感情タグBEST3
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可愛い絵柄で描かれる、重く、息が詰まりそうな女の子たちのお話。
決してリア充にはなれない、寧ろ日向の世界の住人を憎み、かつそうした存在に近づきたくてもがく主人公。
大人へと近づく中で大切なものを次から次へと失い、それでも前を向いて己の道を見つける姿に、暗闇の中の一筋の光を感じる一作。
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サイバラセンセのちゃんとした(?)読み切りの漫画作品としては、最高傑作かなと思います。
「いけちゃんとぼく」とかは漫画作品というよりは絵物語・絵本に近いような。
しかしまあ、そんなジャンル分けは対して意味は持たないと思ってます。
自分が西原作品を網羅してるわけではないですが、これまでは「ぼくんち」が好きでした。
それにしても、映像化がかなり多いですね。サイバラ作品は。
まさかの「毎日かあさん」TVアニメもありましたが。
大体は実写映画。
「パーマネント野ばら」
「ぼくんち」
「毎日かあさん」
そして
「女の子ものがたり」
この中で映画を見たのが「ぼくんちだけなので、残りの出来栄えも楽しみ。
本作はかなり筆者の実体験に基づいたサイバラヒストリーみたいな感じがします。
語られるエピソードがこれまでにもあちこちで出てきたものだし、実体験として語られてきたものも沢山あります。
その他のカラー作品によく見られる水彩の淡い色彩で描かれる、超リアルな女の子の実態。
アホでヘタレな女の子なんだが、年頃になると、なんとなく上手に「女」を演出できるようになっていくのですね。
田舎=純朴というこれまでの図式を破壊し続ける設定は、正味のところで勝負し続ける西原理恵子の揺るぎない切り口で、誰も否定することができない部分です。
田舎でも都会でもないところで生まれ育った自分としては、そのような田舎のエグさをいつも再認識させられます。
人間についても、本当に嫌な嫌な部分をこれでもかと抉り出し、それと対比させて、それでも捨てたもんじゃないよというメッセージも見えてきます。
この間、朝日新聞上で西原理恵子についての連載がありました。
これまで語られてこなかった現実の西原さんでした。
彼女の強さと才能には全く脱帽せざるを得ません。
どこまで本気なのかと思っていた高須センセとの結婚も、一番大事なのは子供であり、高須センセはいつでも切れるというような意味合いの事を言っていました。
繰り返し語られる金の話もペン一本でここまで上り詰めた西原理恵子だからこそ重みがあります。
多分、放っておくと前のめりにつんのめってペンを持ったまま絶命してしまいそうな気もしますが、それにブレーキがかけているのが前夫カモちゃんであり、子供以外の拠り所として高須センセを選んだのかもしれません。
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西原理恵子『ものがたり』3部作の2弾目に当たります。『上京ものがたり』の主人公の少女時代を描いた本書では経済的にも学力的にも恵まれない3人の女の子の友情物語が描かれております。琴線に触れました。
『ものがたり』3部作の第2弾になります。しかし、時系列からすると、これが一番先頭に来ます。『上京ものがたり』の女の子が地元でどのような生活を送ってきたのか。それが綴られます。そこは山と海がある。というかそれしかない田舎町で経済的にも学力的にも恵まれているとはいいがたい3人の女の子がそれぞれの運命をたどる、というものです。
相当に自伝的な内容を多く含んでいるので、モデルとなった子がきっといるのでしょう。田舎の中高生のやることはどこも変わらないなぁとただ、それが男か女かによってその後の運命が違ってくるなぁということを読みながら思っていました。
ただし僕は不良とも付き合ったことがないし、彼らがたまっているようなところにも行ったことがないので実際のところはよくわかりませんが、古い記憶を掘り起こしながら考えてみて、少なくとも性に関するところは似たような話を聞いたことがあったなぁと思いながらページをめくっていました。
中盤あたりでそれぞれの運命が分かれ始め、仲良しだった3人が徐々に離れ離れになっていく場面になってくると、自分にも似たような経験があって、それを思い出してしまいました。
個人的には気になった女性にこの作品を読ませて、この世界に共感をもった方と本格的にお付き合いをしようかという一種の『リトマス紙』的な位置づけをしております。
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西原理恵子さんの幼少期から高校までの自伝的なマンガです。ウソはダメだと解っているのにウソをつく。盗みはいけないと解っているのに盗んでしまう。そんな友達とともに過ごした青春の話。でもまともな友達の持つ常識の白々しさも嫌い。好きなことがどんんどんなくなっていくという閉そく感の中、何に期待を持てばいいのか…
ここから出てやる、という上昇志向や成り上がり感はなく、淡々と語られます。
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映画を見て、響くところがあったので読んでみた。
みさちゃんときいちゃんだけじゃなくて、
すべてのおんなのこと、
かつておんなのこだった人たちへの愛を感じた。
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深津絵里の主演で公開されたばかりの映画の原作者が、「毎日かあさん」の西原理恵子だっとは。30代でも、3児の母でも「女の子」というキーワードには弱い。同じく、10代の頃と同じく「大人の女」にも弱くて、毎年「今年は大人になる」が目標の私。私の答え探しの旅は果てしなく続くw
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いつものサイバラの
なんかもうミもフタもない貧しさ・・悲しさの世界ですが
サイバラにかかると、笑ってしまう作品になる。
なんだかんだいっても、結構リアルな世界かもしれない。
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ユニークな西原さん。「ぼくんち」や「いけちゃんとぼく」などの原点なんじゃないかな・・・って思えるマンガ。ちょっと悲しいけれど、すごく現実的な女の子のものがたり。どう言っても伝えられないから、読んでみて。
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あぶなー…危うく、電車で泣くトコでした。だって、ナナギも女の子だから。時代は変わってきてるし、全部がしっくりくるわけじゃないけど、ココロがね、女の子としてのココロが揺さぶられます。女の子なら、’昔’女の子だったアナタなら…泣いちゃうかも。優しくて切ない気持ちが溢れてきちゃいます。めちゃオススメです!
