凪良ゆうのレビュー一覧
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あれほど死ぬことを熱望していたのに、死ぬ瞬間になって、もう少し生きてみても良いかもと思えるのはなぜだろう。幸せが何かを知っているからか。本当は死にたかったんじゃなくて幸せになりたかっただけ、誰かに幸せにしてもらいたかっただけなのか。
他人の言動を邪推して、勝手に不幸になってるだけって思われるかもしれないけど、ずっと不幸だけが私を裏切らず、そばにいてくれた。そんな不幸をやすやすと手放すことはできない。
私は死ぬのが嫌だと思ったことはないけれど、死ぬのが嫌だと言っている人たちが死ぬ理由を探そうとしている場面を見て、人間はどうしたって順応して受け入れようとする本能が備わっているのだなと思った。 -
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全体的にはまぁおもしろかった。でも、正直「んん?」ってなる部分もあって、100%物語に没入できたかというとそうでもない感じ。
このお話、4つのエピソードからなるオムニバス形式で、一人の女性が全ての物語に関わっていくスタイル。
主人公の女性は幽霊になった旦那と一緒に暮らしてます。
まずこの設定、小説だしフィクションだし別にいい。むしろ、この物語の核になる部分だから「現実離れしてる」なんてツッコミをいれるつもりもない。
でも、個人的にちょっと冷めちゃったのがロボットと少年のエピソード。
物語の舞台は現代の日本。それなのにAIを搭載した人型のロボットが普通に街を歩いて、人間と会話してる。
あれ、 -
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ネタバレ【2025年106冊目】
スペイン人とのハーフである龍之介は、陶芸家である叔父の古林鼎と住んでいる。鼎は龍之介を溺愛しているが、龍之介は幼い頃のトラウマでなかなか自分に自信を持つことができないでいる。親友の国生や、喫茶店マスターの高砂、ギャラリーオーナーの万など、龍之介の周りの男達は皆一様に秘密を抱えていて――絡み合う男達の思慕の行方は。
とりあえず全員殴ろうかなと思いました、龍之介以外ね。いや、フィクションでもダメだろ!どんな理由でも大人が未成年に手を出しちゃor出そうとしちゃor出されちゃ!まずそこが引っかかるとなかなかすんなり物語を楽しめなさそうなのですが、凪良さんの話の上手さに完敗で -
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3.5
『流浪の月』『汝、星のごとく』に続いて凪良ゆうさん3冊目。
3作品目にしてなんとなく凪良さんは「普通」や「当たり前」からはみ出しているような人達を描きたいのかなと思いました。「普通」の人生でありたかったのにそうはいかなかった人達、いけなかった人達の生き様や感情が伝わってきます。決してそれは綺麗なものとは言い切れない、必ずしも応援出来る人物とは限らないのが凪良さんが描く人間の特徴で、作品が持つ力にも繋がっている気がします。
『滅びの前のシャングリラ』では1ヶ月後に地球が滅亡することが決まり、絶望する人達で溢れる中で、これまで死にたいと思っていたり、生きる意味を見失っていたりして -
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凪良ゆうさんの作品は2作目。
作品の表紙や作品名からは想像ができない、人間の裏?というか、出来れば知られたくない一面や自分では気づいていない一面の感情が描かれていました。
下宿というひとつ屋根の下で長い年月を共にすると、あのように遠慮もしなくなるのでしょうか。
体調が悪いからと他人に八つ当たり。
仕事に不安や焦りがあって、今の自分に納得していないからと暴言ばかり。
読んでいて、もう本当に嫌な気分になるし腹が立った。
片思いの相手、大家が自分から離れて行きそうに感じて毒を盛る。
(どういうこと!?)
大家の母親の恋人は、母親の友達や子供に嫉妬して「いないくなればいい」と思ったのでしょう。それ -
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【2025年51冊目】
売れっ子少女漫画家でオネエの小嶺ヤコ――山田貞行の前に、臨時の担当編集として現れた貢藤。見かけは極道、笑えば悪党の男を目にし、貞行は全力で拒否をするものの、編集としての貢藤の真摯な姿勢に絆され、挙句の果てには恋心を抱いてしまう。ノンケを相手にした恋の辛さに悩んでいた貞行だったが、貢藤からある話を聞いて――前作「恋愛前夜」のスピンオフ!
逆ぅぅぅぅ!!!!前作の恋愛前夜にも登場したヤコ先生のスピンオフだと、わーい!と思って読み始めましたが、そんな逆だなんて…1回受けだと認識した人を攻めに置き換えるの、む、難しい!
そして絵面的に極道の方に攻めになって欲しい!という、こ