【感想・ネタバレ】ブラック&ホワイトのレビュー

あらすじ

潜入捜査中に起きた警官銃撃事件。
誰が敵で誰が味方か――?
「スローターの新作だから、というだけの理由であとは黙って読まれたい」北上次郎(解説より)
〈ウィル・トレント〉シリーズ最新刊。

素性の知れない犯罪者ビッグ・ホワイティを炙り出すため潜入捜査中の特別捜査官ウィルは、警官の家を狙った強盗事件に出くわす。犯人は警官夫婦の家に押し入るなり、最初から命を狙っていたかのように発砲した。夫は重体。刑事の妻は反撃のすえ強盗犯一人を殺害する。襲われたのは、ウィルが取り調べたことのある曰くつきの女刑事だった――。さらに彼女と同じチームの警官が襲撃され……。

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Posted by ブクログ

ウィル・トレント・シリーズは、「三連の殺意」「砕かれた少女」「ハンティング」「サイレント」「血のペナルティ」「罪人のカルマ」と6作続き、7作目の今作「ブラック&ホワイト」となります。
ただし、電子書籍が間に2作あるようです。
(2016年からオークラ出版で発行の初期2作品は読んでおりません。)

官夫婦が、何者かに襲撃された。
女性刑事レナ・アダムズと白バイ警官のジャレド・ロングが暮らす家。ジャレドは撃たれ、レナは反撃。
現場に真っ先に登場したのが、ウィル・トレント。ジョージア州捜査局の特別捜査官で、この時は別件の潜入捜査中だった。
レナは、ウィルの恋人サラ・リントンの因縁の相手。医師で検視官でもあるサラの、前夫ジェフリーの死に、責任がある女性だった‥

舞台は変わって、州都アトランタ。
正体のわからない犯罪者ビッグ・ホワイティを炙り出そうというのが、ウィルの潜入捜査だったのです。
レナの登場に、ぴりぴりするサラ。ウィルは潜入捜査のことをサラに前もって話すわけにはいかなかったが、それだけで済む話ではない。
自己中なところがあり、警官としても脇が甘いレナは、厄介の種になりかねないというか、なる可能性が高いのだから。現に今回の事件も、そういう面を内包していた。
とはいえ、以前よりは成長したようですね。最後まで読むと、わかります。

強烈な個性を持った女性たちが何人も登場するこのシリーズ。
ウィルの上司、アマンダ・ワグナー。ド迫力の怖いボス。
ウィルの捜査のパートナー、フェイス・ミッチェル。かなり有能だが男運が悪い、というか男の趣味がよくない(笑)
フェイスの実母で元警官のイブリン。アマンダの親友、長く勤めたが疑惑を残したまま退職。
ウィルの前妻、アンジー。妖艶なソシオパス(社会病質者)。
ウィルの恋人、サラ・リントン。IQは最も高く、存在感は強烈でないのがむしろ稀有。

そして、レナ・アダムズだが。
他の女性たちは、かなり優秀なんですね。
レナは、気は強いがそこまで能力が高くないため、中でやや割を食ってるところもあります。考えも深くないが、リアリティはあると言えるのかもしれない‥
でも普通‥、ジェフリーの息子と結婚はしないよね。

ウィルのことを、この女性たちは皆かなり気に入ってます。
おっかないアマンダは、内心では我が子のように気にかけている。
フェイスは、ウィルの識字障碍をさりげなくカバーする良き仲間。
アンジーは、常に複数の男と関係があるような女性だが、幼馴染のウィルは自分のものと疑わなかった。
ウィルは無意味に好かれているわけないですよ。
サラも、家庭こそ幸せだったが、悲惨な経験を重ねてきた女性で、だからこそウィルと惹かれ合い、理解し合えるように、次第になっていくのです。
汚濁の中で育ったウィルの貴重な善良さ。
サラとの関係が初々しいまでにゆっくりだったのは、核心の部分で二人が純粋だからですね。

2013年原著発行。2019年翻訳発行。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

すごくおもしろかったんだけど邦題がださい。ウィルが前科者として潜入捜査する。ウィルが死ぬわけないと思いながらもかなりヒヤヒヤする場面が多くスリリングだった。
事件はどうでもいいからサラと仲良くしてほしい。

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2022年03月22日

Posted by ブクログ

ジョージア州捜査官のウィル・トレントは潜入捜査中に、警官夫婦が襲われる事件を目撃する。犯人は殺害されたが、なぜ警官夫婦を襲ったのか。被害者の妻レナ刑事は、麻薬密売人で妹を殺害しているシド・ウォラーを逮捕しようと躍起になっていた。苦労して、アジトを襲撃するとそこには・・・警官たち続けざまに襲われる。レナの上司のデニース・ブランソンは何かを隠してる・・・

