【感想・ネタバレ】やがて訪れる春のために(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

入院したお祖母様の荒れ果てた庭、それだけではなく、いろいろなものを孫の真芽ちゃんが再生させて行く。
綺麗事だけではない現代をあたたかく優しく包むようなハルさんの庭の植物に、読んでいる私まで包まれた。
とても好きなお話でした。

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2024年04月29日

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庭にまつわる自然とそこに共存する家族。
ありがちな話題をありのままに、そして優しく感動的にまとめられていて癒やされました。

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2024年03月21日

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嘘の無い力強い言葉が読んだ人に届く本ではないかと思います。
飾らす、夢物語過ぎずにでも希望を持つ事が出来るお話です。
人生は上手くはいきません。でも上手くいかなかった事に目をそらし人の話を聞かないでいると真実が分かりません。
出来ないと思う事でも今の自分が出来る事をやらなければ本当に出来ません。
きていくうえで分かっているはずなのに知ろうとしなかった大切な事を教えてくれる本です。
読めばタイトルを皆が納得出来ると思います。
解説も是非読んで欲しいです。

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2024年03月21日

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素敵なお話でした。
荒れ果てた庭を、ハルばあちゃんが帰ってくる日のためにと庭を再生させようとする真芽。

その中で、真芽はいろいろな事に気がついていき、成長していきます。見えているようで見えていない事って、誰にでもきっとたくさんありますよね。

そしてお花や植物のもつ力の大きさにも改めて気が付きました。このお話を読んでいるだけでも、たくさんのお花に囲まれたような温かな気持ちになりました。

『人は花に惹かれ、癒され、ときに顔を上げる力を与えてもらう』まさにそうですね。ラストにタイトルの本当の意味を知り、ほっこりしました。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

岩田書店一万円選書の一冊目。

自分じゃ選ばない本だなと思った。でもやはりそういう本からもらう刺激のような新鮮さが自分にはとても心に響いた。
とても心温まる1冊。主人公のまめとは年齢が近いせいか境遇が似ている。老健の話も独り身の祖母も、今後のことを話す両親もこの年代はみんな境遇が似ているんだなー
やかな気持ちになるし前向きになる気持ち。
庭や植物が好きな人にはとてもおすすめしたい。

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2023年12月31日

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『国道296、成田街道、京成本線』のワードからそわそわしていたが、予感は的中し地元の佐倉市が舞台となっていた。町並みが鮮明に蘇るので、物語がより身近に感じられた。

そして私にも認知症の母がおり、先日佐倉に帰り大掃除してきたばかり。良枝おばさんが冷淡に思えれるが、その気持ちも痛いほどよくわかる。人生の冬に差し掛かっている母にどう接していくか改めて考えるきっかけとなった一冊だった。

そしてやがて『ガーデン&カフェ えんどうまめ』が開店されることを期待して…

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2023年11月27日

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祖母のことを想い、主人公が成長して行く姿が、良かったです。花・植物に対する考え方も少し変わったかもしれません。

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2023年11月12日

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やがて訪れるハルの為にというエンディング、淡淡と進む物語にうってつけだってこと。海が見える家が大好きで、特徴の無い主人公がたくさんの経験と人と恵まれて、成長するのが好きだなってこと。ジロ翁が地主でまめ子に幸福をもたらすとか、夢に向かってとうとう実現させて、この後も続いて行く佐倉の生活が未来を感じる。ハルさんがとうとう帰れず施設に移るとか、もうちょっと元気で居させて欲しかったよ、あずさに弟に実在してたじゃんかボケてない、ほんと明日は我が身。千葉県舞台も浦安市に住んでたので思い入れが強い。

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2023年10月07日

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大人になるにつれ考えることは、仕事、他人の評価ばかり。
小さな幸せってよく見ればたくさん溢れてるのだろうけど、どうしても見つけられなくなる。
そんな自分の背中を押してくれるような物語だった。
世間ではマイナスに捉えてしまうことも、マイナスだと思えばマイナス。それをプラスにしていくのも考え方、行動次第なのかと感じた。
『庭』を中心にした物語でたくさんの花、季節の巡りを感じられ、登場人物も実は良い人ばかり。とても温かな物語だった。みんながこれからも幸せでありますように!

