【感想・ネタバレ】やがて訪れる春のために(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

入院中の祖母から、庭の様子を見てきてほしいと頼まれた村上真芽(まめ)。彼女が目にしたのは、荒涼とした景色だった。花が咲き誇った庭に、しっかり者の祖母に、いったい何が起きたのか? 庭を復活させようとする真芽は、怪しげな隣人や家の売却計画など様々な困難に直面するが、幼なじみたちの力を借りながら奮闘する。バラ、クレマチス、ミントなど植物が彩る庭を舞台に描く、あなたのための物語。(解説・岩田徹)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

【一万円選書】

認知症の祖母が住んでいた家。
そこは、孫(主人公)が以前住んでいた場所とは
全く違ったものになっていた・・・。

それをさ、主人公が少しずつ再生していくわけね。
どんどん蘇る庭、思い浮かべるだけで素敵だろうなあと。
最後におばあちゃんの残してくれたものを知って・・・。

こんな庭で素敵なカフェをオープンしちゃうところが
楽しすぎる。
子どもの頃、たくさんの女の子が夢見るような景色。

ほっこりした気持ちになれました。

0
2025年06月15日

Posted by ブクログ

身内の認知症や過去の出来事、今の問題などへの向き合い方が細やかに描かれている。そして、新たな一歩への勇気を与えてくれそう。
たくさんの花や木の名前が出てきて、思い浮かばないものも多く、全部覚えれば植物に詳しくなれそう。

0
2025年03月19日

Posted by ブクログ

穏やかで優しく逞しく…人間の様々な側面を見せてくれた小説。
入院中の祖母から頼まれ、以前祖父母と共に暮らしていた家、庭を見に行ったまめ子はその変貌ぶりに驚く!
祖母は花が大好きでよく手入れをしていた庭は荒れ野と化し、玄関には「家には入らないで」と書かれた張り紙…家の中はとても人が住んでいたとは思えない有様…祖母の異変に気づきながら、庭を気にかけている祖母が退院する迄にと庭の再生の為、動き始めるまめ子の奮闘ぶりが描かれている。

本書の前に読んでいたのがミステリーだったので読み始め上手くストーリーの雰囲気に溶け込めず「ん?」と一瞬足踏み…が謎めいたハルさんの庭と家にみるみるハマっていった!
真芽、弟の樹里、幼馴染の遠藤君とナスビー…皆見た目から決してエネルギーの溢れた意気揚々とした人物ではなく、控えめでおとなしく、あまり人と触れ合うことを得意としないイメージ(あくまで個人的なイメージです^^;)…が、こと自分の得意分野になると人が変わったように自信に満ち満ちて輝いて見える。
それがとても魅力的に思えた。
ハルさんの庭に触れ、その再生と共に彼ら皆が自然と自分の人生の再生に向けて生き始めている様がなんとも楽しく、手が止まらずページをめくっていた。
と共に直面するハルさんの老化と認知。
高齢化社会の中、避けては通れぬ社会問題。
が作中にもあるように忘れたくて忘れてる訳じゃない…忘れる事はそんなに悪い事なのか?
認知、介護問題をテーマにした小説が増えているし自分も手にすることが増えた。
が、どれもどちらかというと介護する側…家族やヘルパー目線のものを手にして来た。
今までわかって来たつもりだったけれど本書で本人の叫びを目にし、改めてハッとさせられた事も多かった。
年齢を重ねれば誰もが忘れたり動きが緩慢になったり、もしも…の不安もある。でもその不安の多くは高齢者本人のものでなく周りの人間の不安。その周りの人間の不安の言葉が本人の不安を大きくしてしまっている。
そして症状が進んでしまう前に手を打たなければと周りは本人を置いてきぼりにしながら先を急ぐ…本人と一緒に考えず、自分達の不安や生活を守る為結論を急ぐのだ。そう、勝手に周りが決めてはダメなのだ!
周りが本人の為と思って考え動いている事でもそれが必ずしも本人の意思や希望とイコールにはならないのだ!
ついつい面倒を見る側目線で物事を考えがちだが、そこには本人の意思や人生があるのだ!…勿論そこに意志がない場合も、伝えられない場合も、分からなくなっている場合もあるのだが…

ハルさんがまめ子の将来の夢を覚えていてくれてちゃんと準備を整えてくれていた事、まめ子がその夢に向かって歩み始められた事…そしてハルさんがもう一度自分の庭に戻れることを夢見て描かれたタイトル…とても素敵です!

