三津田信三のレビュー一覧

  • 十三の呪 死相学探偵1

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    人為的なトリックがあるんじゃないかと勘ぐってしまい最後まで乗り切れなかった。別のシリーズは怪奇現象に人為的なトリックを見出してゆくので、そういうノリかと思ってしまった。除霊的なことをするのがカタルシスでそこに向けて論理を探るとは思ってなかった。てか怪奇現象に論理があるというのが違和感あり。理不尽にとにかく怖がらせてくる和製ホラーに慣れてしまったせいか。
    時々ある怖い現象の描写は本当に怖くて、ホラー作家の面目躍如という感じ。
    主人公のキャラは微妙、脇役もあまりキャラが立っていない。最後の老人たちとのやりとりにはほっこり。

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    2018年06月09日
  • 忌館 ホラー作家の棲む家

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    2018年、13冊目は、完全初読みの三津田信三。

    今回、あらすじは割愛いたします。

    独自のミステリ論や、マニアックな(ホラー中心の)映画の引用は付いていくのにやっと。

    その辺りを削ぎ落とすと、物語の骨格は、虚実織り混ぜた、ホラー>ミステリな内容と言えるでしょう。ただ、そのホラー要素が個人的好みとは、微妙に違ってる感覚。

    初読み作家。デビュー作。というコト含め、評価★★★☆☆はココが基準という感じ。追いかけて読むかは、微妙だが、判断までにもぅ1、2冊必要かな❔

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    2018年05月17日
  • 誰かの家

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    表題作で心臓ドキドキ慄いたものの、全体的に謎めいた不思議色が濃く男性願望が入ったエロい状況が多かった印象。まあこれはこれで…w
    余韻で不意に恐怖に駆られるのはお約束。『あとあとさん』の語り手の母親の立場から話を反芻してみるとおぞましさにブルッとなるし、読んでる最中はコントのようだった『湯治場の客』は一見普通と思ってた人の普通じゃなさを目の当たりにする現場を実際に想像すると怖気立つ。マイルドに終息と思いきや、やはり後を引くなぁ。
    タオルを頭からすっぽり被って追いかけてくる2歳の息子。連想しちゃうからやめて~。

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    2018年03月20日
  • 禍家

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    ネタバレ

    事故で両親を亡くした少年・貢太郎は、祖母に連れられて都心から離れた町へと引っ越す。12年間、生まれた土地から出たことはなかったのに、引っ越した町に抱く既視感。しかも不気味な老人から「ぼうず、おかえり」と声をかけられる。引っ越した晩から貢太郎を襲う怪異現象。貢太郎は町内会長の孫・礼奈に協力を求め、この町の過去を調べはじめる。

    怖がりなんだからやめときゃいいのに、ついつい手を出してしまう三津田さんのホラー。姿は見えないけれど気配はあるって怖すぎる。よくもこんな家から逃げ出さずに住みつづけるもんだ。で、気配だけのはずが、途中から生首やら四肢ちょん切れかけの幽霊が出てきて失笑。真相は面白く、オカルト

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    2018年04月10日
  • 赫眼(あかまなこ)

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    ホラー短編集。
    ホラーと言うよりも怪談と言った方が合っている気がする。
    表紙の女の子、こっち見ないで欲しい。怖い。
    『赤』の漢字を『赫』にしているところがまた怖い。

    三津田信三は私の怖いツボを、とことんと突いてくる。
    ホラー小説って、どうして夜中に急に読みたくなるのでしょうか。

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    2018年01月10日
  • ついてくるもの

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    短編集。収録された7作品のうち好みは表題作「ついてくるもの」と「ルームシェアの怪」。やはり得体の知れないモノに『憑かれる』物語は判っちゃいるけどゾッとします。

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    2017年12月12日
  • ついてくるもの

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    ネタバレ

    記憶のすり替えは何の作用か不明な怖さもあるけど、続くとまたか~と気持ちが萎えてしまう。
    人形や禁足地探検は怪談ではおなじみだから新鮮味は薄いが、人形を見つけた時のシチュエーションや探検後のラストを飾る一言にはトリハダ。
    「裏の家の子供」がなかなかのパンチ力だったな。心臓を鷲づかみにされてるような恐怖の連続。
    次点は「祝儀絵」。意図的なのか無意識なのか謎だし、怪奇現象の怖さと実際の人間の怖さを同時に味わえる。

