鈴木美朋のレビュー一覧

  • 彼女のかけら 下

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    ネタバレ

    一気に読み終えた。面白い!
    往年のチャーリーズエンジェル的な話かと思いきや、違った。
    彼女のかけら、アンディと言う娘の名・ダーリンと言う呼び方・窒息に対する恐怖・強く見えて、娘と同じように自分を持てずに流されてきた過去。完璧に見えた母親の、超人的な殺人マシンでもスパイでもなく、人間臭く弱い過去。
    ドラマティックなのに非現実的過ぎないし、母と娘、過去と現在、主人公が交差しながら交互に描かれるのが、物語と適度に距離をとりながら感情移入させるのに役立っていた。
    この作家の小説は他にも読んでみたい。

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    2020年01月26日
  • ハンティング 上

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    面白い! 久しぶりに描写で怖気を振るった。被害者達に加えられた暴力は吐き気がするほど酷たらしいが、それに比例して犯人への憎悪もまた深くなっていく。こうでなくっちゃね。どんどん読み進んでしまう面白さ。シリーズ全作を追いかけようかと考えている。さあ、下巻に突入だ。

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    2020年01月18日
  • ブラック&ホワイト

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    ジョージア州捜査官のウィル・トレントは潜入捜査中に、警官夫婦が襲われる事件を目撃する。犯人は殺害されたが、なぜ警官夫婦を襲ったのか。被害者の妻レナ刑事は、麻薬密売人で妹を殺害しているシド・ウォラーを逮捕しようと躍起になっていた。苦労して、アジトを襲撃するとそこには・・・警官たち続けざまに襲われる。レナの上司のデニース・ブランソンは何かを隠してる・・・

    相変わらずカリン・スローターは素晴らしい。

    警察によるドラッグ密売のアジト急襲は失敗に終わったことはすぐに分かるのだが、詳細は描写されず、ウィルの潜入捜査や恋人サラとの関係の方面が描かれる。ブランソンがやっと明かす場面では鳥肌が立つくらいよく

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    2019年09月09日
  • ブラック&ホワイト

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    カリン・スローター『ブラック&ホワイト』ハーパーBOOKS。

    ウィル・トレント・シリーズ。解説は北上次郎とかなり気合いの入った作品。それだけにシリーズの中では群を抜いて面白い。

    冒頭から若い警官夫婦の自宅に押し入った2人による強盗銃撃事件という緊迫の展開。犯罪者集団を牛耳るビック・ホワイティという謎の男を炙り出すため、ビル・ブラックという偽名で潜入捜査にあたっていたウィル・トレントは、何故か強盗銃撃事件の現場に現れる……

    170ページほど読んだ辺りで、タイトルの『ブラック&ホワイト』に納得。

    ウィルが潜入捜査で追うビック・ホワイティの正体とジャレド・ロングとレナ・アダム

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    2019年06月19日
  • 彼女のかけら 下

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    カリン・スローター『彼女のかけら 下』ハーパーBOOKS。

    ノンシリーズの下巻。えーっ!そういう過去があったのか……余りにも荒唐無稽で壮大過ぎる背景に腰を抜かした。確かにリーダビリティは高かったが、上巻のハラハラドキドキが一挙に吹き飛んだ。それでも、カリン・スローター作品の中ではベストかな。

    ショッピングモールの少年による銃乱射事件のあと、母親のローラと娘のアンディの家に謎の男が侵入する。その男をフライパンで殴り殺したアンディにローラは逃走を命ずる。ローラが指定した貸倉庫にたどり着いたアンディは逃走用の古い車と24万ドルの札束、母親の写真付き偽造運転免許証を発見する。この新たな謎は一体……

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    2019年01月09日
  • 彼女のかけら 上

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    カリン・スローター『彼女のかけら 上』ハーパーBOOKS。

    ノンシリーズ。上巻から何がどうなって、この先どうなるのか全く予想が出来ないハラハラドキドキの目まぐるしい疾風怒濤の展開が続く。これまでのカリン・スローターの作品の中では群を抜いて面白い。

