鈴木美朋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
相変わらずカリンスローターは精神にくる犯罪を描くのがうまい。あらゆるひとに接触する心理戦もみごたえあり。推理しながら読むのがたまらなく楽しかった。
真相には何度もたどり着くのだけど、そのたび否定するような事実が出てくる。そのミスリードが多すぎて最後に辻褄が合わなくなってる気もした。けれどターゲットの見つけ方を知ったときはショックで思わず目を閉じてしまった。
今回はウィルの心情が控えめだったけどカバーに書かれてる「シリーズ最高峰」には納得できる。
ちなみに誤植が多かった。
そういえばウィルトレントは映像化されたんだった。チェックしたがキャスティングが私の印象と全然違う。個人的にはウィルシリーズ -
Posted by ブクログ
死刑囚と家族、命の物語… 少しだけ感情の扱いや選択を間違えてしまった人々の未来 #死刑執行のノート
■あらすじ
死刑囚であるアンセルは、間もなく執行の時を迎えていた。彼は刑務官と通じており、直前に脱走する計画をしていたのだが…
同時になぜ彼は死刑囚となってしまったのか、出生から現在に至るまで、家族や様々な人との関わり合いを描いてゆく。果たして脱走は実現するのか、そして関係者たちにはどんな未来がやってくるのか。
■きっと読みたくなるレビュー
家族や命を実直に描いた作品。心の奥底にある善悪の価値観と、欲望、不安、恐怖といった人間の裏側にある感情が、静かに書き記されています。
死刑囚なんて言う -
Posted by ブクログ
時間経過や視点の切り替わり幾つもの仕掛けでアンセルという人物を探っていく物語。
「実存的恐怖と自信喪失」
最後の謝辞を呼んで腑に落ちた。
この物語はアンセルがいかにも自分自身であるかのように描かれている。ーーーあなたはこう考えた…。
まさにクカフカ自身が感じていた実存的恐怖を体感させられる。
実存的恐怖とは、人生に意味がないのではないか、あるいは自分自身のアイデンティティに混乱を覚える内的葛藤のこと。
アンセルは幼少期に体験したトラウマによって上手く形成されなかった部分をなんとか知識や哲学によって埋めようとしていた。それは恋愛でも殺人でも埋められず、結局は血の繋がりという確かなものを求め -
Posted by ブクログ
コラン・ニエルの『悪なき殺人』やホレス・マッコイの『彼らは廃馬を撃つ』を読んだ直後に、その二つを取り混ぜたような雰囲気の本書を手にして、三つがごっちゃになりそうだとの不安を感じつつ、読み進める。三作とも毒が仕込まれたような作品なのだが、結局、毒性の強さは三作中では本書が一番深かったという気がする。
ちなみに『悪なき殺人』はそれぞれ繋がりがなさそうな五人のキャラクターの短編小説が全部語られ終わって初めて全体像が見えるというような構成の妙。しかも各キャラ間の距離感が大きいのでダイナミックな展開が楽しかった。『彼らは廃馬を撃つ』は、章ごとに挟まれる裁判官の言葉が、本書の死刑へのカウントダウンの -
Posted by ブクログ
同じ作者の作品で、この作品に登場した人物が出てくる『忘れられた少女』という作品もあるが、こちらの方が先に書かれている。
上記の『忘れられた少女』は、この作品のその後という感じなのかもしれないが、雰囲気はだいぶ異なる。
こちらの作品は、1960年代1970年代の出来事が現代の多大なる影響を与えているという事が、物語が進むにつれて明らかになって行く話で、主人公も比較的能動的に活動しているという印象だが、『忘れられた少女』は、あまり主人公が能動的に動いているという印象を受けず、正直、読み進めにくかった記憶がある。その意味では、この作品にはあまり期待していなかったが、良い意味で期待が裏切られた。物 -
Posted by ブクログ
ウィル・トレント・シリーズ5作目。
アメリカはジョージア州の捜査官です。
元刑事のイヴリンが誘拐された。
ウィルの相棒フェイスの母親で、フェイスは現場にいて犯人と応戦したのだが。
ウィルは以前の事件との関連を疑う‥
警察内で汚職事件があり、イブリンの部下をウィルが逮捕。イブリンも疑われたが証明されないまま、退職したのだった。
フェイスはその件でウィルと最初は気まずかったのだが、今はバディとしてうまくやっていこうとしています。
フェイスは本来、普通に仕事が出来て有能な捜査官のようです。が、なぜか男の好みに難があり、未婚の母。しかも、二度目だったりする混乱が。
体調が良くないのも描写に影響して -
Posted by ブクログ
ネタバレカリン・スローター2作品目を読み終えました。
初読みとなった「ハンティング」でも感じたのと同じような読後感です。
まだまだ自分の読書力不足。
面白くなる要素はすごく感じますし、構成やプロットも申し分ないはず。
ただ自分の力が及ばない…
脳内にシーンとして想像し、世界観に浸れるところはありますが、全体として登場人物が頭に入ってこない。
だから、楽しめていない自分がいます。
単なる謎解きミステリーではなく、心の闇を描いた作品。
カリン・スローター作品を楽しめる力をつける為にもこれからも追いかけていきます!
説明
内容紹介
隠されていた逃走用の車、
大量の札束、偽の運転免許証。
わ -
Posted by ブクログ
ネタバレ気になっていたカリン•スローター作品を初読みです。
拷問、誘拐、連続殺人...つかみはOK♪
ジョージア州捜査局特別捜査官のウィル•トレントとその相棒フェイス•ミッチェルが活躍するクライムノベル作品。
上巻の後半で出て来た事件と繋がりのありそうな『11』という数字。
『11』が持つ意味が解明された時にきっと本事件は解決へと向かうのだろう。
下巻にはどんな展開が待っているのやら。
楽しみに読み進めていきたいと思います。
説明
内容紹介
地中深くに掘られた拷問部屋――
無数の血痕が物語る、連続殺人犯の悪魔のような手口。
極上のクライム・ノベル
――マイクル・コナリー
田舎道にふら -
Posted by ブクログ
毎回「凄惨な事件とその捜査」と「ウィルとサラの恋愛の行方」パートのバランスを気にして、気持ちが乗らない時にはどちらのパートも合わずにスルスルと読んでしまう。それでも、イライラしてる傷ついた登場人物ばかりでも魅力があって読ませる力に引っ張られ毎回「最高傑作」を更新していく「ウィル・トレントシリーズ」
前作でサラとウィルは落ち着いたかと思ったけど、今回も揉めてる…
著者の「グラント郡シリーズ」の一作目「開かれた瞳孔」よりも前に起きた未解決事件。その事件の容疑者とされた男から、当時の警察の捜査隠蔽の告発があり
ウィル達は捜査を始める。
当時のグラント郡の警察署長とは、サラの元夫のジェフリー・トリバ