素敵な小説に出会えました

0
2025年02月09日

Posted by ブクログ

自分と妻の祖母が祖母が歳をとり認知症となった経験があり、今親が歳をとってきているので身近に感じた。物語の舞台も比較的近くて訪れたところも何ヵ所かあり楽しく読めた。ハルと真芽の周りの人々の優しさと自然体なところが心温まる。庭の前の電車が通ることの良いところにも目を向け電車の音も受け止める心のあり方がいいなと思いました。一万円選書していただいた本で自分なら出会えなかった本を選書してもらい大変感謝です。

0
2024年11月24日

Posted by ブクログ

何でもかんでも、物語のようにはうまくいかない、ハルさんも奇跡的に元通りの様子にはならない…
だからこそ、いい物語なんだと思う。この物語に出会えてよかった。
ハルさんのバラの謎も、ガーデナーにはなるほどの背景で、そういうところも素敵だなと思う。

0
2024年09月08日

Posted by ブクログ

庭にまつわる自然とそこに共存する家族。
ありがちな話題をありのままに、そして優しく感動的にまとめられていて癒やされました。

0
2024年03月21日

Posted by ブクログ

嘘の無い力強い言葉が読んだ人に届く本ではないかと思います。
飾らす、夢物語過ぎずにでも希望を持つ事が出来るお話です。
人生は上手くはいきません。でも上手くいかなかった事に目をそらし人の話を聞かないでいると真実が分かりません。
出来ないと思う事でも今の自分が出来る事をやらなければ本当に出来ません。
きていくうえで分かっているはずなのに知ろうとしなかった大切な事を教えてくれる本です。
読めばタイトルを皆が納得出来ると思います。
解説も是非読んで欲しいです。

0
2024年03月21日

Posted by ブクログ

面白かった!
認知症は今まで出来てたことがだんだん出来なくなっていく病気だけど、何もかもできなくなる病気ではなくて、実は必要以上に本人の能力を制限する方向に誘導してるのは周りの人間っていう文章がかなり心に残った。
最後の25ページ前から有り得んご都合主義すぎて笑ったけどそこ以外は良かったな、安直に遠藤くんとまめ子が恋仲にならなかったのも好きポイント
植物図鑑に近いものを感じた。
生き急いでる人とか頑張りすぎてる人にオススメしたいかな

0
2025年11月19日

Posted by ブクログ

庭、カフェ、認知症、季節の植物、起業、美味しそうな季節の植物を用いた料理、たくさん興味ある内容で手に取った。読んでいて癒される空気感の本で最後も良かった。私自身は忙しく広い庭の雑草に悩まされているが、こんな庭素敵だなと思った。

0
2025年10月18日

Posted by ブクログ

 幼い頃に一緒に暮らした祖父母の家
祖父が亡くなり、1人で暮らしていた祖母ハルばあの庭は荒れ果て、家の中も冷蔵庫の中も酷い状況だった。忘れてしまうことが多くなっていた日々の積み重ねがそこにあった。

 夢から遠ざかり、日々を過ごしていた孫の真芽は、1人で祖母の家を片付け、荒れ果てた庭を少しずつ取り戻していく。
 幼なじみの力を借りながら、丁寧に再生されていく庭に、幼い頃祖母に話した小さな夢が広がっていく。

 目の前のことに向き合い、大切に思うことを日々繰り返していく中で、真芽の人生も動き出す。

 やがて訪れる春のために

 岩田徹さんの解説もあたたかいです。

 

0
2025年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハルばあが残そうとした庭、枯れたと思った草花は確かにそこで根を張っていて、ハルばあの思いはちゃんとまめ子に届きます。
文章が丁寧過ぎるぐらいで、タイトルの意味が少し変わるけれど、本質は変わっていません。まめ子は遠藤君やナスビー、あずき達と今できることを、やがて訪れる春のためにしていきます。
嫌に写る叔母にもきっと葛藤がある。出てくる登場人物の誰であってもそれぞれに抱えるものがある。見方一つで少しずつ受け入れられるまめ子の成長を見守るようでした。、

0
2025年04月15日

Posted by ブクログ


ままず、素敵なタイトルに惹かれて購入しました。

家族や自分が老いていくとき、
今や認知症という言葉は
現代では、ごく普通に
聞くようになったぐらい
誰にでも起こりうる現実です。
このお話の中心の一人である
ハルばあも
転んで大腿骨を骨折してしまい入院になってしまいます。

