鈴木美朋のレビュー一覧
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カリン・スローターの熱心な読者とは言えないのだが、最近はこの売れっ子作家の新刊が出ると、必ず読むという癖がいつの間にかついてしまった。シリーズものには特にそういう強迫観念じみた誘惑が秘められている。
前作までの記憶が大方失わた頃に開くのがシリーズ作品というものなのだが、ページを進めるに従って、その固有な世界、作品の持つ独自の雰囲気は次第に蘇ってくるので、過去作の印象的なシーンを、いくつも思い出させてくれる叙述はいずれ楽しみに変わることだってあるものだ。
このウィル・トレント・シリーズでは、前シリーズ(グラント郡シリーズ)のヒロインであったサラ・リントンが、警察医としてレギュラー化して -
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言い寄ってきた老人を灰皿で殴り倒した未亡人のリナ
エイドリアン(リナの娘)は愛人のリッチーがマフィアから金を強奪する計画に乗ろうとする。
助けを求め娘の家を訪ねるも
娘はリナに反発しているため、リナはエイドリアンの家から追い出されてしまう。そこにたまたま隣に住んでいた元ポルノ女優のウルフスタインがリナを家に招き入れる。
エイドリアンと愛人の計画に反発したリナの孫娘ルシアもウルフスタインの家に転がり込み…
「ウルフスタインに騙された男」や
突然現れた「ハンマーを持つ殺し屋」達がでてきて、話しがどんどん悪い方に転がっていく…
思っていたよりも暗い話に向かうかと思いきやそうでもなく、ウルフス -
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ネタバレ上巻で被害女性達に共通すると思われる摂食障害に辿り着いたウィルとフェイス。
調べを進めるうちに、次第に犯人の足跡も見え隠れし始め怪しい人物も浮上。
第一被害者アナの自宅を捜査中に発見された幼児をめぐる関係者の傍若無人ぶりに見せたウィルの暴力性。
シリーズ通して暗躍するとされている妻アンジーにことごとく手玉にとられるウィル。
普段は平静な態度を崩さないウィルの内面の葛藤、底深さが垣間見え、さらにぐっと興味が引き立てられた。
物語には、あまりフーダニット的なことは考えていなかったこともあるが、真相に対する目くらましにもしてやられた。
答えはそこにあったのね。。
全体として、事件の残虐性が好み -
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カリン・スローター『スクリーム』ハーパーBOOKS。
ウィル・トレント・シリーズ最新刊。いつにも増しておどろおどろしい表紙のイラストに加え、帯の『最新作にして最高到達点!異常な手口で口を閉ざされた犠牲者たちー 戦慄の連続殺人、再び。ミステリー界の新女王が放つ、ノンストップ・スリラー。』という扇情的な惹句に読む前から期待が高まる。
700ページを超えるボリューム。最初は現在と過去の時系列が複雑で戸惑うが、次第にストーリーと事件の深刻度が見えて来る。ウィル・トレント・シリーズにして、グラント郡シリーズでもある本作は、ウィルとサラの活躍に加え、今は亡きサラの元夫、警察署長のジェフリーによる強姦殺 -
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ウィル・トレントシリーズ。
読みはじめたとたんに、ええっ、これはどういう状況?!ってところから、だんだんさまざまな人のつながりが見えてきて全体像がわかってくるストーリーが今回秀逸だったような。ウィルが潜入捜査しているんだけど。そういう、捜査の状況が毎回違うっていうのもマンネリ化しないでおもしろい。
あと、サラと、サラの夫が殉死する原因ともなったレナの対決(会話で、だけど)がすさまじくて、どきどきしながら読んだ。現実で、こんなに傷つけあうようなことを人と言い合うことってないと思うし、あったら立ち直れないだろうけど、フィクションで読めるのが刺激的というか、おもしろいと思ってしまう。
それからや -
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捜査官ウィル・トレントシリーズ5作目
ウィルの相棒フェイス
その母親イヴリンは、ウィルによって汚職事件を暴かれた麻薬捜査チームのリーダーだった。汚職に関わったかどうかの真相はわからぬまま退職