    母親のローラと共にショッピングモールを訪れた警察署通信係のアンディは、突然発生した少年による銃乱射事件に遭遇し、警官と間違えられたアンディは少年に銃口を向けられる。恐怖に震えるアンディの前に立ちはだかったローラは少年のナイフを素手で受け止めると顔色ひとつ変えずに犯人の喉を掻き切る……平凡な主婦であったはずのローラの過去とは……

    2018年の現在

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    2019年01月08日
  • ぼくは君を殺さない

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    ネタバレ

    「ぼく」は働いてもいないのに、家とそこそこの金がある。見た目、雰囲気ともに悪くはない。潔癖症。特技は周囲同化。幼子と老人には親切。次々と女性を誘拐して飼って殺害する。時には監禁してからわざと放ちハンター狩りする場合もある。 
    シリアルキラーのぼくが、レイチェルに対して初めて連れ去りたい欲求が封印できた。 ぼく×レイチェル=恋人? 
    飼っていたエリカが脱走に成功するがエリカ自身の意思で又「ぼく」の家に戻ってくる ←ここがびっくり(゚Д゚;) 監禁されてた家にもどるか⁉ ほかに行けよ。エリカは依存症になっちまったのか…。
    エリカが、レイチェルへ嫉妬して、悲劇を招く。

    本作が長編デビュー作 著者イ

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    2017年04月08日
  • ハンティング 上

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    カリン・スローター『ハンティング(上)』ハーパーBOOKS。

    上巻を読み終えた限りでは、これまでに読んだカリン・スローターの作品の中では一番スリリングで、恐ろしく、面白いミステリーだと思う。上巻では悪魔のような犯行が描かれ、同時に幾つかの伏線めいた描写があるものの犯人の正体は全く見えて来ない。

    田舎道で車に轢かれた全裸の女性の身体には恐ろしいまでの監禁、拷問の痕跡が…ジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレントは事故現場付近の森の奥深くで、おぞましい拷問部屋を発見する。そして、第2の犠牲者の死体が発見され…

    作者のカリン・スローターは、パトリシア・コーンウェル、或いはアリスン・ブレナンに

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    2017年01月23日
  • 本好きに捧げる英国ミステリ傑作選

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    本好きに惹かれるて読むと肩透かしを食うが、英国クラシックミステリ好きなら非常に楽しめる本だろう。
    この錚々たるメンバーだけでも買う価値は十分あるが、その一つ一つがクオリティの高いこと。
    個人的にはフィリップ・マクドナルドの「殺意の家」が好みだった。これを読めただけでも満足である。

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    2025年10月22日
  • 本好きに捧げる英国ミステリ傑作選

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    本に関わる人に絞った英国ミステリのアンソロジー。短編や中編など16の章から成る。
    作者は既に亡くなっている昔の作品だが、英国人が好みそうな懐古的な作品が多い。古き良きイギリスって素敵でしょみたいに感じた。

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    2025年10月14日
  • 暗闇のサラ

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    来月に結婚式を控えたサラとウィル。サラが3年前に関わった事件が、ふたりを15年前の悲劇と再び向き合わせる。
    サバイバーのサラにとって傷口に塩を塗りたくるような捜査に胸が痛い。
    被害者が自分の落ち度を責め続けてしまう犯罪って何なんだろう。犯罪の残酷さに辟易しつつ、サラの逞しさに救われる。サラのお母さんの言葉が凄く心に響いた。
    人生の変化を受け入れつつ、サラとウィルの物語をこれからも追い続けたい。

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    2025年07月16日
  • 化学の授業をはじめます。

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    1960年代の話であるはずなのに、現代でも同じような悲運に見舞われている人がいるのではないかと思うほど、リアリティにあふれている。敵役の内面描写はぬるま湯に浸かっていたら気付けないであろう差別主義者たちの悪意が心をザワつかせて、エンディングまで早く読み進みたい気持ちにさせられた。私たちの日常でのモヤモヤは科学が解決してくれるというメッセージが納得できるオススメの一冊。

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    2025年06月21日
  • 化学の授業をはじめます。

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    ユニークな題名で 最初は本当に「化学の授業」の話かと。いやいや この本は小説なんだからと途中から気持ちを切り替えて。

    1960年代のアメリカ。
    才能ある女性が保守的な科学界で、パワハラあり、セクハラあり、一人苦闘する物語。おまけに未婚のシングルマザーに。

    しかし彼女は毅然と自分の意志をかっこよく貫き、たまたまTVの料理番組で 化学を駆使して成功する。

    最後に 皆んなの前で声を張り上げる。
    “自分を疑いはじめたら 怖くなったら 勇気が変化の根っこになります。自分に何が出来るか出来ないか、他人に決めさせない。性別や人種や貧富や宗教など、役に立たない区分で分類されるのを許さない。自分の才能を眠

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    2025年05月02日
  • 壁から死体?

