凪良ゆうのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ・この小説を読み終わってから「シャングリラ」の言葉の意味を調べた。理想郷・ユートピア。全くあらすじとかも読まずに読み始めたため、何が滅びる前の話なのかと思いながら読んだ。”隕石が地球に衝突する前の”シャングリラなのだろうけど、現実的に考えると”世の中の秩序・良心が崩れ落ちる”前のシャングリラなのだと思った。衝突する瞬間が訪れる前に、人間の欲望が溢れかえった、混沌とした世の中になっていた。
・何かしら大小関わらず憂い・絶望・不信感・軽蔑、負の感情を持って生きているけれど、生の終わりが見えると自分の底に潜んでいる真の欲望に従順になれたりするんだろうか。生理的欲求が満たされていればの話だが。
・私も -
Posted by ブクログ
ネタバレ・引用
わたしたちは親子ではなく、夫婦でもなく、恋人でもなく、友達というのもなんとなくちがう。
わたしたちの間には、言葉にできるようなわかりやすいつながりはなく、なににも守られておらず、それぞれひとりで、けれどそれが互いをとても近く感じさせている。
わたしは、これを、なんと呼べばいいのかわからない。
・感想
世間一般からみたその人の属性や、ステレオタイプ的な型にはめられた見方は、ほんとうに愚かなことだなと思う。大多数の世間一般の人は型にはめることで勝手に結論をつけて安心してしまう思考停止に陥っている。ただ、そう言ってる自分自身もどこかで型にはめた見方をしていないか?という問いを突きつけら -
Posted by ブクログ
『汝、星のごとく』と『星を編む』を一気読みし号泣。他の凪良先生の作品も読みたいと思い、購入。しかし、なぜか、買って満足して積読本になっていました。
新年は、積読本たちを少しでも減らす年にしたい!!と自分の中で目標を掲げ、積読本にしていた『すみれ荘ファミリア』を選びました。
理由としては、併読している『踊りつかれて』や『殺し屋の営業術』が私には、ハードなので、箸休め的な感じで、可愛らしい表紙と表題で、きっとほんわかしていると思ったから。裏表紙のあらすじで・・・
愛は毒か、それとも救いか。
っていうのが多少気になりましたが、家族の物語だから、大丈夫と思っていましたが・・・
いい意味で騙されま -
Posted by ブクログ
「老夫婦にとって男は無情な強盗であり、母親からすると愛しい息子である」
私達人間の常識や認識は脆い。
見たいものを見たいようにしか見ない。
1ヶ月後に地球が滅亡する。
当たり前や日常、善や悪は、1ヶ月後に死ぬと定められた途端、全てが変わってしまう。
暴力や殺人が誰からも裁かれなくなり、暴力を嫌悪していた自分が、暴力で生き延びようとする。
罪を犯したら償う、人を殺したら死刑になるかも、だったのに、虫を殺した、資源を無駄にした、何か理由がなければ人は向かってくる死をどうを受け入れるのか。
地球が滅亡しなくても、誰もが必ず死ぬことは平等なのに、こんなにも世界が変わってしまうんだな。
善人とか常識 -
Posted by ブクログ
自由奔放な家族から見放された引き取られた先の親戚でDVを受けるがそこから逃げることでさらなる苦難が待ち受ける。とても深刻なストーリーだが、主人公の子供の頃のあけすけな性格が心に残っているからかそこまで悲惨に感じない。
幼女連れ去り、2か月拘束から世間が想像するのは変質者の行為だが、情報は常に何らかのバイアスがかかっており、作中でも語られる「事実はなく、出来事にはそれぞれの解釈があるだけ」そしてそれは当事者にとってもだと感じる。
よく練られたストーリーであり、主人公と文のふたりがうまくいくのもそれぞれが抱える身体の欠如でありトラウマである故。2人に何度も苦難が訪れる事で読み手を飽きさせない。
今 -
Posted by ブクログ
「汝〜」から入り、こちらへ。
「事実と真実」という印象的なフレーズを出発点にしよう。ビジネスにおいては「事実と解釈」の峻別が大事だと新人時代の上司に口酸っぱく言われたが、生きていく上で、特に他者とパーソナルな関係を築くにあたっては事実の裏にある意図や考えおよび内的な準拠枠やトラウマ、果てはインナーチャイルドまで踏まえた思考プロセス=「真実」を経たアウトプットが行動事実であることを思い出させる。
なぜ動物園に行ったのか。危機が迫る中で手を強く握り、握り返されたのか。
本作は悲しい背景とそこから表出する複雑な関係性を舞台に、「優しい」他者の解釈によって汚され続ける、翻弄され続ける姿が描かれる