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2023年09月25日

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家族と庭の再生物語。
良かった…。素敵な読書時間でした♪

元花屋の幼馴染みの助けを借りながら、入院したハル婆が帰る日のため、荒れ果てた庭の再生に取りくむまめ子。
その過程で関わるようになった人たちとの交流。
少しずつ庭に花が綻び、いつの間にか子供から大人まで人が集まる場所へと変わっていく。

まめ子のハル婆の想い出に想像をめぐらせ、四季の花を愛でながらの読書。
ハル婆の想いを知って、胸に込み上げるものがありました。
読後は、温かいものでじんわり心が満たされます。
表題も秀逸!

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2023年08月20日

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荒れ果てた祖母の家の庭を手入れする真芽。

庭の花が季節ごとに咲き、ハーブや樹木が育ち、実をつけていくにつれて、真芽のまわりに、一緒にいて心地よい人たちが増えていく。

認知症の祖母の本当の思いを知ったり、母を思う娘の気持ちを知ったり、幼なじみのやさしさにふれたり、寂しさを感じて生きている子どもと知り合ったり、思い込みで人を判断していたと反省したり。

真芽の心の傷が庭とともに癒され、みんなが庭に集い、おいしいものがいただける素敵な空間ができた。祖母の庭になぜたくさんの種類の植物や木が植えられていたのか、その理由がわかったとき、孫を思う優しさというものの大きさを感じた。

また、やがて訪れる春のために、真芽も訪れる人達もこの場所でいい時間を過ごせるだろうなと思う。
近くにこんな場所があればなぁ。

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2023年08月06日

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ネタバレ

小さい頃から祖母と共に過ごしてきた村上真芽。あるきっかけで家族ともども祖母の家から引っ越すことに。それからは大人になっても祖母と共に過ごしてきたその家を訪れることはなかった。そんなある日、祖母が入院したとの連絡、会いに行くと、庭が心配だから見てきてくれないかと頼まれる。しかし、久しぶりに訪れたその家の庭は荒れ果てて、以前祖母が作り上げてきたお花や木々であふれていた庭は跡形もなく、家の中でさえ、信じられないほどだった…。どうやら認知症の症状も出ていると母から知らされる…、そんな祖母にまた素敵なお花や木々を見てもらいたくて真芽は幼馴染の友らとの協力を得て、庭を少しずつきれいにしていこうと決心する。やがてそれが自分が今まで描いてきた夢につながっていく。
祖母の認知症のことが他人事ではなく、年を重ねていくたび、人は記憶をなくしていくのだろうか。。こんなにも生活が乱れてしまうのだろうか…という不安も伝わってくる…。ひと(自分)は記憶でできている、その記憶がなくなってしまったら、自分ではなくなってしまうんじゃないかという不安、、、怖くなる。忘れたくて忘れてるわけじゃない…という悲痛な祖母(ハル)の言葉も心に突き刺さってくる。けれど、生きてる間に築いてきた風景や記憶は、本人だけでなく、本人が忘れてしまっても、家族や友人、お隣さんなど、いろんなところで引き継がれていくことができる。ということもこの本では教えてくれる。最後まで読み進んでいくと新しい春が訪れていた。

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2023年08月06日

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道新の空知欄で、いわた書店のご主人がこの本をお客に勧めることが多い、という記事があった。さっそく買った。いい話でした。この作者の他の本も、そのうち読んでみよう。

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2023年07月30日

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ネタバレ

入院中の祖母に頼まれたことがきっかけで、主人公の真芽はかつて自分も暮らして祖母の家の庭を見に行く。
かつての姿は見る影もなく荒れ果てた庭を見ていつか祖母が帰宅する日のために庭を再生させようと決心する。

庭が再生されるにつれ、疎遠になった祖母の、幻かと思われていた生き生きとした人間関係が次々と明らかになり、それと共に真芽自身が成長してゆく姿がとても眩しかった。
未来を感じさせる終わりに希望を感じます。

