榎田ユウリのレビュー一覧
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ネタバレ強烈な新人来たりて、どうなっちゃうの、カブキブ!
読むのがしんどい第4巻。ここまでクロを否定した者は、今までいなかった。蛯原はなんだかんだ言って、違う手段を取るだけで、歌舞伎が好きなことは一緒だったのだ。「好きなことを、やりたいから、やる」という姿勢を否定することはしなかった、というか、できなかった。田中渡子は、歌舞伎どころか、クロ自体を否定する。こんなキャラクターありなのか。いや、どこかで折れるんだろうと思っているけど。
指導員のヒゲモジャ・生島に関しては、もっと大人になってくれよ、と。花粉症でしんどいからって、必要以上に不機嫌だったのかよ、と思うと、ちょっとおかしい。一年生たちのキャラ -
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ネタバレ好きなんだから、楽しくやろうよ、やりたいよ。
文化祭公演の成功を、時間つぶしに来たマーチングバンド部の保護者の視点で描くところからこの巻は始まる。文化祭の後から次の年の新入生歓迎会まで。阿久津はまったく、と笑いたくなるエピソードに、演劇部のスター芳先輩とトンボのふんわりエピソード、見え隠れするクロの家庭事情、そしてとうとう阿久津の背景が明らかに。同時に仁の苦悩もより深く描かれて、とにかく盛りだくさん。
祖父の白銀屋さんも言っているけど、仁の背負っているものはたくさんありすぎる。せめて阿久津のような軽やかさがあれば、と思うけど、彼にも荷物はあるのだ。クロにだって、トンボにだって、何かしらある -
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ネタバレこの「好き」をみんなに伝えたい。
お披露目の舞台でぶっ倒れたクロ。ピンチを救ったのは阿久津。彼の才能はどこに由来するのか。文化祭の舞台は、演劇部との対決に勝たないと場所がない。対決種目は、あの外郎売。ますますキャラクターに個性が出てきて、色々と楽しい第二巻。それぞれにそれぞれの事情がある。
阿久津がかき回す。でもいい奴だよね、バカだけど。そして、遠見先生の父・正蔵さんがカブキ同好会にアドバイス。この江戸っ子のおじさん、粋な人。蛯原仁サイドも描かれて、御曹司の悩みが伝わる。これはクロのやっていること、イライラするよな。演劇部部長のキリコさんも、演劇がただただ好きな人。またまたの大ピンチも脱し -
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ネタバレ好きなんだから、カブキやろうよ!
来栖黒悟、通称クロは歌舞伎が大好きな高校一年生。歌舞伎を部活でやりたい一心で、仲間を集め、まずは同好会、そして初めての公演!
まっすぐな青春小説。キャラの立ち方も面白く、題材が歌舞伎というのもいい。歌舞伎のなんたるかは全然わからない。そういう読者が多いと思うけれど、それでもいい。だって、好きなのだ、というクロの声が聞こえてくるようで、それだけで読む理由になる。ライバル(?)の蛯原の動向も気になる。もちろん御曹司の彼が簡単にカブキ同好会になれ合ったら、それはショックなので、ぜひこの冷たい態度を崩さないでもらいたい。
それにしても、すごいところで終わるね。ピ -
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魚住くんと,その周囲。切なくも痛い,生きること。
なんというか,ボーイズラブですね。よくよく考えたら商業作品で,最初からボーイズラブと銘打たれた(読者の解釈じゃなくて)小説って初めて読んだかもしれない。描写が踏みこんでいるような,さくっとしているような。いやでもインターネットで投稿小説がそんなに身近じゃなかった2000年を考えれば,これくらいの描写でも刺激的なんだろうか。いや,直接的に描かないから官能的なのかな。
男女問わず惹きつけて惑わせる魚住くん。その面倒をみることになってしまった久留米。研究室の先輩濱田,久留米の元カノのマリ,アパートの隣人サリーム,魚住の元恋人であり研究室の先輩響子 -
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文化祭に向けて、の出し物を決定した。
が、またそこにいくまでのドタバタが。
前回のフラグたる、新入生の『黙っていてほしければ』の
内容が明らかになりました。
こうなった気持ちも、葛藤も納得しました。
こうなってくると、あの新入生のした事は
ものすごくえげつないな、と。
他の部員も、自分の欠点をきっちり理解して
どうにかしよう、という方向に。
本当に、最初のメンバーの出来がすごくて
これが普通なんだよな、と。
しかしあの新入生、まだ諦めてないというのがすごい。
あの手この手を考えてますが、最期の3人組も
もしや…? と思ってしまいました。
さすがにこの安い手は使わなさそうですけど…?
そ -
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紹介のおかげで、たくさんの見学者が。
けれどそれは、現れた指導者のせいで大変な事に。
憧れやら夢だけを持ってこられても
現実を目の前にして挫折するものです。
とはいえ、この放り投げは…早い気がする。
舌が出来た事により、部長として! な主人公。
なのにやたらに越えねばならない山ばかり。
新入部員もすごい。
しかし一番疑問なのは、英国と日本の間に生まれた彼。
あちらでは、というわりに、決まった事に文句を言う。
しかも訴えは自分でしない。
そこまでいうなら、自分でしろ、と思うほどです。
決められたのが嫌だから、というならば
それこそ全員で直談判に行くべきでは?
とかうっかり思ってしまう状態でし -
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分かりやすい歌舞伎を、と2部構成にした舞台は大成功。
そしてようやく見つかった指導員。
けれどその代わりに、人間国宝の家に行かねばならぬ事に。
次は新入生歓迎の…というのに、何と成績やばい人物が。
知られていないが、の前置きがあるという事は
そもそも3回もやってしまう人がいないわけで?w
一応というかなんというか、かまってちゃんのなぜに
こっそり稽古をしていたのか、が分かりました。
ついでにさらっと主人公の過去も。
そして事件も(笑)
お願い、ではなく、責任を取る、のは
当然と言えば当然です。
これはきれいに己の位置を使いました。
切磋琢磨する事も大事ですが、ふれあう事も大事。
こうして