その件もあり、3作目でウィルとコンビを組んだときはギクシャクしていたフェイスだが、ウィルの人柄を知り憎むのをやめて姉と弟のような関係性てバディとして仕上がってきている。
今回、イヴリンの家が襲撃を受ける
フェイスは現場にいた犯人を射殺するもイヴリンは誘拐されてしまう。
ウィルと上司でありイヴリンの「戦友」であるアマンダが捜査に乗り出す。フェイスは命令を無視してしまったこともあり自宅待機で身動きが取 -
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カリン・スローターの作品はぐつぐつと煮詰めたシチューのようだ。濃縮された様々な食材が、混在し、溶けて、一体となった混合物。作品中でいう食材は、主に人間である。様々な毛色の人間たちが、煮え滾るスープの中で、煮詰まって、ぶつかり合う鍋の底のような世界だ。
ウィル・トレント・シリーズ。そのコアなヒーロー&ヒロイン=ウィルとサラとが主役を務める、実に王道の作品。本シリーズの未だ初心者のぼくにとって、ウィル・シリーズなのに、毎度、他のキャラクターが主役を務める感の強いのがこの作家の特徴。つまり、キャラの立った人物像が、予め考え抜かれ、設計された凝ったシリーズなのだと言える。
本書はシリーズ中、 -
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疾病予防管理センター(CDC)の疫学者が誘拐され1ヶ月が経過。爆発事件があり、犯人グループにウィルの恋人、検死官のサラが拉致された。大規模なテロを計画している、極端な白人至上主義者たちのグループの仕業だった。テロを止められるのか、サラの行方は、どんなテロなのか・・・
途中、長いなーと思いながら、スローター作品だから我慢してれば報われると思っていたら、やはり報われた。
ラストに近づいて、テロの詳細が分かる辺りから急速に加速していった。
リーダーのダッシュが言う。
「わたしのレディたち、よく聞きなさい。いまからいちばん大事なことを教えるぞ。人種はピラミッドのように積み上がっている。いちばん -
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捜査官ウィル・トレントシリーズ3作目
前回から、捜査官フェイスが加わり相棒と捜査を進めるバディモノになっている。
背が高く、三揃えのスーツを着る(葬儀屋みたいな服装とのこと)、難読症を抱えるウィルと
気が強く、常にイライラしてる(ように感じる)シングルマザーであり、子供に対する優しさも見えるフェイス(今回、新たに二人目を妊娠…体調悪い&めちゃくちゃイライラ)
その二人が震え上がる。他の機関に
笑顔で喧嘩を売る鬼上司アマンダ
(銃の名手)
そしてウィルの妻アンジー
(別居?家出?なかなか現れない存在)
ウィルの幼馴染であり、傷や、全て知り尽くしている女
一作目から比べると、自由過 -
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カリン・スローターは2001年作家デビュー。
「ハンティング」は2009年の作品で、2017年に翻訳発行。その後半。
田舎町の車道にふらりと飛び出した女性は満身創痍。
その後、行方不明の女性たちが似たタイプであることが判明しました。
社会的地位が高い女性ばかりなのだが…
陰惨な事件を必死に追う警官たち。
捜査官のウィルは長身で金髪、穏やかな人柄。
じつは読み書きが困難な障碍を抱えています。
よく試験に通ったものですが~全然読めないわけではなく、推測したり何とかごまかす工夫も重ねているという。
ウィルにはアンジーという奔放な妻がいますが、同じ施設で育った痛みを知る腐れ縁の仲。アンジーが結婚 -
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カリン・スローターを数作読みましたが、デビューの「開かれた瞳孔」に次ぐ年代の本なので、続けてアップします。
(間の作品は読んでいないので抜けてますけど…)
女医サラ・リントンが主役のグラント郡シリーズがまず発表され、途中から始まったウィル・トレントのシリーズも同じジョージア州の話。
ウィルはジョージア州捜査局(GBI)特別捜査官。地元警察で間に合わない事件などを担当するようです。
この作品はシリーズ3作目に当たり、前作からウィルはフェイスと相棒になっているとのこと。
車道に飛び出してきた女性は異様な有様だった…
ウィルは森の奥に女性がいた場所を発見する。
それが、連続殺人事件が現れてくる発