凪良ゆうのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ前作である「汝、星のごとく」に感銘を受けて、読まなければと思って手に取った一冊。遺された彼女たちがどんな人生を送っているのかが楽しみで、何が何でもこの夏に読みきりたいな、なんて思った。
前作同様に読みやすい文体ながら、人付き合いの世知辛さを美しく言語化していくことは変わらない。
文体としては前作よりも更に洗練されていると感じたのは、多くの視点を描きつつも、語彙や感性を巧みに変えて紡いでることにある。
登場人物の心理が前作よりも大人びていて、前向きさすら覚えるのは作中の人物が成長していることの証左なのだろう。前作を彩った登場人物達の生き様が、新しくも完成度の高い物語に昇華している。続編 -
Posted by ブクログ
かなり好きな本。
やっぱり、どこまでいっても家族でも、恋人でも、友達でも、所詮は他人なんだと思う。
相手のことをわかりたいと思って、理解しようと努力することはできる。でも、根本からすべてをわかりあうことは、たぶん不可能なんだろうなと思った。
「わかりたい」のに「わからない」。
わかろうとしても「わかりあえない」。
でも、この本を読んでいると、それは必ずしも悲しいことではないのかもしれないと思えた。
全部わかりあえなくても、一緒にいることはできる。
理解できない部分があっても、それを抱えたまま相手を大切にすることはできる。
むしろ、相手を完全に理解することなんてできないと知ったうえで、それ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『Thank you for your understanding』
田舎の息苦しさ、価値観は想像しかできないけど、
こうあるべきみたいな空気が漂ってる場所なんだろうな。
リベラルとかマイノリティとか、箱を作ったことによって分かりあうことが閉ざされてしまうこともあるよね。
でも最後はお母さんの言葉に希望を感じた話し。
『Beautiful Dreamer』
これもまたあまりにも窮屈な話し。
でも20代半ばの一人暮らしは節約のために毎回豆苗を買ったり、スキンケアの量と質と毎日のルーティンに救われたり、辟易したり。
懐かしくなった。
そんなこと言ってないで花織ちゃんは就職しろ、、、って思っ -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃよかった。直木賞候補作は時代小説以外ぜんぶ読むようにしているけど、毎回必ずと言っていいほど素晴らしい本に出会える。
恋愛、結婚、仕事、家族、年齢、性別。いろんなテーマにおいて、価値観の違いからくる大小様々な障害・軋轢を描いた連作短編集。それぞれ性格も立場も生い立ちも違う、20〜50代の男女の人生が、とある健康食品会社をひとつの中継地点として、交錯する。
彼らはみんな仕事をしていて、わたしは専業主婦になってもうすぐ15年になるけれど、不思議と、根本的に共感できないキャラクターは一人もいなかった。寄り添いながら、見守りながら、彼らの人生をしっかり見届けたいという覚悟のような意 -
Posted by ブクログ
ネタバレ芸術でした。
櫂、暁海、北原先生の相手を思う優しさ(愛)が素晴らしいとも読めれば、それぞれが相手がいないと生きていけない共依存の中で、お互いを傷つけながらも受け入れないと生きていけない苦しさやグロさがテーマとして書かれているのではないかと感じました。
凪良ゆうさんの好きなところは、物語を綺麗に書きすぎず、等身大の登場人物や、個人の問題ではなく社会の問題として、刺しに来るような書き方です。櫂は地位や金によって他の女と寝てしまったり、育ち故の変えられない価値観(昔ながらの男など)によってすれ違います。暁海は、島の女性が1人では生きていけない旧態依然な社会に苦しめられたり、北原先生達を置いて櫂と暮 -
Posted by ブクログ
どの話も、ずどんと私の心に響く。
Position Talkは、読んでいてしんどかった。私が歩んでいたかもしれない道がそこに見えた。同世代に負けたくない、恋人であろうと相手が男であることで、男からされて自分が不快だったことの復讐をしたい、出産をしたらすぐにキャリアに復帰できるのか、夫となる人はそれを主体的にサポートしてくれるのか、周りで脱落していく女性を見て焦っている、等々。
どんな相手を選ぶかによっても人生は変わるし、好きなんだからすべて受け入れられるほど甘いものでもない。自分が好きな自分でいられるかもわからない。
私はキャリアを変えてしまったことで、出世欲から脱することができた。40過