いぬじゅんのレビュー一覧
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専門学校を卒業し、高給で社宅の家賃も光熱費も無料で就職希望者が多く超高倍率の「奈良ケーブルテレビ」になぜか就職できた樋口壱羽は、アシスタントディレクターとして仕事を始めます。そのテレビ局で、地元の私立高校を舞台にしたリアリティーショーが企画されます。関係者全員がコンタクトカメラという小型の機械を瞳に入れ、視聴覚を全て記録して放送するというリアルを追求した番組で、樋口は新入社員ながら担当に抜擢されます。第1シーズンから順番に主役が交代して放送され、超絶人気が出ます。しかし、その裏では信じられないことが行われています。
これまで読んでいたいぬじゅんさんのイメージとは少し違う、ハラハラドキドキと謎の -
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主人公で高校2年生の文香は、いわゆる転勤族の家庭で育ち、小学1年から転校を繰り返してきました。高校2年で転校して1週間、まだ友達がいません。文香は自分の気持ちを伝えることが苦手で、話すとすぐに自分を偽り嘘をついてしまいます。すると、クラスメイトでクールな印象の男子の拓海に「嘘ばかりついて疲れない?」と、嘘が見破られてしまいます。文香自身、小学1年生の頃は嘘が大嫌いだったはずなのに、なぜか嘘をついてしまう理由に、思い出せない過去に原因があることを知ります。そして、教室でのクールな印象とは違う図書室での拓海から、過去を思い出すヒントとなる本とメモを受け取ります。みんなが誰かのためにつく優しい嘘がテ
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有料老人ホームに勤める主人公の河島玲奈は、高校時代に付き合っていた剣崎翔が突然の事故により悲劇的な別れとなり、10年仕事一筋で生きています。そんなある日、同じ職場の親友である東涼香に、同じく親友の吉田素子とともに、無理やり婚活パーティーに連れて行かれます。そのパーティー会場で容姿端麗のハルと出会い、性格がブスと言われて、性格を変えてあげると言われます。ハルから渡されたのがクロネコのぬいぐるみの格好をしたAIロボットのクロスケ。クロスケとの生活で、玲奈が変わっていきます。昔の彼のことが忘れられずに、肩肘を張って何事もうまく行かず、前に進めない玲奈が、幸せを見つけるお話です。箍を外して考え行動する
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ネタバレ「人は一人で勝手に助かるだけ」(『化物語』忍野メメ)
海底から水面に上昇する過程においては、確かに他人の救いが必要だと思う。
溺れてる人間に空の飛び方を教えても仕方がない。
まず息が出来るように(自分で考えられるように)助けてあげたい、そこは同意。
そして、水面から空中に飛び出す時は自力で。そこも同意。
しかし…しかしだ。
ラストの羽音は、聖人に依存しているのではないのか?
あれだけ羽音も依存に警戒してたのに…。
最初の羽音と、ラストの羽音、一体何が変わったんだろうか?
どう成長したんだろう?
確かに、自身の弱さを自覚できたと思う。
自覚した結果、新たな依存先を見付けたのか?
同じことの -
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ポプラ文庫ピュアフルから刊行された、いぬじゅん『いつかの冬、終わらない君へ』。
児童文学から一般文芸へと移る過程にあるこのレーベルにふさわしい。
優しさと切なさ、現実と少しの奇跡が静かに溶け合う冬の物語。
「私は冬に嫌われている」――主人公の女性のそんなつぶやきから、物語は始まる。
編集者を目指し出版社で働く彼女は、かつて親友を事故で亡くし、その原因が「直前の喧嘩」にあったのではないかと、自責の念を抱き続けている。
母親との間にも距離があり、「言葉にできない想い」を抱えたまま家族関係にも確執がある。
仕事では編集者としての指導や挫折に悩み、心が折れかけたとき―彼女の前に現れる、ひとりの青年。