「忘れたくて忘れるわけじゃないのよ。私のことを、勝手に決めないでほしい。ふつうにしてほしいだけなの」

こちらの作品、現代ならではというか、耳の痛い話もでてきます。でも見ないふりはできない部分。
祖母の時は私は真芽みたいにうまく接することができなかったので、とても心に刺さりました。

#読書記録 #はらだみずき #やがて訪れる春のために #新潮文庫 #認知症 #

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2023年07月26日

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とても心温まる優しい物語でした。

主人公の真芽は、付き合っていると思っていた(1人勝手に思い込んでいただけ)男性が、自分の友達と親しそうに寄り添い歩いているのを見かけて、二人と縁を切り仕事まで辞めてしまう。
そんな所に、昔、一緒に暮らしていた祖母が入院したと連絡があり見舞いに行く。
そんな設定で物語は始まる。

一緒に暮らしていた真芽たち家族が家から出て行き、夫である祖父も亡くなり、ひとり暮らしていた祖母の衰え、認知の問題。
荒れ果てた祖母の家と庭。
目を背けたくなる独居老人の課題が、問題視というよりも、ありふれた日常の中に描かれていて深刻にならずに読めた。それでも、いずれ私自身も通る道だと思っている。
そんな祖母の家と庭を、真芽が祖母との思い出、祖母への想いで少しずつ再生していく。
作品の中に出てくる果樹やハーブ、草花がとても魅力的で
真芽によって手を加えられて生き返った庭の活き活きと輝いている様子がとても素敵で、そんな庭の風景を想像すると、とても穏やかな気持ちになりました。

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2023年06月28日

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緑いっぱいの庭に、爽やかな風が吹くのが感じられるような、そんな読後感。
単純な、庭再生の物語ではなかった。

真芽が、少しずつ、ひとつずつ、自分のことも、ハルさんのことも、いろんなことを理解して、受け入れていく様子に心動かされる。

真芽が手入れを始めたあれた庭には、不可解な謎がたくさんある。
けれど、真芽がいろんなことに向き合っていくうち、周りの人たちにも変化があって、謎もクリアになっていく。
あずきはかわいいし、遠藤くんもナスビーも、ジローさんも、庭に集う人たちみんなやさしい。

読めば読むほど惹き込まれていって、最後にタイトルの本当の意味が分かった時、ジーンとした。
そして、つい、自分の祖母に、メールを送った。

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

またまた会社の先輩にお借りした(^^)
あー、この本は海が見える家の作者様だったのか。
通りで何とも温かさを感じられる。

先輩が貸してくださる本は、ほっこりする本が多い(^^)
私みたいに、人がバタバタ死ぬような殺人事件はあまり好まれないようだ。育ちの違いなのか??^^;


村上真芽は幼少時代を祖母の家で家族と暮らしていた。
祖母が大腿骨を骨折し入院することになり、庭の様子を見に行って欲しいと頼まれる。

かなりの年月をあけ、久しぶりに見た懐かしの庭は荒廃していた。
雑草に覆われて、樹は立ち枯れていた。

真芽はこの庭を再生させようと考える。
そして、次第に自分の夢を思い出す。


この作家さんの本は温かい。
悪い人が登場しないからか?読み終わった時にほっこりする(^^)

個人的には海が見える家の方が好みだが、この本も短時間でさくさく読めるくらいに、いつのまにか夢中になって読んでいた(^^)

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2024年04月11日

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ネタバレ

なにもおおきなことではなく、できることをやればいい。なんのためにとか、そんなことはこだわらなくてもいい。むずかしく考える必要はない。自分がやりたいことを、自分のやり方で、できる範囲でやればいいのだ。

「私だってね、忘れたくて忘れるわけじゃないのよ。私のことを、勝手に決めないでほしい。ふつうにしてほしいだけなの」

自分というものは、自分の記憶の集積によってできている。そう考えると記憶を失っていくことは、自分の一部をもぎとられていくことに等しい。未来が限られていると知る者には、それはなおさらせつない試練となるだろう。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

とても好き。温かい。大事に手元に置いておきたい本。こういう出会いがあるから読書が好き。主人公が仕事辞めてやりたいこと見つける流れが、歌舞伎座の怪紳士に似てるなとも思った。