相変わらずカリン・スローターは素晴らしい。

警察によるドラッグ密売のアジト急襲は失敗に終わったことはすぐに分かるのだが、詳細は描写されず、ウィルの潜入捜査や恋人サラとの関係の方面が描かれる。ブランソンがやっと明かす場面では鳥肌が立つくらいよくできてると思った。そこから捜査がグイッと進んでいくわけで、そのグルーヴ感があるとても心地良かった。

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2019年09月09日

Posted by ブクログ

カリン・スローター『ブラック&ホワイト』ハーパーBOOKS。

ウィル・トレント・シリーズ。解説は北上次郎とかなり気合いの入った作品。それだけにシリーズの中では群を抜いて面白い。

冒頭から若い警官夫婦の自宅に押し入った2人による強盗銃撃事件という緊迫の展開。犯罪者集団を牛耳るビック・ホワイティという謎の男を炙り出すため、ビル・ブラックという偽名で潜入捜査にあたっていたウィル・トレントは、何故か強盗銃撃事件の現場に現れる……

170ページほど読んだ辺りで、タイトルの『ブラック&ホワイト』に納得。

ウィルが潜入捜査で追うビック・ホワイティの正体とジャレド・ロングとレナ・アダムスの警察夫婦銃撃事件とが次第に交わり、驚愕の展開が待ち受けるというストーリーの面白さ。

本体価格1,167円
★★★★★

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2019年06月19日

Posted by ブクログ

今作のウィルは潜入捜査の任務を帯びていますが、まさに受難の一言。犯罪者からも、警官からも、そしてサラからも攻撃され、死なないとは分かっていてもハラハラさせられました。長かったですが、誰が、ビッグホワイティなのか、息つく間もない展開。そして今作の主人公はレナ。今後、彼女がどうなっていくのか、目が離せません!

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2024年06月10日

Posted by ブクログ

ウィル・トレントシリーズ。
読みはじめたとたんに、ええっ、これはどういう状況?!ってところから、だんだんさまざまな人のつながりが見えてきて全体像がわかってくるストーリーが今回秀逸だったような。ウィルが潜入捜査しているんだけど。そういう、捜査の状況が毎回違うっていうのもマンネリ化しないでおもしろい。

あと、サラと、サラの夫が殉死する原因ともなったレナの対決(会話で、だけど)がすさまじくて、どきどきしながら読んだ。現実で、こんなに傷つけあうようなことを人と言い合うことってないと思うし、あったら立ち直れないだろうけど、フィクションで読めるのが刺激的というか、おもしろいと思ってしまう。

それからやっぱりウィルが好きだなとしみじみ思った。彼がつくり話をして子どもの心をひらかせるところとかなんだか涙が出そうだった。

このシリーズは、ウィルとサラの恋愛モノとしても読めるけれど、いろんなところの感想を読んでると、恋愛モノ部分がおもしろいっていう人と、恋愛モノ部分はいらない!って言ってる人がいる…。わたしは絶対的に前者だけども。
おもしろいんだけど、今回、サラのことをいわゆる「めんどくさい女」なのかも、と思ってしまった。ウィルのことを嘘をついたって責めるけれど、それはしかたないじゃん!と。嘘をついたからって信頼していないわけではないのでは…。なんでも話してほしい、っていうのはわかるけれど、それがうまくできないウィルなんだよ…、と。それでもウィルも前に比べたらずいぶん感情をあらわせるようになったと思う。よかった。

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2020年11月26日

Posted by ブクログ

この作者の作品は二作目。前に読んだ「彼女のかけら」はちょっとピンとこなかったけれど、これは面白かったです。シリーズものの新作のようですが、これを単体で読みました。それでもとても楽しく読めました。かなり強い女性たちの中で男性が踊らされているようなのも快感です。全くひどい事件で、悪魔のような人たちがたっぷり出てきます。グロいシーンもたくさん登場しますが、かなり刺激的で私好みです。

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2019年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

限界を越えてくる。「血のペナルティー」で、暴力シーンにも精神的にも私の読める限界かと思ったが、さらに。
今回はアンジーが全く登場しないので、まだまだ上がありそうで次作がすでに怖くも楽しみ。