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あの画を莫迦にしてたな。甘く見てたな。初・西原。感動して涙が出てきた。こんなことを描ける人がいたんだなぁ、と。この作品の場合は、都市のリアルではなくて、郊外の、もっと言ってしまえば田舎のリアル。というか、この作品はこの画じゃなくちゃあダメな気がしてきた、読んだ後に。この画が必然に思えてきた。すごい。。。(06/7/28)
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コミックを読むことは、とても内的なことで、偽物の想い出を捜す行為に似ている。偽りの記憶を共有する誰かを捜すために、私はきっとウェブで文章を書き連ねているのだろう。広い荒野のなかで私を見つけてくれた人間が私を理解するたったひとりであることを、期待しながら。この「ものがたり三部作」は、そんな私の偽りの想い出がぎっしり詰まっている。私は中流のごく普通の家に育ち、貧乏したこともなく、ダメ男にひっかかったこともなく、至極まっとうに微々たる日銭を稼ぎ、ものがたりにふさわしくない人生を歩んでいる。その一方で成功と退廃に恋焦がれ、昇る野望と堕ちる夢を見て、偽りの想い出に泣くのだ。
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内容は物悲しいけどなんだか素敵だなと思った。何がなくても、愛する誰かの存在とは偉大だと思う。
わたしにも友達がいた。大親友だと思っていた。もう何十年も連絡は取ってないけど、大好きだった。彼女の顔をよく覚えている。この本が彼女のことを思い出させてくれた。感ー
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なんか、NHKで描いたりしていて、最近メジャーな西原理恵子です。
でも、こういう西原理恵子原作な物語は、きっと、けっしてNHKでドラマ化されることはないんだろうなぁ。
ストーリー自体は、いろいろ矛盾したところとかあると思いますが、気持ちの部分、見方の部分で、すごくリアルで、そういうところが、この人のマンガのすごいところです。
そして、子ども時代だけではなくて、それをずーーーっと、大人になった時までの連続としてとらえています。
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切なくて涙がでた。 女の子の一生、そのやるせなさを、時に繊細に具体的に時に幻想を織り混ぜて、こんなふうに鮮やかに見せ魂に訴えかけてくる作品として表現できる西原理恵子 は天才だと思う。
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痛くて、切なくて、おかしい。過ごした場所や環境は違っても、感じてることは変わらない。でも、こういう子が怖かった。きっと、何もかも見透かされているような気がしたんだろう。いっしょにいながら、冷静な目。
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だんだん西原理恵子が好きになってきてしまった。この絵本(漫画というより絵本と言った方がしっくりくる気がする)を最後まで読み、パタンと閉じた瞬間に、自分の中で何か小さな綺麗な音がして、新しい道を歩きだしたような気がした。過去を消化して未来へ向かって歩きだせる感じ?かな。友人に借りた本。
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この世界を何だか知っていると、とても弱った時に読んで泣きながら思いました。つらくて読み返す勇気がないのですが、貧困層で、家が何だかもめていて‥小さな女の子だった時の視点を、詩のように描けるのがすごいなと感じました。
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『いけちゃんとぼく』にも通じる感じがする作品です。
西原さんの子どもの頃に経験した、当時で言えば些細な事も大人になった今では大事な事だったのかもしれない。そう思わせてくれる作品です。
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ともだちって、選べるみたいでいて、実は選べないのかもしれない。
そんなことを、思いました。
シビアな現実と、限られた選択肢。
描ける幸せは、頭の中で想像できる幸せでしかなくて。
否定でも肯定でもなくて、同情でも憐れみでもなくて、純粋に、そういう生き方しかできなかったんだろうなぁ、と感じさせる生き方が描かれていました。
こんな風に人を見つめられるサイバラさんは、素敵だな、と思いました。