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    2017年08月01日
  • 禍家

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    最近著者の作品を読み始めて、なかなか怖くてお気に入りの作家になるかと思ったんだけど、そうでもないのかも?っていう。。。
    ジャパニーズホラーの怖さは、見えない場所にいる何者かを知覚してしまうことにあると思っている。少なくとも自分が怖いと思うのはそういう感覚。仄暗い水の底からっていう映画は、お化けが全然姿を現さないのが怖かった。
    本作では、お化けが見えてしまうのがしんどい。途端に怖くなくなる。森の話も二番煎じ感があったし。
    となるとどんでん返しもわざとらしい技巧的な物に見えてきてしまって。とはいえ楽しく読めたことは読めた。

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    2017年07月18日
  • ついてくるもの

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    やっぱホラーは長編の方が面白いのかなー。著者の緻密な描写や丁寧に丁寧に恐怖を煽る筆運びは短編集の本作でも際立つのだけど、いかんせん短編だと怖いシーンが各話に一つしかなくて、そこにたどり着くまでが退屈しがち。長編だと物語の縦の線を追いかけることにもなるから楽しく読めるんだけど。
    とはいえ、なんともいえない不気味な持ち味は健在。平山夢明みたいな都市伝説系ではなく、伝統的な階段に近い。作中における人間関係のあり方なんかは現代的なのに、携帯電話のような現代風のガジェットに頼ることなく古き良き怪談を紡ぎ出すのは、本当に素晴らしい仕事だと思う。
    雛人形の話と森の話が怖くて、結婚式の絵の話が着想が不気味で好

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    2017年07月17日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    冒頭の手記の恐怖感がピーク。決して悪くはないにもかかわらず、いまいちハマリきれなかったのは、前作があまりにも凄すぎたからでしょうか。

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    2017年06月16日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    ネタバレ

    〇 概要
     郷木靖美という人物が忌み山で遭遇した数々の怪奇現象。最後には一家が家から消失してしまう。その謎を解くために,刀城言耶が奥戸という土地を訪れる。奥戸で起こる連続殺人事件。六地蔵の童謡の見立てにより起こる連続殺人。その謎を刀城言耶が解明する。多段的に解明される謎解き。最後の最後で明かされるその驚愕の真相は…?

    〇 総合評価
     時代設定は,1954年。戦後すぐの時代設定で書かれた本格ミステリには,独特の味がある。怪奇的というか,猟奇的というか…。この作品も,その例にもれず,怪奇風味を味付けにした古き良き時代風のミステリとなっている。長所としては,どこかで見たような雰囲気の作品なので,安

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    2017年06月10日
  • 禍家

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    始めはB級ホラー映画の様だなぁと思って読んでいたのですが、最後の数ページでガツンとやられました。
    やはり幽霊より人間の方が断然怖い。
    三津田作品にしては怖くない方だと思う。

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    2017年04月08日
  • 十三の呪 死相学探偵1

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    俊一郎が探偵事務所を開いてまだ2週間。
    そこへ現れた依頼人は、「わたしには死神が憑いている」と言った。
    タイトルにもある「13」という謎にまつわる物語。
    死相学探偵・俊一郎の探偵としての初の事件でもある。
    資産家を舞台に起こる連続殺人。
    脅迫状を受けた者が、順番通りに殺されていく。
    ミステリーとしても面白いのだけれど、あまり「死相が視える」という能力はいかされていないような。
    避けられる死と避けられない死。
    誰にでも平等に訪れるものだけれど、他者の命を理不尽に奪う権利は誰にもない。
    結局のところ、犯人はマリオネットのように操られていただけなのでは?と思う。
    何ごともなければ平穏な暮らしが待って

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    2017年03月12日
  • 忌館 ホラー作家の棲む家

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    この作者の作品は、初めて読みました。
    刀城言耶シリーズの作者ということは知っていましたが、とりあえずデビュー作からということで、本作品に目を通してみました。