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2024年02月27日

Posted by ブクログ

いわた書店の一万円選書の中に入っていた一冊。届いた本の中で1番自分の心に響いた本。
この本を読んで、親代わりになって育ててくれた今は亡き祖父母のことを思い出していた。
暖かくなったら、祖母の大事に日していた庭の再生に私も挑戦してみようと思う。

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

2023.12.10〜12.13

「この土地、知っている」と思って購入。なんとなく土地勘があるので、「あそこ辺りだな」と想像しながら読んだ。
忘れたくて、忘れるわけじゃない、の一言。インパクト、ありすぎ。
1人取り残され、誰も来ない庭をどうしようもできない。気力が湧いてこない。
未来の自分が本の中にいるような気になった。
でも、今の自分ができること、ただ、やっていこう、そう思って進んでいかなきゃ。日々、一歩ずつ進んでいく。

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2023年12月13日

Posted by ブクログ

優しい話。

思い込んでしまうと、一方からしか見えない事も
思い込みを捨てて見てみれば、違う側面も見えるかもしれない。

叔母さんの気持ちもよくわかる。
真芽の気持ちもよくわかる。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

荒廃した祖母の庭を整えていくうちに、多くの気づきや祖母の気持ちや愛情を感じ取り、成長していく過程に、気持ちが洗われていく感覚を味わうことができた。祖母が大切にしていたものを継承し、祖母が願っていた「多くの人が集い、心を癒せる亅庭にいつかなれるようにと、強い志を持つ主人公に感嘆したし、そういう生きがいもいいものだと思った。

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

おばあちゃんが施設に入るとき、孫の私達にはなんの発言権もなかった。そして親の番になっても子供らが平等に口出しできる訳ではないんだよなぁ。。危なくて1人で生活させられない、って
家を奪っていいものか、色々身につまされる話だった。でも「今の自分にできること」をやろうとする真芽の姿は多くの人にとってひとつのヒントとなることだろう

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2023年10月16日

Posted by ブクログ

やがて訪れる春のために。

続きがあるなら読みたい。
オープンガーデン&カフェの今後も気になる。

我が家のベランダでもお花を育ててるから、お花のお話も楽しかったし、周りの人たちとの関係もとっても良かった。

心が温かくなるお話。

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2023年09月28日

Posted by ブクログ

最後の一文になるほど。
小さい頃の思い出の庭を再生してまた新しい出発をした主人公が素敵だった。
最後の解説を読んで、自分が成長したと感じる一方で成長を見守っててくれた家族は年をとっていくけれどこれからどう一緒に過ごしていくか改めて考えたいと思った。

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

夢に破れ、仕事もやめた真芽が、かつては一緒に住んでいた祖母が入院し、庭の様子を見てきてと言われるが、庭どころか家も荒れ果て……。家を再生させながら、自分を見つめ直し、祖母の気持ちを知る。叔母さんや両親が認知症の祖母を見切ってるかのような対応も、当事者だとそうもなるのかな。これは題名通りの物語だと、読み終わるとじんわりくる。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

認知症の疑いのあるハルばあちゃん。
話が進んでいくと、たまにハルばあちゃんの話が
本当だったりもするから、
実は元気で認知症なんかじゃないよと言ってくれればよかったのになぁ。

大好きな人がいつも元気だったのに、
元気がなくなったり、今まで違う様子だったりするのを見るのはつらい。
まめ子も元気になってほしくて、お庭に帰ってきてほしくて
と願って色々と試行錯誤しているんだろうなあと思った。

認知症の悲しい所は、当人もその周りの人も変えてしまうこと。
忘れたくて忘れるわけじゃない。
ハルばあちゃんの心の叫びを聞いたとき涙が出た。

ハルばあがまめ子のために色々としてくれていた形跡が
庭のあちこちにあった描写があって、そこでも涙が出た。

老いは悲しいし怖い。
でも老いは、いつか自分にも親にも子供にもやって来る。
その老いに対してどう向き合っていくか、
とても大事なことだなと思った。

やがて訪れる春(ハル)のために
なのかとタイトルを読み直して
ふっと心が温かくなった。

色々な事を考えさせられる本でした。

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2023年10月25日

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