映像だったら無理だろうな。。

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2019年07月04日

Posted by ブクログ

 いきなりのバイオレンス・シーンに始まる一冊。襲われるは女性刑事レナ・アダムスとその恋人の白バイ警官ジャレド・ロング。殺し屋たちとの肉弾戦と直後に登場したのがウィル・トレント。ややこしいことに彼は潜入捜査中。地方都市メイコン。ジャレドは重症。レナはジャレドの命の危険にショック状態。

 修羅場から一転してジョージアの州都アトランタ。噂ではジョージア州にまで市場を拡大してきた姿なき大物犯罪者ビッグ・ホワイティを炙り出すために広域の捜査が展開している。送り込まれるウィル。ウィルの恋人で医師のサラ・リントン。ウィルのパートナーのフェイス・ミッチェル。

 このシリーズは潜入捜査官ウィル・トレントのシリーズと銘打っていながら、ウィル以外はほぼ女性ばかり。そしてウィルの他に三人の女性たちの目線で描かれる章(レナ、サラ、フェイス)が多いばかりか、彼女たちの動きがそれぞれに重要なファクターとなり、謎多い事件から多重的に真相という核に迫ってゆくプロットが凝りに凝って、素晴らしい。

 司令塔アマンダ・ワグナー。メイコンの捜査指揮官デニース・ブランソンなど、他にも主役を取れそうな濃い女性キャラクターが、それぞれの個性を競い、会話をぶつけ合い、単純に見えた事件の裏側に見えてくる行方不明の子供たち。ネグレクト。DV。小児性愛。昨今の犯罪小説ではもはや馴染みとなった、異常な要素がここでも例外ではなく、暗い世界の住人たちを照らし出そうとしている。

 女性作家であるゆえに、会話によるかけひき、情念のぶつかり合い、すれ違い、情熱の濃さ、さらに言えば濃密な母性といったものが、捜査そのものに相当に影響を落とす物語を紡いでくれる。そして最後には、驚愕の真相が待っている。謎の深さと、男性作家ばりのスリリングなアクションが同居した骨太の力作なのだ。

 巻末の北上次郎解説によれば本ウィル・シリーズは、ウィルは名ばかりの狂言回しで、実際の主人公は作品毎に上記に挙げた女性たちが交代で務めているのが実情であるらしい。本作にも過去のいきさつとそれによる人間関係の距離感など、会話の端々に出てくるところ、シリーズを順番に読まなかった罰を少なからず受けてしまった。できれば、最初の『三連の殺意』から、さらにできればその前章に当たるサラがヒロインのグラント郡シリーズ(『開かれた瞳孔』一冊しか邦訳されていないし、廃刊なので万単位でしか売っていない様子)から読むとさらに流れや人物相関が理解できて楽しいらしい。

 豊富にあるカリン・スローターの著作だが、嬉しいことに本シリーズ最新作が、あちらで何やら大賞を射止めたらしく、今後邦訳も早くなったり増えたりしてくれるのではないかと、期待できる状況なのである。

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2019年07月03日

Posted by ブクログ

「ウィル・トレント」シリーズ第7弾。ウィルの潜入捜査や久々登場のレナの身に起こることと冒頭から迫力満点なのだけれど、シリーズを通して描かれている警察内の対立、裏切りが続いていて面白い。裏切っているのは?レナが狙われたのはなぜか。ウィルが主人公ではあるけれど複数の女性たちの物語でもあってそれがシリーズに厚みを与えていてさらな面白くなっていると思う。今作も一気読みでした。

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2019年06月30日

Posted by ブクログ

ここまでくると感想は短めに
ウィルは謎の犯罪者ビッグ・ホワイティを炙り出すため潜入捜査中
ウィルと交際中のサラは、夫の死の
要因であるレナにイライラ
フェイスはいつも通りイライラ
アマンダもいつも通りイライラ
レナは犯罪者達から強制捜査の報復?
を受け負傷、夫も重症でイライラ


ようやく落ち着いた?のかな?

ドロッ!と言うかヌメッ!というか
暗いままなんだけど少しずつ前に進んでる感じ。なんだけど、現在と数日前の場面を交互に語る構成
半分ほど読んで中断…
「何が起きてるか」だけで見るとすこし冗長な感じが…ミステリーとして謎を追う部分は…無いですね。(シリーズを重ねるごとに減ってゆく)

解説で「ウィル・トレントシリーズ」と言われてるがウィルは添え物、に納得
強い女性達が終始ピリついてます。

旅する冒険者とかではなく、この先何がゴールなのかとかは無いので、どんなペースで読もうか考え中。

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2021年05月15日

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