凪良ゆうのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「老夫婦にとって男は無情な強盗であり、母親からすると愛しい息子である」
私達人間の常識や認識は脆い。
見たいものを見たいようにしか見ない。
1ヶ月後に地球が滅亡する。
当たり前や日常、善や悪は、1ヶ月後に死ぬと定められた途端、全てが変わってしまう。
暴力や殺人が誰からも裁かれなくなり、暴力を嫌悪していた自分が、暴力で生き延びようとする。
罪を犯したら償う、人を殺したら死刑になるかも、だったのに、虫を殺した、資源を無駄にした、何か理由がなければ人は向かってくる死をどうを受け入れるのか。
地球が滅亡しなくても、誰もが必ず死ぬことは平等なのに、こんなにも世界が変わってしまうんだな。
善人とか常識 -
Posted by ブクログ
すみれ荘の大家代理人・一悟がある日自転車で人をひいてしまう。
自分から当たりにきたように思えた事故相手の男の泣きぼくろには見覚えがあった…。
芥と名乗った男は、全身痛いといいつつ、大丈夫、だが一応連絡先を交換してくれとボソボソ言いその場を離れたが後日「手の甲にヒビが入っている」「仕事にならない」「こっちに住み込んで世話をしろ」と無理を言ってくるので逆にすみれ荘に来てもらうことに。
そこから自称作家の芥と一悟、すみれ荘に下宿する3人の共同生活が始まる。
人間の裏表や多面性、善行をはき違えた悪意、無知の代償などなど…。歪んだ愛や相手のためという善意の顔をした暴力を見ていると泣きたくなった。 -
Posted by ブクログ
人の数だけ、愛のかたちがあっていい。
そう思ってきたはずなのに、
これはさすがに歪んでる。
執着——。
世の中で起きている不幸の多くは、
たぶん、ここから始まってるんじゃないかな…
【あらすじ】
愛は毒か、それとも救いか——。
物語はさらりと進むのに、隠された想いは重く、どこか怖い。
下宿すみれ荘の管理人・一悟の前に、正体を明かさない小説家・芥が越してくる。
幼いころに生き別れた弟のようだが、真実は不明。
共に過ごす日々の中で、周囲の人々の秘密や思わぬ一面が露わになり、愛の形が浮かび上がってくる。
読み終えたあと、胸の奥がざわつく物語。
やわらかな装丁とタイトルから、
ほんわか系のお話だ -
Posted by ブクログ
知らない間に〝こうしてはだめ〟という固定概念が私自身をいくつか覆ってた事に気が付いた。こういう思考を抱くなんて当たり前から逸脱していると。心で想うことはなんだって自由なのに。普通ってなんだろう。誰から見た、何から得た普通なのだろう。例えば世界のはじまりが本作の一部であるロボットとの戯れなら、それがこの世の普通と成り行き、人と人が恋に落ちる事は異常となるのだろうか。人と揃わない事が世界から除外されるなら、そんな世界はこっちから願い下げだとおもいました。誰かに認められなくたって、わたしとあなた、あなたとあなた、それぞれが想いあって、それでいいんだよ。