一人暮らしをしていて疎遠になっていた家族は、
ハルばあの家や庭の荒れ方に
認知症ではないのかと心配したり
施設にいれる段取りをはじめたり…けれど孫であり幼い頃にたくさん一緒に過ごしていた
真芽は
ハルばあがとても家に帰りたがっている、その気持ちをくんで
もう一度帰ってこれた時のため
奮闘して庭の手入れを一生懸命はじめます。

真芽の一生懸命さや温かい優しさの気持ちが周りの人からの協力や理解を得て
庭も素敵に手入れされていきます。


読みながら、数年前、
施設にいながら家にすごく帰りたがっていた
私の祖母を思い出し
なだめるぐらいしか出来なかった自分に、後悔の気持ちにキュンと切なくなってしまいました。

今までのようにいかず
自分の体がだんだんままならなくなり
大好きな家にも帰れない…
仕方がないけれど、つらいですね。

ハルばあの庭は、真芽に引き継がれ、そして新しい形として続いていく。本当に素敵なことだなあと思いました。
清々しい気持ちに癒されました。

0
2025年02月23日

Posted by ブクログ

入院中の祖母から、庭の様子を見てきてほしいと頼まれた村上真芽。信頼していた友人に裏切られ、失業もしてどん底だったが、幼少時代に暮らしていた家の庭があまりに荒れ果てているのを見て、再生を試みる。花が咲き誇っていた庭に、しっかり者の祖母に、いったい何が起きたのか?庭を再生させようとする真芽は、様々な謎や家の売却計画などの困難に直面するが、幼なじみたちの力を借りながら奮闘する。やがて訪れるハルのために、自分に出来ることを模索する姿が清々しい。

0
2024年12月10日

Posted by ブクログ

数年前、母がひとりで暮らしながら認知機能が低下し、できないことが増え、忘れてしまうことが増え、
大きな不安と戦いながら暮らしていたときの事を思い出した。
家に帰りたいけど家族に迷惑はかけられない。家族にはそれぞれの人生がある。ちょっと前まではわからなかっただろうハルさんの気持ちもあの頃の母の気持ちもだんだん想像ができる歳になってきた。
認知証が治るわけないし、圧迫骨折が治ってもスラスラ歩けるようになるわけじゃない。老いるとはそういうことだろう。
けれど、もし続編があるのならあの庭に訪れる春(ハル)の幸せな景色をみたい(読みたい)なぁ〜

0
2024年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ


家族や家やお金、簡単には割り切れない事が世の中には沢山あり例え身内であっても色々な考えの人たちがいてわかりあえたりあえなかったり。
まめ子一家の微妙な距離感がなんだか共感ができました。

お花の名前が出てくるたびに調べながら読み進めたので庭の様子が想像できて楽しかったです。

記憶で自分が構成されているからそれを段々と認知症で失っていくのは自分ごとと置き換えるとかなり怖いことのように思えました。自信がなくなっていくからこそ短気になってしまったりするのかなぁ。

最後は大団円で終わらなかったのも好きなポイントでした。物語は終わっても登場人物たちの生活は続いていく感じがよかったです。

題名通り、またハルが庭に訪れる事ができたらいいなと思いながら本を閉じました。

0
2024年09月06日

Posted by ブクログ

歳をとると家と庭と食に興味が移りつつあるが、それって幼い頃にその幸せを体験できたからなのかもしれない。

0
2024年07月15日

Posted by ブクログ

ー少しずつ、春に向けて。

〈あらすじ〉
急に入院することになった祖母に頼まれ、祖母の庭の様子を見に行くと、祖母の自慢の庭は見間違えるほどに荒れ果てていた。ハルばあに何があったのか。


〈感想〉
なんだかもう、すごく癒されました。
たくさんの植物、優しいひとたち、おいしいもの、、まめ子が少しずつ手を入れて綺麗になっていく庭もすごくいいですし、庭を巡ってたくさんの人の出会いがあるのも良かったです。
ハルばあにとって大事な場所を守れたまめ子、えらいなあ。
誰かにとって大事なものを大切にしようと思える気持ちは大事ですね、、。

0
2024年07月03日

Posted by ブクログ

・花がたくさんでできて季節の情景がうかぶ。
・まめを取り巻く人々が魅力的。お気に入りはあずきとジローさん。

0
2024年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

祖母が入院して空き家となった庭と家の手入れをするうちに,少しずつ自分のやりたかったことに気づいていく再生の物語.祖母ハルの認知症,妄想と思っていたことが現実の出来事とわかっていくところ,幽霊の正体見たり的な謎解き要素もあって面白い.でも一番楽しいのは庭の花や木々の名前などがわかってどんどん庭が美しく蘇っていくところで,こんなカフェなら私もぜひ行きたいと思った.

