はらだみずきのレビュー一覧
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猟師の市蔵を訪ねた地で、限界集落であるにも関わらず運命を感じた古い家を購入した文哉。
凪子との共同生活も始まるが、梅の収穫をするもののなかなか思い通りの金額にはならず、おまけに獣害に悩まされる。
網戸がないとか、風呂がないとか…家の修繕をしながら畑作業も…
そのなかでの凪子との生活は、意思疎通が上手くいかずにおまけに害虫に刺されたり、怪我したりと精神的にもすり減っていくうちに、凪子の作品にも影響が出てくる。
2人の生活も破綻するのだが、逃げ出すわけにはいかない文哉は、イトやキクさんと交流を続け、古物屋近松から浴槽を購入し、自ら風呂を造る。
自立を目指すべく、諦めずに自分らしいやり方を模索しながら前に進む文哉に逞しさを感じた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「自分の土地を持て」という師の言葉を胸に、自分自身を見つめる旅に出る主人公。牧歌的な描写だが、軽トラで下道を何時間もかけて、新たな師を求めて、深い山岳地帯に分け入っていく、アドベンチャー感のある展開だった。
確かに、村落からも隔離された場所からは、房総の別荘地も「都会」であることは納得。「スーパーマーケットては季節を感じることが出来ない」という言葉も印象的だった。自分で食糧を調達するときは、当然季節のモノしか手に入らない。自然の摂理に従って生きるという選択をした覚悟の力強さを感じた。
そして、主人公が人生のパートナーとして選んだ相手は、、、そりゃそうなるよね(笑)
亡き親の意思が結びつけたご縁に感謝ですね。「親のおかげで生きている」という感覚は、解釈の幅はあるものの、感謝すべき素晴らしいことです。 -
Posted by ブクログ
全4部作なので、起承転結のうち「転」だろうか。田舎暮らしが順調に進んでいた前作「それから」と打って変わって、事業の中断や撤退などを余儀なくされる出来事が起こる。実際に、コロナ前に房総半島を襲った台風を思い出した。自然災害の被害は現地に居なければ理解できないもの。生活の一部を諦めたり、住民間の断絶もあったりして、本当の意味での復興はとても長い道のりであることを知らされた。
これまで「海」視点の生活だった主人公が、「陸」視点の人生に切り替わっていくことを示唆する転換点でもあり、農業や狩猟を通して「生命を大事に頂く」ことを学んでいく様子は興味深かった。また、陸を視点に生きていくヒントを得たのも束の間、衝撃の結末が描かれ、直ぐに続編(最終回)を手に取ってしまった。
「非常時にどういうことが役に立ち、何が役に立たないのか見ておけ」という言葉が重かった。結局、経済力ではなく、自信の知識•体力と人間性、積み上げてきた人的ネットワークと信用なのだろう。