系列違いの作品ではなく舞台は同じのパラレルワールドのような扱いなのかもしれない。
前作と同様に、豊富なホラーやミステリー映画の知識が作品のあちこちに現れている。
ミステリーの作品中において、殺人を犯す理由は様々だが、自分が殺人犯であると世間に広まることや、探偵に知られることは隠したい、知られたくないことであるという前提はほとんどの犯人が持っていると思う。
だから犯人は様々なトリックを用いて自分が犯人である事を隠す。それが犯人と探偵の知恵比べとなり、ミステリーの中核を担う。
犯行が誰にもバレずに、完全犯罪を成し遂げた場合には犯人は、自分の犯行がバレるかもしれないという不安や悩みから開放されるはずだ。
しかし、この話は違う。
犯人が、自分は捕まらないと確信してもなお不安からは解消されない。非常時で警察が機能していないので、誰も犯人を捕まえない。しかしそれでも、自分からは逃れられない。
最後の犯人の行動は、自分に苛まれながら生きていく恐怖から逃れるために一歩を踏み出したとも取れるし、単に自己保身に長けた犯人が線量の薄れた世界に出ていくために理由をつけたとも考えられる。 -
Posted by ブクログ
死相学探偵シリーズ第2弾。
前半は主人公の登場なしで大学生たちが四角い部屋の角から角へ暗闇の中でバトン方式で移動していくという一種の儀式を行う様子がメインの話。
その儀式で死んだ人を呼び出してしまったかのような現象が起こり、参加していた一人がショック死してしまう。
その後 部長も事故により死んでしまう。
部員が主人公の探偵 弦矢俊一に相談しこの一連の事件を解決し本来死んでしまうはずだった人達を救う。
かなりホラーな物語だが、最後は筋道の通った解決となる。
それでも怪奇現象としか思えない事象が残るという、理屈だけでは説明の出来ないところも残した。