西原理恵子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
傑作『うつくしいのはら』を収録し、さらには浦沢直樹さんとの対談の様子を収録した『浦沢さんとわたくし』さらには彼女特有のパンチの効いたギャグや自虐ネタなど本当に1冊の中にこれでもかと詰め込まれています。
本書は『ものがたり』3部作の最終巻になります。本人曰く『どさまわり』こと日本全国各地の書店への営業の場面に始まって、高須先生とともに行く海外ツアー。ハワイからロシア・モスクワの『赤の広場』とまさに『ジョンとヨーコのバラード』のような展開に始まり、さらに、初期の傑作である『ぼくんち』のキーパーソンであるこういちくんの幼少期の姿を描いた『朝日の当たる家』では傍から見ればむちゃくちゃな街で売春で生計を立てている母と娘であるこういちくんの姉。「ま」のつく3文字がここでは頻出しますが、こういちくんのお姉さんの中絶手術の場面などからその根底に流れるものを感じ取っていただければと思います。
人気漫画家・浦沢直樹氏とのグダグダな対談の様子を描いた「浦沢さんとわたくし」や、今はなき『九州の大親分』こと溝下秀男氏との2ショット写真も収録されている甲斐もあり、改めて彼女の交流の広さを思わされます。そして、やはり圧巻はサイバラ版「PLUTO」こと「うつくしいのはら」であり、彼女だからこそ描ける『負の連鎖』が彼女独自の絵とあいまった正面から直球のストライクで心に迫って来るものでございます。
1冊の中にこれだけ盛りだくさんのものを詰め込める西原理恵子だからこそのものであると思います。 -
Posted by ブクログ
帯にもある通り「正直者よりウソつきになれ」だと思う。
世の中、正直でいることが正しいことだ、っていう風潮は、いったいいつからなんだろう。「正直であること」は、手段であって、目的では無いはず。ざっくり人生の目的が「幸せにであること」であれば、正直であることでより幸せな方向に向かうなら、正直であればよいし、正直であることが故に不幸に向かってしまうなら、ウソつきゃいいんだよ!と思う。
世の中のマニュアル化の弊害と同じようなことが起きてると思う。「だって、マニュアルに書いてあるんだもん」と「だって、正直に言えっていうんだもん」は、同じレベルの言い訳だと思う。全く自分の頭を使っていないんだ。
ウソはね、つきたくてつくんじゃない、頭使って必要だと判断したら、つく方が罪悪感感じても、つかなきゃいけないときはつくんだよ!
#罪悪感を感じなくなっちゃったら、別問題になりそうだが...
サイバラも、いろんな具体例を交えながら、「もっと自由に考えな、でも、てめーの頭で考えるんだよ!」って伝えたいんじゃないかな。 -
Posted by ブクログ
一度読み始めるとクセになる、気付いたら本棚ひっくり返して次々に読み倒してしまう、そんな喧嘩上等元ヤン家族エッセイ。
本書『直感サバンナ』(命名・ケンちゃん)は、家族のことから地元の最悪動物病院の話、更にはテレビ、映画批評にいたるまで、爆笑もしくは憤怒を誘うエピソードがコッテリ。
しかも巻末にはキャーム&セージ&ケンちゃんによる香ばしい似顔絵対決が!あと、解説が松尾スズキ!!なんてお得感!!!
心の中に棲む2人の女、「プリンちゃん」と「光子」の話が好き。
あと、知人の息子「輝貴」(当時2歳半)に振り回され続けた2日間には、心から同情申し上げます。
たまたま周囲にいる人々が変な人ばっかりだから面白いんじゃない。
他人や自分を見詰める板谷兄の観察眼が鋭くて冷静で首尾一貫してて、だけど人情的なものも忘れてないから、安心して読めるのだ……と思いました。 -
Posted by ブクログ
いつも一緒にいるいけちゃん。なぞだけど、なんとなくいつもそばにいる。
いけちゃんと一緒に本気でくだらないことをして、本気で馬鹿みたいなことをして、少しずつ大人になっていくぼく。
そんなひとりといっぴき(?)の日常を笑いながら読んで、だけど最後にすごく泣いて、それからまた読み返したら今度は全部で泣けてきた。
そんで、なんだか、めいっぱい優しい気持ちになる。
誰の心の中にも、きっといけちゃんはいるんだろう。それでなんか阿呆なことをするたびに、一緒になって笑ってくれてる。
もしも今、何かに傷ついてすごく悲しくなったとしても、いつか誰かがこのことを一緒になって笑ってくれると思えば、なんだかちょっとだけ涙と鼻水も止まる気がする。