0
2024年06月06日

Posted by ブクログ

読み進めていくうちに題名を含めて展開が想像できる。
ただその展開を期待している自分がいる。
やっぱりそうだったとわかったとき安堵している自分もいる。

最近ミステリー系ばかり読んでいたので尚更ホッとできた。

0
2024年05月01日

Posted by ブクログ

またまた会社の先輩にお借りした(^^)
あー、この本は海が見える家の作者様だったのか。
通りで何とも温かさを感じられる。

先輩が貸してくださる本は、ほっこりする本が多い(^^)
私みたいに、人がバタバタ死ぬような殺人事件はあまり好まれないようだ。育ちの違いなのか??^^;


村上真芽は幼少時代を祖母の家で家族と暮らしていた。
祖母が大腿骨を骨折し入院することになり、庭の様子を見に行って欲しいと頼まれる。

かなりの年月をあけ、久しぶりに見た懐かしの庭は荒廃していた。
雑草に覆われて、樹は立ち枯れていた。

真芽はこの庭を再生させようと考える。
そして、次第に自分の夢を思い出す。


この作家さんの本は温かい。
悪い人が登場しないからか?読み終わった時にほっこりする(^^)

個人的には海が見える家の方が好みだが、この本も短時間でさくさく読めるくらいに、いつのまにか夢中になって読んでいた(^^)

0
2024年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なにもおおきなことではなく、できることをやればいい。なんのためにとか、そんなことはこだわらなくてもいい。むずかしく考える必要はない。自分がやりたいことを、自分のやり方で、できる範囲でやればいいのだ。

「私だってね、忘れたくて忘れるわけじゃないのよ。私のことを、勝手に決めないでほしい。ふつうにしてほしいだけなの」

自分というものは、自分の記憶の集積によってできている。そう考えると記憶を失っていくことは、自分の一部をもぎとられていくことに等しい。未来が限られていると知る者には、それはなおさらせつない試練となるだろう。

0
2024年03月12日

Posted by ブクログ

とても好き。温かい。大事に手元に置いておきたい本。こういう出会いがあるから読書が好き。主人公が仕事辞めてやりたいこと見つける流れが、歌舞伎座の怪紳士に似てるなとも思った。

0
2024年02月27日

Posted by ブクログ

入院している祖母の庭園を見てきて欲しいと頼まれたメイは、到着してびっくり。昔は素敵な庭園だったのに、今では雑然としていた。この庭園を復活させようとする気持ちがとても良い。

0
2025年09月29日

Posted by ブクログ

仕事を辞めてしまった村上真芽。入院した祖母が住む家に行ってみると荒れ放題だった。庭の再生と自分の再生物語。

「海が見える家」シリーズよりドラマ少なめ。近々出る続編にもっとドラマ期待

0
2025年08月14日

Posted by ブクログ

荒れ果てた庭からきれいな庭へ。植物には詳しくないけれど、どんなお花なんだろうかと想像しながら楽しく読めた。

0
2025年03月02日

Posted by ブクログ

万寿子さんの庭とちょっと話が似てたので、あー被ってるなーと思ったけど、中盤からラストが違った。

万寿子さんとは一時期の付き合いで、短くても深かった。まめ子とハルばあは、きっと再会できるね。

過去から未来へ全部繋がっている
大きな流れの中に自分がいる
なかなか気付けないけど、身を委ねてそれに感謝できる自分でありたい

0
2024年12月03日

Posted by ブクログ

11月-14。3.0点。
料理が得意な、カフェ経営を目指す主人公、祖母が認知症になり祖母の家の手入れを始める。。

易しい物語。ほのぼのしている。

0
2024年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いわた書店

やがて訪れるハルのために
祖母のハルが、再び家と庭に帰って来れるように奮闘する

起きた物事には、なにかしらの理由がある
逃げずに向き合うことも、ときには必要

自分がやりたいことを、自分のやり方で、できる範囲でやればいい

大変だろうが、庭が欲しくなる

気持ちの良い作品だった

0
2024年07月21日

Posted by ブクログ

最後の一文になるほど。
小さい頃の思い出の庭を再生してまた新しい出発をした主人公が素敵だった。
最後の解説を読んで、自分が成長したと感じる一方で成長を見守っててくれた家族は年をとっていくけれどこれからどう一緒に過ごしていくか改めて考えたいと思った。

0
2024年02月08日

「小説」ランキング