榎田ユウリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ1作目「ここで死神から残念なお知らせです」と比較したら、格段に面白い。
シリーズ1作目が序章だったような気持ちにすらなる。
(1作目のネタバレになりますが)1作目の漫画落ち、必要だった?と改めて思いました。
だって、2作目の途中で『前回受け持ちのクライアントが漫画家だった』『そのおかげで(作中に出てくる漫画)をモーラした』という死神の言葉があるんですよ。
じゃあ、1作目の漫画落ち、不要じゃない?なんて思ってしまった。
ま、2作目のレビューにこの感想を持つことも、不要かも知れませんが(笑)
2作目はある意味ではネタバレからのスタートになるわけです。
なぜなら、登場人物はすぐに「死ぬ」ことになるんですから。
そして今回の「死んでいる」クライアントは4人もいました。
それぞれの人物像の描き方が上手で、その人の性格が粒立っていて、それぞれに感情移入ができました。
特に、主人公となる高梨さんの性格というか、人物像というのは、私に近いものもあって、はじめから作品に入り込みやすかったです。
ここからはだいぶネタバレになります。
1作目を読んで、面白いし、続きも読みたいけど、蛇足の部分や不要な部分もあって、ちょっと残念だなと思ったので、こんな気持ちになるのも意外性があったのですが、
読んでて泣けるシーンがいくつもありました!
170ページで、天童さんとゾンが将棋を指すシーン
200ページ過ぎて、喜多山さんが息子から言葉の包丁を突き立てられるシーン
218ページ、喜多山さんが保険の契約書を見つけ出してからのシーン
232ページ、久瑠実が友達と同人誌を作る喜びに共感するゾン
人間らしい心の機微とか、そういうものに、「死んでいる」人たちの、今“生きて”いること、“生きること”に意味を見出していることの、状況に泣けてしまいました。
1作目よりも情景が想像しやすいです。
喜多山さんの首の骨が折られるシーンは、ちょっとそれまでの毛色と変わって、ちょっと残念に思いました。
死神の性格上、「死」を面白おかしく扱う性格だと分かっていても、今作のそれまでは、もっと怜悧でありながらもスマートさを感じで魅力的だったのに、一気に興醒めしました。
その後、敬真の最期のシーンで死神が嘘をついて、絶望の中逝かせることになりますが、そこでゾンが思った
『僕には理解できない。〜なぜ嘘をつかなければならないのか。』
という言葉を私も思いました。
作品として、喜多山さんの首を折るとか、嘘をつくとか、ちょっと俗物化する感じがして残念だったなぁ…と。
そんなことがありながらも、ゾンさんの人物像が淡々とした感じで続いててくれるので、まとまりを持ってくれてるのが良かった。
物語の最後はまさかの天使登場で、「おいおい」となりましたが、天使も死神というのは、まだ安心したかな?
とりあえず、1作目と比較して面白くなってるので、3作目も期待したいし、
1作目を読んだだけで「面白くない」と評価したひとは、2作目も読んでみてほしいかな。 -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
前作を読んでから、かなり時間が経っているため、超イケメンのおしゃべりな死神という印象しかなかったけれど、今作を読んで、あれ、こんなにウザくてブラックな感じだったっけ…というのが素直な感想。
このシリーズ、表紙もタイトルも死神がメインなのに、本当の主役は死神ではないところが面白い。
今回も会社の同僚にも名前を間違えられるほど影の薄いサラリーマン高梨を中心に物語は進む。
死神にすでに死んでいると告げられ、何かやり残したことはないかと尋ねられても、何も思いつかない高梨。
家族や友達、大切な人への想い、自分が本当にやりたかった事、色んな想いがあることは分かるけれど、自分に置き換えて考えてみると、すぐには何も出てこない。
事故や病気で明日突然死んでしまうかも知れない。そう思えば、後悔しないような生き方ができる、かも知れない。
前作同様軽いノリながら、自分の生き方、死に方を考えさせられる作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ先生は事故で死んだのか、それとも自殺だったのか。その謎を追いかけるうちに自分自身と向き合わざるをえなくなる。
こういう話によくある謎を暴いていいのか、みたいな葛藤はなく、むしろ逃げてはダメだとか目をそらすなとか「別れた妻」に言われているのが新鮮。でも、結局それも自分との対話というのが切ない。
小日向が「自殺はぜったいダメ!」っていうのと、矢口の「そんなこと言っても誰も止められない」というのと。
「ひとがひとり死ぬと、周りの人間もすこしずつ死ぬ。」って何かの本で誰かが言っていたし、本当にそのとおりだと思う。
それが自殺となると、なんで、どうして、どうすれば、でも追求してもほんとうのことはわからない。だから、「ぜったいダメ!」ってシンプルに言ってしまいたいけど、なかなか言えない。だから、それを言えてしまう小日向が矢口には必要なのだ。こういうひとには、かなわない。ズルいしぜんぜん理にかなってないんだけど、もうそういう存在だから仕方ない。矢口も、それを求めてこの町に戻ってきたのだろう。