西尾維新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
リポグラムといって、50音の中から使ってはいけない音を決めて、その音を使わずに小説を書くという方法があるそうだ。
例えば、「あ」を使ってはいけないとすると、「ありがとう」とか「愛」とかは使えないので、「感謝している」、「ラブ」と表現するみたいな方法だ。
この本は短編集になっていて、それぞれの短編をまず制限なしで書いたものがあって、その後にそれぞれ違う音を制限したリポグラムバージョンが複数書かれている。
さすがは、言葉遊びの天才・西尾維新という感じの小説ではあるんだけれど、
小説として物語を楽しもうと思うとちょっと読んでいて退屈してしまった。
リポグラムで表現が変わっているとはいえ、ストーリーを繰り返し読む事になるので、ストーリー展開に飽きてしまうからだ。
それでも、西尾維新の言葉遊びを堪能できる、おもしろい本にはなっている。 -
Posted by ブクログ
オール1冊なでこドロー(語り部撫子)。
オフシーズン愚物語に続きまたも登場、余接ちゃんと撫子のドタバタ劇場。
正直短編な内容かと思ったらオール1冊で驚き。
久々に1冊1話を読んで思ったけど、西尾維新の描く行動描写は細部が細かすぎて分かりづらい上に長過ぎてページ数が無駄に多くなる。
だから、しのぶメイルが苦手になって物語シリーズを読むことから遠ざかってたことを思い出した。
過程が本編なのが西尾維新であり本編の戦闘はさくっと終わらせるのが西尾維新である一方で、戦闘描写をしっかり描く本作みたいな作品もあることを改めて思い知らられた。
というよりも、本作の場合はくどい戦闘描写より撫子の探索パートみたいなもので発生した行動描写みたいなものが頁数のかさましになってたと思わざるをえなかった。
西尾維新のことだから4人に分かれた撫子ちゃんを一体一体回収すると見せかけて、後半2体はあっけなく終了みたいなのを想像してたが、本作はしっかりとノーカットでお送りさせられてしまった。
だからくどすきで退屈な部分もあったけど、だからこそ、撫子というキャラの成長を垣間見えた気もする。
1冊を通してではつまらないというより描写細かすぎてダラダラやり過ぎという感じはするが、
セカンドシーズンラスボスの撫子の後日譚として、
物語シリーズ全体においての本作として、かなり大事な一冊なのなもしれない。
ということを踏まえても評価は2くらいだったが、
ラスト(30小節目)の5ページぐらいが、最高で、これだけの為に読まされた250ページとしても納得は出来るのかもしれない。ということで評価は3へランクアップ。
あと老倉×撫子の絡みは正直かなり嬉しかったし内容も良かった。家庭が無くて引きこもっていた少女と家庭があって引きこもっている少女の邂逅は、単なる引きこもりの先輩後輩関係ていうだけじゃないのもなんだかエモい。
西尾維新が注ぐキャラへの愛情が垣間見え過ぎてしまう1冊。なでこスネイク、なでこメドゥーサを再読したら評価は変わるかもしれないけどそれはまたいつの日かに。
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Posted by ブクログ
ネタバレ誰にでもあるような些細な反骨心を「変人を演じている」と考えているあたりが、他人と心の内を語り合ったことが無い人間らしくて良かった。(良いというのは効果的という意味で自分にとっては苦手だった)
主人公は太宰の人間失格のように自分の考えについて逆説を持ち出し「自分は偏屈なだけで他人に理解がない訳では無い」と言い訳するような語り口だったが、生命活動をする事にだけは貪欲であり素直であった。それは10年前の出来事で人間が死ぬという事はどういう事なのかを意識せざるを得なかったからだろう。
過去の彼はよく交通事故で人が死ぬ現場を目撃していた。それは人が死ぬという現象を観測しただけであって本当に人の死について触れていた訳では無い。だからこそUの家に入った時の違和感に気づかないふりを無意識にしていたのだろう。
しかし、10年前の事件を通して死ぬということは当事者だけの問題ではない事を知る。彼にとって物語を書く事が周りに与える「生」の影響であり、個人的な理由で作家として死んでしまう事はUが両親にされた事と同じだと思っているのだと思う。
また、彼が物語で伝えたい「道を外れてしまった人間でも幸せに生きていける」というテーマは何の根拠もない事であり、自分自身が道を外れた人間として作家を続ける事でその根拠になろうとしているのだと感じた。
U(とは書かれてないが、柿本の昔からの読者)が担当編集になるラストは、あの事件から物語を書くことで生きてきた彼が報われた瞬間であり、彼自身が何故生きるのかを綴った結末として非常に良かったと思う。
確かにあのままUが一人で生活していても警察は家に来ただろうし何らかの出会いで不自由帳から解放される事はあったかもしれない。しかし、彼女がずっと読者であった事は少なからず主人公の「生」によって与えられた影響である。