    現実と作中作の事件及び、過去の事件とが入り混じり、正直頭のなかで整理しきれませんでした。舞台の関係性が理解できれば、もう少し面白さが増したのかなと思います。

    作中作での出来事が、現実世界にも反映されたり?と、ホラー感は、しっかり味わえました。

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    2017年04月15日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    久し振りの「刀城言耶」シリーズ。
    作品の雰囲気を忘れかけていたが、序章「忌み山の一夜」から「気味の悪さ」は全開。一気に引き込まれる。
    山里に伝わる古い習わし、旧家同士の確執、忌み山に住む山魔。そして謎の一家消失事件、童歌に見立てた連続殺人。
    横溝作品を思わせる禍々しさと世界観をしっかり堪能できた。
    トリックの真相や真犯人はかなり強引さを感じたが、ラストもしっかり「不気味」でした。

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    2017年01月21日
  • 八獄の界 死相学探偵6

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    黒術師を崇拝する者を集めたバスツアーに潜入した俊一郎。参加者全員に死相が視えている。結界のなかに閉じ込められた彼らを何ものかが襲う。
    *論理で詰められる部分とホラー部分のバランスがいいと思う。

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    2017年01月02日
  • 六蠱の躯 死相学探偵3

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    死相学探偵シリーズ第3弾。今回は複数の女性から、それぞれ好みのパーツを集め、理想の女性を完成させる呪術・六蠱の軀。
    1作目、2作目に比べるとオカルト色は薄めで、どちらかと言うと現実的な恐さ。
    有力な手掛かりが出ないままで、次巻に続くのかなと思ってたら、ラスト30ページで怒涛の謎解きショー。段々それらしくなってる俊一郎の探偵ぶりに、子どもを見守ってる親のような気持ちになってしまった。
    1作目から名前だけの存在だった黒術師が徐々に実体を伴ってきて、身近に迫ってきてる感じ。さて、次作ではどんな形で出てくるか。

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    2016年11月30日
  • 十二の贄 死相学探偵5

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    なんとも言えない。
    弥勒教についても結局なんだったのか釈然とせずもやもや。
    また無駄なシーンも多く感じる。
    正直ライトが売りな死相学探偵シリーズだけれど、おばあちゃんとのやり取りが長すぎ進みが遅すぎてイライラしてしまう。
    これから解決に向かって!というときに冗談が挟まれると今はそれどころではない!と思ってしまい……。
    メリハリをつけてもらいたい。
    曲矢の妹の亜弓もしたたかそうだが引っかき回していくタイプのおキャラクターで苦手。
    ふと思ったけれど曲矢の下の名前って何なのだろうか。
    特に出てなかった気がする。
    妹ちゃんが、亜弓で、「矢」と「弓」になってるのもなんとなく引っかかる。
    ただの言葉遊びな

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    2016年11月26日
  • 八獄の界 死相学探偵6

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    シリーズ第六弾。黒術師の崇拝者を集めたバスツアーで起こる連続殺人事件。結界の中に閉じ込められた9名は無事に脱出できるのか。

    お互い素性の知れない関係、行き先不明の謎のツアー、一人ずつ殺されていく状況…と『そして誰もいなくなった』風の演出で既に涎が。ホラー文庫なので、人外による襲撃をかいくぐりつつ、結界の中にはこのメンバーしかいないという状況から、誰が犯人なのか?という互いの腹の探り合いが繰り広げられるのが楽しいです。

    シリーズ前作が、ちょっと駆け足でのストーリー進行だったので物足りなかったのですが、今作はぐいぐい引き込まれてたっぷり楽しませて貰いました。
    いかんせん、黒術師の得体が知れない

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    2016年11月26日
  • 蛇棺葬

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    形容しがたい恐ろしさ。
    とにかく不気味で、暗闇が物凄く怖くなりました。
    自分が今いる場所の湿度が少し上がる感じ。

    こんな葬儀は勘弁してほしいなぁ。絶対にやりたくない。
    何よりマーモウドンって一体なんなの。
    正体がわからない恐怖。
    続く『百蛇堂』も読んでみます。

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    2016年10月18日