凪良ゆうのレビュー一覧
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ネタバレ死んだ夫/彼氏と遺された可哀想な女、心のない少年と擬人ロボ、純真無垢な少女とロリコン大学生、冴えないストーカーと哀れな美少女、などなど…。他者によってラベリングされた関係値が、当人にとってはいかに的外れで陳腐で、時には暴力的なのかを痛感した。未亡人として腫れ物扱いされ他人の了見に辟易していたうる波自身も、無意識下に金沢くんと秋穂ちゃん、立花さんと安曇くんの関係性をラベリングしていたのがリアルで、どんな人間も大なり小なり他者間の関係性を勘繰ったり決めつけたりするエゴイスティックな一面を持っていることに納得。
また、外野には理解されない愛や関係性を丁寧に丁寧に育むうる波たちの姿が、他の凪良作品のキ -
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【名前のつけられない関係性が育まれる本】
両親を亡くした小学生・更紗と家族の中で厄介者にされた大学生・文の物語から始まる。
大学生の文は公園で出会った更紗を独り暮らしの自室に招き入れ、二ヶ月もの間、匿うことに決める。伯父や伯母に愛されなかった更紗は、文との生活に居心地の良さを感じていた。しかしながら、動物園に連れて行った際に、当然のことながら世間の目に晒され、警察に捕まってしまう。ロリコン大学生が小学生を監禁した内容が報道され、二人は自分の名前と今後の人生に傷を負う。
そこからは一度も会うことがなく、15年の月日が流れた。当時小学生だった更紗は社会人となり、亮と婚約寸前までの関係となる。 -
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初めての凪良ゆうさんのBL作品。
やっぱり一貫して人の柔らかいところというか、突いてほしくないなあと思うような弱さに真正面からぶつかってくるところがあって、BLだろうが文芸だろうが、登場人物が辛い時には辛いし、嬉しい時にはこっちまで嬉しくなった。
設定は多分恋愛モノでよくある「最初は全然好きじゃなかったヤツに気づいたら恋してた」っていうパターンで、こっからどう膨らむんかなあと思ってたけど、まあまあ重いシーンもあって。
冒頭の蓮のお隣さんに住むガリガリに痩せた子どもの出てくるシーンとか、うわぁってなったもんなぁ。。
でも普通に面白かったし、楽しめたのでやっぱり他の作品も機会があれば読んでみた -
Posted by ブクログ
幼い頃の無邪気な更紗、大人になってからの自分の気持ちに正直な更紗に対する文の受け入れながらの優しさの掛け合いが全体に暗く重い生きづらい現実の中で光ある空間として書かれている。恋人同士でもなく家族でもないけど居心地の良さは読んでる自分にも充分伝わった。
様々なトラウマや葛藤などで生きづらく生活をしている人も平静を装って生きているんだな…と
その人の本質なんてちょっとした付き合いでは理解することはできないしわかったようなふりをするのもよくないことだな…と痛感する。
文中で登場するファミレスの店長や同僚が良い例で我々日々の生活の中での仲間意識、コミュニケーションという名ののお節介も気をつけないといけ -
Posted by ブクログ
昨年、映画を観て「まあ面白いな」という印象だった。
でも今週、原作を読んで一気に心を持っていかれた。
その流れでもう一度映画を観たら、前とは比べものにならないほど深く刺さる。同じ作品なのに、見える景色がまるで違う。
映画はどうしても物語が端折られている分、やはり原作の描写のきめ細やかさ、心の奥まで届く深みが圧倒的。
それでも映画には、映画にしかできない力がある。
俳優陣の演技、特に感情ややるせなさがあふれ出す瞬間は、
映像だからこその生々しさと迫力があって、強く胸を打たれる。
原作を読んだからこそ、最初に映画を観たときには気づけなかった登場人物たちの“心の揺れ”や“行間”が見えてくる。