凪良ゆうのレビュー一覧
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購入済み
最後まで書いてあってよかった
すごく読みやすくてするするっと入ってきて、一気に読めた。
テンポが速すぎず遅すぎず、描写も良いのでバランスがすごく好き。
誰かと共に在るということがすごく素敵に思えた。
また、朔太郎が抱える問題は原因に違いがあってもいつかは訪れる可能性が高いわけで、どうありたいか、を考えさせられた。
この作家さんの作品をもっと読みたい。 -
ネタバレ 購入済み
短編まで読んでほしい
お互いを思うがゆえに離れてしまう二人の気持ちが理解できるから、切なくて胸が痛くなりました。辛いことがあったからこその幸せな最後がとてもとても良かったです。短編には本当にやられました。
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Posted by ブクログ
センセ初の子連れもの。今まで子連れものって無かったのが不思議なくらい板についた話で、ほのぼのさせられました。
胸が痛くなったり切なくなったりする場面もありましたが、なんででしょうね…おじいちゃんと子供が登場するだけで、微笑ましくて和みます。
人妻ホイホイと呼ばれてるけど実はガチゲイの空手道場の若先生×元ヤンで実は妻子持ちのびっちゲイ。
というcpの、いろいろなしがらみに縛られた恋模様…のはずなんだけど、どう見ても
「成田家×飴屋家の人情ファミリーもの」
でした!!
もちろん、成田と飴屋の好きでも一線を超えるわけにはいかない事情というのが切なくて、二人が結局どういう関係に落ち着くのか最後まで焦 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大好きな凪良先生の新作です!
いつものように、なんの情報も入れず、あらすじも一切読まずに読み始めました。
以後ネタバレです。
小悪魔系の男の子が好きな空手道場の師範代、成田(攻)がゲイバーで出会ったのは、恐ろしく綺麗な男、飴屋(受)。
成田は一瞬で恋におちていくけれども飴屋には妻子がいて……と、泥沼感たっぷりでスタートする今回のお話。
何となく「もしかしたら論とは…?」とは思っていたものの、拓人とのばらの血の関係までは予想してなかったので「おおおお…」となりました。
ただひたすら飴屋を想って自分が居た、というあとを残さない成田の気遣いにはヤキモキしつつも感服。
飴屋の、「のばらと論から離れず -
Posted by ブクログ
子供がほしい、と9年同棲した恋人に理不尽な別れを告げられた作家のつぐみと、祖父の管理するアパート経営兼何でも屋を商う朔太郎。
お互いそれそれに事情を抱え、深く傷つき、怯えながら丁寧に丁寧に思いを重ねあっていく、とても優しいお話でした。
純文学小説家と何でも屋、それぞれに少しだけ社会からはみ出した二人は、お互いに深く傷つき、愛する事をどうしようもなく恐れながら、それゆえにゆっくりと波が満ちていくように穏やかに思いを寄せ合い、惹かれあっていく。
舞台となる朔太郎の祖父の運営するアパートの古き良き佇まい、そこに住まうそれぞれに訳ありの社会からほんの少しはみ出した人たちのキャラクター造形もとても魅力 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの話は精神攻撃が半端なくて、読み進めるのが辛かったです。
記憶喪失や健忘系のお話と言えば、自分の中では六青さんの
【寄せては返す波のように】なのですが、今回のこのお話は
それとは違う方向で素晴らしく、最後のSSでは堪えきれずに
涙が噴き出てきて参りました。
個人的にバッドもグレーも全然大丈夫なんですが、今回は
傍目にはハッピーかどうか判断が難しいけれども、本人達は
至って普通に幸せを感じている、というのがとても優しい
世界観の中で静かに紡がれていて、胸を打たれます。
求愛前夜の貢藤やヤコ先生も脇で登場していて、随所で
楽しめますので、重たくなりすぎないのもいい。
下手すればお涙頂戴のあざ -
購入済み
犯罪者との恋愛
犯罪者との恋愛ということで、どうやって愛してゆくのかな…と思ったのですが、とにかく「溺愛」で圧倒されました。
