凪良ゆうのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの過去作を新装版再販の一作。
舞台は近未来の日本。
恋愛の枠を拡張し、もはやジェンダーやジェンダーレスをも超えて、恋の相手に“アンドロイド”を設定したBL作品です。
近未来設定の必要性は、アンドロイドという存在だけでなく、「日本が戦争中である」という背景にもあります。
その中で、いつもの凪良さんらしい―少しオタク気質の男子たちが、まるで何事もないように大学生活を送っている姿が面白いのです。
なぜ、わざわざ戦時下という設定なのか。
読み進めながら首をかしげていたのですが、物語がラストに向かうにつれ、その設定が深く効いてくる。
この構成力と創造性こそが、凪良ゆうという作家が文芸として -
Posted by ブクログ
【2025年125冊目】
人間と共にアンドロイドが暮らす世界。南里は裏ドールと呼ばれる性交用のアンドロイドに夢を見る普通の大学生。ある日、バイト先の風俗店で売られそうになっている裏ドールに出会い、咄嗟に貯金をはたいて引き取ることに。シンと名付けた裏ドールとの生活がスタートし、徐々に距離も近づいていくが、世間では戦争が苛烈化していて――。ラブ×ファンタジーの新装版。
凪良ゆうさんの新装版BL第三弾ということで、手に取りました。あらすじに「性交用アンドロイド」とあり、「おお、攻めてるな…」と思いましたが、読み進めていくうちに「ちょっと待って、思ってなかった展開になってきたな?!」と思う事態に。
-
Posted by ブクログ
普段ほっこり系ばかり読んでいるから、重い内容でヒェッとなったけど、全体を通しては面白かった〜。
美寿々と隼人の告白は、胃がムカムカするような不快感があったけど、青子の告白からはぐいぐい惹き込まれた。
みんながみんな歪んでて、自分が大切で、裏の顔があって、、怖かった〜。
人の裏の顔(考えてること)なんて分からないし、愛って歪むとこんなにも狂気になるんだなと思わされた。
親子でも相性があるし、兄弟で親から受ける愛情の差があるのは、悲しいけどそうなのかもしれない。
短編の「表面張力」も様々な歪んだ愛とそれを知った上でその上をいくほのかの底知れ無さにヒェッとなった。面白かった!
凪良ゆうさんは人間の -
Posted by ブクログ
前半は割と淡々と。後半の展開がとにかくおもしろい。
人間の見えない本質部分や生々しさが言語化されるとズキズキ痛い。凪良ゆうの描き方やなあ。
「ウェーイ」!!!!のシーンがとにかく好き。インスタでキラキラ見栄を張るのは言霊と同じ。脳を騙すって悪くない。悲しくても苦しくても楽しいって笑うのは悪くない!!!
愛情は身勝手なもの。
何で愛情を注いでやってるのに ってやってあげた気になるんやろう。それ、誰に頼まれたん???
自分が求める愛の形で貰わなければ満たされないのも身勝手。
日々のイライラが募って日々事件が起きる。
見過ごせるイライラは流す、そうやって現代人は人間関係を上手く紡いでいくものだ