はらだみずきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
亡き父が遺した海辺の家を引き継いだ青年が、地方の小さな町で過ごす時間を通して、自分の挫折や過去と向き合い、「自分にとっての幸せは何か」を少しずつ掘り下げていく物語です。
主人公は特別強いヒーローではなく、むしろ不器用で、自信を無くしている普通の若者。その等身大さが、かつて同じように悩んでいた自分の20代前半と重なって、ところどころ胸がチクリとするような共感を覚えました。俯瞰して読める距離感もありつつ、「あの頃の自分」にそっと寄り添い直すような読書体験でした。
印象的だったのは、都市と地方の暮らしのコントラストです。東京ではお金を払って手に入れていたような体験が、この町では海に歩いて行くだけ -
Posted by ブクログ
『やがて訪れる春のために』の続編です。祖母の優しさに満ちた庭を受け継いでカフェを開いた真芽のその後が書かれていました。
小説のなかで、花の香り、葉の瑞々しさ、虫達の気配などの自然と、おいしそうなマフィンや料理の香りが感じられました。
そんななかで、野菜を育てることへの理想に挑戦する姿や、時の流れによる大切な人の老いという変化を感じながらも、新たな目的を見つけて頑張る真芽達の様子に好感がもてました。
畑で農薬を使わず、自然に任せて野菜を作ることが、大変だけれどとても楽しそうでした。そして、形がよくなくても自然の土からできた野菜達が輝いているように思えました。
読み進めていくと、庭も畑もカ