それでもすごく悩んでいたり、歩み寄ろうとしていたお互いの姿勢が印象的でした。
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Posted by ブクログ
凪良ゆうの作品はなべて好きだ。登場人物はたいてい悲観的で諦めていたりする。それが様々な事をきっかけに自分の足で立ち上がり自分を支えていくようになっていく。その過程が、具体的な事件や人間などに関係なく自然にそうなるべくしてなるのだなあと毎回納得させられることになる。それは押し付けがましい説教とかではなくて、過程はどうあれ最後に登場人物が手にしたものを読者の私もすんなりと受け入れて穏やかな充足感を覚えるのだ。
この作品も時に絶望的な思いにくれる登場人物と一緒に怒ったり悲しんだり苦しい思いをしたりしながら、喜びや幸せな思いも共有した。そしてSSで、作者の本当に書きたかったという物語の最後を読んで、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物の心の機微とか、印象的なエピソードとかすごく易しい優しい言葉で表現している。「十五の夜」のエピソードなんかは最初はクスッと笑える会話だったのに、物語が進むにつれて記憶障害の攻めから奪われた大切な思い出として、こんなに切ないものになるなんて…。
アパートの住人たちやヤコ先生などの強烈キャラ無しだったら、普通に文学作品に称される内容でした。もちろん皆愛すべきキャラたちでしたよ(*^^*)
最後のss…老後まで描ききることで、二人の約束や幸福な人生を歩んできたと証明してくれた。進行する記憶障害を乗り越えられたんだと、不安が昇華された。書ききってくれた作者に感謝したい。 -
Posted by ブクログ
▼あらすじ
これが「好き」という気持ちだろうか──
恵まれない生い立ちから恋愛詐欺師となった蓮は、恵まれすぎている男たちの金を巻き上げることに、なんの罪悪感もなかった。次のカモにと狙ったのは、総合病院の長男である医者の加賀谷。呆気なく騙され蓮に夢中になる加賀谷を、内心馬鹿にしていた。なのに──生真面目で真摯な愛情、穏やかな逢瀬。加賀谷と過ごす優しい時間に、知ることのなかった感情が湧き起こるが……。
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大好きな作品の一つです。
この作品を読んで以来、すっかり凪良先生のファンになりました。
こういう受けや攻めのお話はあまり馴染みがなかったので、自分でも大好きだと自信を持って言える事に吃 -
Posted by ブクログ
大好きな作家さん、凪良ゆう先生と、これまた大大大好きな絵描きさん、穂波ゆきね先生!
もうこれだけで★★★★★!というくらい、とってもうれしいタッグでした。
幼馴染のナツメとトキオ。
トキオの気持ちにナツメが応えようとするんだけど、トキオは誤解してしまって離れ離れに。
上京してしまったトキオを追いかけるナツメの気持ちというかトキオに会いに行く行動とか、すごく感情移入してしまう。
ヤコ先生に接するナツメの素直さというかやさしさを見てると、ナツメって本当にいいな、いい子だなって思う。
ナツメに接するトキオの行動も分かるし、ヤコ先生のいらだちも分かるだけに思わずのめりこんで読んじゃう。
とにかく、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何度も込み上げてくるものがあって、しばしば天井を見上げて涙を堪えないといけない。そんで堪えきれなくて偶にぽろり。
凪良さんって、人物の掘り下げ方が尋常じゃない。
人間くさくて、無理がなくて、普段からすごく人間観察してるんだろうなー……と思わせます。
受の心の動きが手に取るように分かり、徐々に攻に惹かれていく過程には思わず唸ります。上手い。
実際前科者が生きて行くには、それこそこんな攻でもいない限り、そうとう難しいわけですけれども、バイト先の夫婦の救いのない容赦なさもよかった。
おばあさんとの関係がそのまま何も書かれなかったというのが少し残念ですが、何らかの形で(それがプラスでもマイナスでも)表