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    ネタバレ

    アメリカとインドにルーツを持つジジ・パンディアンの初邦訳。ちょっとだけガチなコージーミステリ。

    ラスヴェガスでイリュージョニストをしていたテンペストは、ある事故がきっかけで地元に戻り、家業である建築会社を手伝うことに。家業は隠し扉や仕掛け棚など、トリックを施した家づくりを得意としていたが、仕事先のある古風な家の壁から死体が発見されて…

    消えた母の謎と一族の呪い、行き違った友情の修復や軽いロマンス(三角関係予備軍)など、結構盛りだくさんの内容を詰め込んだコージーミステリ。と思いきや、カーの密室講義が展開されるなど、ミステリ的な要素も強めとなっている。
    二転三転する真相でワクワクしたが、最後に

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    2025年03月19日
  • 化学の授業をはじめます。

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    ネタバレ

    エリザベス・ゾットは生命起源論の研究を志す女性。しかし、彼女の生きている社会は1690年代のアメリカ。そこはまだ女性の研究者が認められていない時代だった。
    彼女はUCLAを卒業し、大学院に行ったが、そこで指導教授から性的虐待を受けたために学位を取れないままにヘイスティングス研究所で職を見つけた。
    しかし、そこも男性上位。エリザベスはまるで雑用係だが、優秀なので、同僚の男性研究者の手助けをするものの、彼女の功績が認められることはなかった。
    しかし彼女はそこでやはり研究とボート一筋で、女性を差別しない研究者キャルビンと出会う。
    キャルビンはノーベル賞も期待されるほどの新進の研究者。彼の支援を受ける

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    2025年03月02日
  • 化学の授業をはじめます。

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    信じられないような不幸な人生を生きてきた主人公のエリザベス・ゾットが男女不平等な時代でなぜ強烈な男女同権思想を持ちえたのかが分からないが痛烈な社会批判が深刻ではなくドライに描かれていて良かった。娘のマッド、隣人のハリエットなどもいいキャラをしている。読み終わってすぐに読み直す経験も久しぶりだった気がする。訳者あとがきにもあるが続編を期待する。また、ドラマ化されているとのことでぜひ見たい。

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    2025年01月16日
  • 化学の授業をはじめます。

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    60年台のアメリカ、化学者であるエリザベスが空気を読まず忖度なく偏見や不公平な扱いに立ち向かっていく姿が描かれていて、読んでいてつらい場面もありましたが、最後のサプライズ含めおもしろかったです。
    犬のシックス=サーティに癒されました。

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    2024年12月27日
  • 死刑執行のノート

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    落ち着いた美しい表紙とは裏腹に、衝撃的な内容だった。もちろん表紙は内容と深い関わりがある。女性の悲しい性や生きづらさも感じられた。

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    2024年12月25日
  • スクリーム

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    今作では、過去パートで懐かしいジェフリーが登場。その前に、相変わらずウィルとサラは、この話でも喧嘩中。もはやこの設定は、いい加減にしてほしいところ。今作は過去のジェフリーの捜査が冤罪だったのではないかというもの。中盤から後半にかけては、誰が犯人なのか分からなくて一気に読んでしまいました。現在パートも、ジェフリーの過去パートもおもしろかくて良かったです!

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    2024年11月04日
  • 暗闇のサラ

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    面白かった!話の内容はひどいものだけど。
    訳が変なところと、漢字間違いが気になりつつも最後は一気に読んだ。
    サラの事件の真相が判明して、ジェレミーの将来も決まりそうで、次作が楽しみ。

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    2024年09月08日