凪良ゆうのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いじめられっ子だった江那くんと、その口は悪いが深い優しさを持つお母さんの存在が良かった。過酷な状況の中でも変わらない人のあたたかさが、強く心に残った。
物語は、隕石衝突によって人類が滅亡へ向かう世界を舞台に、略奪や暴動といった厳しい現実も描かれている。しかし、登場人物たちはどこか明るく、読んでいるうちに自然と応援したくなる人物ばかりだった。
また、本当に滅亡が迫っているのかと疑いたくなるほど、作中には穏やかな日常が流れている点も印象的だった。未来がないはずの世界でありながら、不思議とあたたかく、優しい時間が描かれている。
過酷な設定とは裏腹に、読み終えた後は心が満たされ、静かに幸せな気持 -
Posted by ブクログ
夕星(ゆうづつ)やな。
宵の明星、美しさの象徴であり、瀬戸内の島からみえる夕星と東京からみえる夕星は、遠く離れて輝こうとする櫂と暁海を描写していたんでしょうか。
同じ傷を負った者同士、理解し合い、そして深く愛し合った。しかし、互いの環境が変わり、自分の知らないところで変わっていく其々の価値観にお互い距離を感じはじめる。そして掛け違いは日に日に大きくなり、気付いたときには修復出来ないほどになってしまう。重なる不幸は更に2人を追い詰めてしまう。
随所で現れる瞳子さんや北原先生も、人から石を投げつけられることを決断し、また経験していたからこそ、櫂と暁海にもどかしさを感じ、自分自身と重ねていたのではな -
購入済み
美しい
原作のイメージ通り。むしろ、絵になるとこんな風になるんだなぁと感動です。清居の内面が出てくるので読みすすめると、平良より清居の方が乙女で可愛いな〜と思ってしまいました。
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Posted by ブクログ
前作も良かったけれど、続編はそれ以上に良かった。没入感があって、読んでいて苦しい部分もあった。前作では、北原先生についてあまり多くが語られていなかったから、先生の過去を知りたいなって感じてたところに、続編の存在を知った。北原先生は、櫂と暁海を通して、昔の自分を救いたいと思ったんじゃないかと考える。
この本を読んでいると、夫婦、家族の概念ってなんて小さいものなんだろう思う。どんな関係でも、その時にそばに居たいと思う人と、その時間を共有できることこそが、一番の幸せなのかな。
好きな言葉
『誰かがぼくたちを歪と指差そうと、今この瞬間、ぼくたちは間違いなく幸せだ。ささやかで、けれど世界を充分に満たし -
Posted by ブクログ
全体を通して、物語に非常に厚みがあり、恋愛小説とは思えないほどの読後感が残った。特に終盤は、電車で涙を堪えるのが大変だった。
舞台となる島での暮らしや、「親の人生を背負わされる」という重さには、Nのためにを想起した。ただし、『Nのために』がミステリーを軸にしているのに対し、本作はあくまで純愛がテーマであり、その違いが印象的だった。
暁海と櫂が高校生時代に少しずつ心を通わせていく描写には、自分自身の青春の記憶が重なり、強く共感した。一方で、大人になるにつれて互いに成長し、価値観のずれからすれ違っていく姿には、切なさと苦しさを感じた。
また、北原先生の存在が非常に印象的で、ここまで人に寄り添 -
Posted by ブクログ
誰かにとっての当たり前は誰かにとっての非常識で、誰もがみんな自分は優しいと勘違いしてしまっていたことに気付かされた。物事は、だれがどこからどう見るかで人の数だけ解釈の仕方がある。当事者から見た物事と関係のない第三者から見た物事は事実は同じでも真実は当事者にしかわからないということを学ぶことができた。
私は今まで、いつでも誰にでも優しくできている自信がありましたが、私が思う私の優しさは誰かからしたら本当に辛いことだったかもしれないと思った。
誰にでも自由に考えたり行動する権利があるのに、個人が思う勝手な優しさが人のそれを制限してしまったり、人生をめちゃくちゃにしてしまうことがある。
これから生き